相沢こうた (あいざわ耕太) 八王子市議会議員

相沢こうたの使命

こんにちは、八王子市議会議員の相沢こうたです。

平成27年11月

○昨日原子力規制委員会が福井県にある高速増殖炉「もんじゅ」に関して、運営をしている日本原子力研究開発機構を不適切とする勧告を出す、という記事が新聞に掲載されました。市議会の内容とは離れますが久しぶりにエネルギー関係の話しに触れてみたいと思います。

・ちょうど6年前になりますが、私たちの会派視察で「もんじゅ」を訪れたことがあります。核燃料サイクルとはどんなことなのかを課題に、実際に「もんじゅ」の施設を見せていただいた訳ですが、その時の私の感想文がありますので抜粋してみます。

<過去に・・・いくつかの原子力発電所を視察いたしました。今回「もんじゅ」を視察して大きな違いと感じたのは、前者は民間で既に実用化されているもので日本のエネルギー源として大変重要な役割を担っていますが、もんじゅはまだ研究段階といういわば研究用の試作品であるということです。 ・・・・私にはこの施設が2050年の実用化を目指した国の試作品であるという認識がありませんでした。

・・・・1995年12月にナトリウム漏れの事故を起こしたもんじゅは様々な対策を施す工事を展開しながら、なんと14年間一度も稼働することなく今日を迎えています。試験用とは言っても原子炉をもっていますし、ウランからプルトニウムを作るということで(プルトニウムは原子力爆弾の原料になります)大変に厳しい管理体制と作業安全体制が取られています。こういったトラブル対応もひとつの大きな前例として将来に生かせるといってしまえばそれまでですが、国の予算をつぎ込みながら行っている事業だからでしょうか、実用化に向けた意気込みといいますか、必死な感じが全く伝わってこないと感じました。資源の無い日本では原子力発電におけるウラン燃料の再利用は今後非常に重要な意味を持ちます。使用済みのウラン燃料を国内で再利用できればその燃料は輸入品ではなく日本産の燃料という位置づけになります。・・・・電力会社は民間ですから最終的に収支に跳ね返ってくるため研究開発や新技術に対しても実用化が出来ることが大きな目標になります。もんじゅの原理は大変参考になりましたが、国が独自の開発をするよりは電力各社などと協力をしてより早く実現できるプルトニウム利用を考えるべきではないかと感じた視察でした。(2009.10.22)>

相沢こうたの使命

・「もんじゅ」では2012年に約1万点にものぼる機器で点検漏れがみつかり、今年8月に点検順位などに約1400件の誤りが判明し、本来ならば重点的点検対象なのに一度も点検が実施されていない機器もみつかったなど再三に渡る安全管理の徹底を求めていたにも関わらず改善されなかったことから、安全管理に重大な問題があるとして規制委員会は運営体制の見直しを「もんじゅ」を所管する文科省に勧告したものです。

今更だな、というのが私の正直な感想です。2009年にさらっと表面的な視察をさせていただいた時におかしな施設と運営体制だと感じた訳ですから、今まで国はいったい何をしていたのだろうと、この新聞記事を読んで呆れました。そもそも実験用試作品であり営業運転はされない施設だからこそのずさんな管理体制なのでしょうが、それでも総事業費は1兆円に達し現在でも年間約200億円の維持費がかかっているようです。一般の方から見ると電力会社の原子力発電所とは違った位置付けの「もんじゅ」も原子力施設の一つに映るでしょうから、原子力というものに対する信頼が崩れてしまう要因にもなりかねません。

「もんじゅ」に課せられているのは核燃料サイクルの確立で、これは原子力発電所の使用済み核燃料に含まれる使えるウランやプルトニウムを取り出して再利用することで、エネルギー資源の無いに等しい日本のエネルギー資源の安定的な確保につながるものです。使用済み核燃料の平和的有効利用のためには確立させたい技術ですが、今回の報道から感じることは巨額の歳費と長い年月を掛けている割には順調とは程遠い進捗状況だと想像できます。

「もんじゅ」は建設当時の技術者はそのほとんどが退職をするなど第一線から退いているようです。高速増殖炉という特殊な技術の知見を持つ技術者は世の中に少なく、技術継承の難しさも原因のひとつなのかも知れません。一般の原発の原子炉を廃炉にするとしても数十年の歳月が必要であり、もんじゅに代表されるプルトニウムの平和的利用に関しては国策として今後の更なる技術開発が必要な分野であり、それらのためには原子力に携わる新たな人材育成が喫緊の課題でもあります。

人間が便利な生活を手に入れ、それを維持向上させようとすればするほど原発に限らずエネルギー全般の課題は正面から取り組まざるを得ない重要なものです。「もんじゅ」を対岸の火事と見ず日本人全体の問題だと認識して注視することがまずは大事なことなのではないかと感じています。

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