八王子市議会議員

相沢こうた

KOHTA AIZAWA

相沢こうたの使命

こんにちは、八王子市議会議員の相沢こうたです。

2021年5月・6月

〇私事でありますが、4月中頃より実家である埼玉県狭山市に暮らしていた実の父が体調を壊し入院、結局5月半ばに病院で死亡するという出来事がありました。年齢は89歳と高齢で身体はあちこち痛いところはあったようでしたが頭脳は衰えたところは感じられず、元々非常に達筆でして4月初めに私の娘の誕生日祝いを送ってくれた時の手紙にもしっかりした筆字で、高齢の人には少しややこしいと思われる(今時の)娘の名前も間違えずに記してあり、そんな事からもこの世を去るのはもう少し先だろうと思っていましたので、急な展開に振り回された2ヶ月間でした。
親父の入院、看護、葬儀などで貴重な体験をさせてもらったと感じていることがありますので、いくつかお話ししてみたいと思います。

・まずコロナ禍である、ということを改めて痛感しました。入院してしまうと面会が出来ない、このこと は多くの方が体験されているのでしょうが、見舞いが出来ないということではなく、どのような状況にあるのかを直に見られないということは身内からすると非常に焦(じ)れると言いますか気をもむところです。病院のスタッフの方々はプロですので治療や身の回りのお世話に関しては何ら問題がないのだと分かっているのですが、普段から近くにいた者はそのしぐさや会話、表情などから体や心の加減などが読み取れるはずで、病院に行く度に一瞬でも会う事が出来れば喋らなくとも伝わること・伝えられることがあるのではないかといつも思っていました。父は普段から携帯電話を持っていなかったこともあり、こうなると外部からのルートは完全に断たれてしまいます。電話が鳴った時の出方だけは教えてやってくれと看護師の方にお願いして、急ぎ携帯電話を用意して渡しました。これで3回くらいは直接声を聞く事ができましたので、高齢の身内が入院となってしまった時はぜひとも携帯電話を持っているのか確認して準備されたら良いと思います。数か月前に友人のお父さんが病気でお亡くなりになり、その時に「コロナ禍ではありますが身内の方ならば5分~10分程度の面会を許可します」と病院から電話があり、その日から数日で息絶えてしまった、余命数日だと医師が判断した時は合わせてもらえる場合があるのでないのかな、とその友人から聞いていました。入院している患者がコロナウイルス感染症ではない限りはこのような対応をしていただけるようで、うちの場合も同様に死去する2日前に会わせていただくことができました。このあたりは一年前と少し変わって来たところなのかも知れません。

・さて、父は胃癌が重症化しており食事が通らなくなったため、直接栄養を流し込むための管を一時間ほどの外科手術で胃に付けました。経管栄養というそうで、手術で胃や腸などの消化管に穴を開けチューブやカテーテルを使って栄養を直接送る処置で、胃に穴を開ける方法のことを「胃ろう」、腸に穴を開ける方法のことを「腸ろう」というとのことです。この管を付けるとケア条件を整えれば居宅看護にて対応可能となります。高齢となった母親が看護する自信が無いと頑なに言うので、実家ではなく八王子の我が家で居宅看護をしようということになり、家族も快く了解してくれたのでその準備に奔走することになりました。今まで市民の方からのご相談で介護保険課や高齢者あんしん相談センターをご紹介し対応していただいたことは数多くありましたが、その詳細や経過については個人的な要素が強いため担当所管にお任せしており詳細を知ることはありませんでしたので、始めて介護・看護といった部分についての諸対応を実体験する機会となりました。4月中旬に入院してから介護認定の手続きを狭山市役所に提出したので、その認定受理まで1ヶ月以上掛かるようで、その期間中の対処方法や申請した場所、住民票がある場所と居宅看護を受ける市町村が違う場合はどうなるのか、取り掛かりの時点から素人には判断が出来ない状況でした。結果して申請手続き中でもどんどん進めて大丈夫、きちんとしたルールに則って進めれば後から看護開始まで遡(さかのぼ)っての対応が可能であり、また違った市町村でも連携が取れるので大丈夫であるとの結論でした。私の場合は八王子市長沼町にある長沼高齢者あんしん相談センターに窓口となっていただき、ケアマネジャーをご紹介いただいてからその方と具体的な居宅看護に必要な準備などのお話しをしました。高齢者あんしん相談センターに伺って諸事情をお話しした翌日にはご相談した内容について全てお答えいただき、ケアマネジャーをご紹介いただく運びとなりました。介護ベッド、在宅酸素などの手配は翌日から付くようにしていただけ、必要によっては吸引器なども大丈夫、往診していただく先生もあたりを付けていただきました。この間、相談センターにご相談に伺って3日で話が整い、その対応の早さに感服いたしました。居宅看護についてどのように対応して良いのか、何から手を付ければ良いのか自分自身が混乱しておりましたが、短期間でこんがらがった紐をほどいてくださり、親身になって対応していただけたことはとても有難かったです。更にはこれから始まる看護の生活に対して、また狭山市からの移送のための介護タクシーなどについても適確なアドバイスをいただきました。国の方針が病院の長期入院ではなく居宅看護を推進する方針に変わってきたことを受けて、実際にそのための細かな対応を行うのは地方行政ですが、八王子市は相当の努力をされておりしっかりとした取組みをしていただいていると身を持って実感いたしました。八王子市は私が実感した通りですが、恐らくここは地方行政ごとに構築している部分だと思いますので地方によって差が発生してしまうのだと思います。蛇足ですが父は入院中に重度の肺炎を発症してしまい、結局居宅看護に移行することが出来ずに息を引き取ってしまったのが残念でした。

・もう一点、死亡した後の様々な手続きについて「これが大変なんだよ」と経験者からお聞きしていましたが、それを実感中です。市役所での手続きもわかりにくいのですが、年金事務所や生命保険会社などに提出する添付書類が一律では無いため何かと取り忘れがあり、お陰で狭山市役所には何回も通う羽目になりました。たまたまですが八王子市では「おくやみコーナー」という窓口をここで開設しました。死亡に関する市役所での手続きを一つの窓口で取り扱っていただける取組みで、実際に狭山市役所であっちこっちの窓口を渡り歩いた先日の経験からは羨ましい限りです。高齢化によって手続きに来られる連れ合いの方の高齢化は加速します。私が行っても相当面倒くさいのですからご高齢の方では途中で嫌になってしまうのではないかと推測しますので「おくやみコーナー」の設置は市民から喜ばれるものになると確信します。ついでに申し上げておきますと、私の場合、父親と同居している母親が字を書くのも不自由になってしまっているため私が代理人となって孤軍奮闘した訳ですが、長男で喪主ですが同居していないため、本来の申請者である母からの委任状提出をやたらと求められ、委任状の多さに閉口しました。委任状が必要なことは理解していますが、八王子市の「おくやみコーナー」ではここを円滑に進める方法を是非とも取り入れていただきたいと思っています。

※また文字だらけ・モジモジ君になってしまいました・・・

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