八王子市議会議員

相沢こうた

KOHTA AIZAWA

相沢こうたの使命

こんにちは、八王子市議会議員の相沢こうたです。

5月

〇先日、文教経済委員会の行政視察で東北地方に伺い、郡山市、盛岡市、八戸市の各々の施策について拝見して参りました。この中で私は八戸市が特に印象に残りましたので、八戸市のお話しをしてみたいと思います。

・近年、視察で様々な地方都市に伺いますと少子高齢化による人口減少の影響から街の活気が減退しており、また従来の中心市街地ではなく郊外に大型商業施設が出来たことや新興住宅地も郊外に偏ることなどから、街の賑わいの中心が元々あったメインの駅を中心とした中心市街地商店会から移動してしまい中心市街地の活気が薄れてしまっている、そういう状況をたくさん目にします。
 八戸市の中心市街地の平成に入ってからの30年間の推移を見ますと、平成2年長崎屋・ラピア閉店、平成6年イオン閉店、平成9年市民病院移転閉院、平成14年イトーヨーカ堂閉店、などに加えて地元の大きめな商業施設の閉店までが相次ぎ、平成元年頃に比較した平成20年の歩行量調査の数値は平日で三分の一、休日に至っては五分の一近くにまで減少してしまっています。
 中心市街地のデパートなどの大型店舗が次々に閉館して活気が無くなる・・八王子とよく似ています。

相沢こうたの使命

・この衰退の期間の中頃にあたる平成14年には東北新幹線の八戸駅が開業しています。この駅は従来からの八戸の中心市街地から在来線で二駅離れており、現在でも駅前には数件のビジネスホテルと居酒屋程度しか無く、駅前整備すら道半ばの状況です。ただ新幹線の駅が出来たことで東京まで3時間を切る距離となり、取組み方次第では様々な可能性が生まれたことになります。この頃に行われた市民アンケートでは中心市街地の復活は「重要」「非常に重要」と回答した市民が全体の62%に上り、他のアンケートでは、市長が取り組むべき施策として雇用・子育てに次いで喫緊に取り組むべきは中心市街地の活性化である、という声が市民から多かったとのことです。
ここで八戸市は中心市街地の活性化に本腰を入れます。平成20年7月に中心市街地活性化基本計画の国の認定を受け、それが終了した後、引き続き平成25年3月に第二期中心市街地活性化基本計画の認定を受けて中心市街地活性化に取り組んでいます。今回の視察ではその取組みの中で中心市街地の顔として作られた「八戸ポータブルミュージアム はっち」を見学させていただきました。この建設以降、周辺に「八戸ブックセンター」「にぎわい拠点 マチニワ(現在建設中)」「新美術館(平成32年度完成を目指す)」が建設され、少し離れた位置には世界大会基準のスケートリンクの整備が進んでいました。

・こういった箱物と街中の整理、イベントの開催などが功を奏して、平成23年以降は減少し続けていた中心市街地を訪れる人たちが増加傾向に転じて、以後ずっと増加しています。ただ箱物を作っただけでは人は増えません。増加した背景にあったのは強力な市民力によるものでした。
 新たに整備されたポータブルミュージアムを活用した様々なイベントが開催されています。市民による文化芸術活動も盛んに行われるようになったようです。そしてそこに拍車を掛けたのが、中学生から70歳代までの市民で結成しているボランティア集団「まちぐみ」という団体の活躍です。自分たちで店を巡ったりしながら集めた記事を基に新聞を発行したり、イベントを開催したり、グッズを提案したり、店舗のリフォームなども手掛けています。「まちぐみ」参加者は開始から一ヶ月で50人が新たに参加、噂を聞きつけた市民が続々と参加し、その後一年間でその数は200人を超えています。「まちぐみ」の活動を勉強しようと東京や広島などから街づくりを勉強する大学教授や大学生が多く八戸を訪れるようになったとのことでした。・・詳しい活動はインターネットで「まちぐみ」で検索すると、すぐに「まちぐみ・青森県八戸市を面白くする市民集団」と出てきますのでご覧ください。
 街が活気付いて来ると面白いもので企業なども寄ってきます。八戸市には特にインターネット系の会社が事務所を構えるようになったとのことで、Yahooもその一つで、私も読んでいる随時送られてくるYahooニュースの原稿は八戸の事業所が担当しているとのことでした。企業が増えれば昼夜の街の人口も増加します。いくつかの細い路地があり、ここに並ぶ飲み屋の路地文化も活気があり、私は滞在の夜にその中の一軒に入りましたが、若い店主は好青年でこの街の良さをたくさんお話ししてくださいました。一時期目立っていた空店舗も無くなってきたとのことで、こうなると様々な事が好循環するのですね、全国でも稀な成功例であり、まだまだ進展し続けると感じました。

相沢こうたの使命

・八王子の中心市街地では「何とかして欲しい」という声を頻繁に掛けられますが「自分たちが何とかしたいから協力して欲しい」という声は掛けられたことはありません。中心市街地が広すぎて商店会が多すぎるように感じます。同じ中心市街地でもその場所によって微妙に求めるものが違う、商業者と住民・来訪者など立場によって求める理想に大きな差がある、などが影響して方向性が一本化できないことも原因の一つだと思います。土地を持っている人と活動したい人の温度差もあるように思います。そういったことが様々に悪い方向で連鎖してしまっているのが八王子なのかな、と思います。八戸の事例のように好循環させるには、八王子でも市民力の結集を誘導する施策が必要なのではないかと強く感じた視察になりました。

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