八王子市議会議員

相沢こうた

KOHTA AIZAWA

相沢こうたの使命

こんにちは、八王子市議会議員の相沢こうたです。

2020年1月

〇新しい年を迎えました。今年は夏に東京でオリンピックが開催されるなど通年とは違った一年を期待する向きは多いと思いますが、東京オリンピック終了後の本年後半の景気動向などを考えると浮かれてばかりいられないような気がしますし、近年並みに今年も台風などの自然災害は来るのか、また少子高齢化は顕著に進行している世の中を考えますと、課題山積の時代だと強く感じています。
会社では私の同期が今年57歳を迎え、課長職以上の管理職に就いている友人の中には会社の第一線を去っていく方がいます。いつの間にかこんな年齢になってしまった、と不思議な気持ちでいるのですが、1月11日の日経新聞に年配者の働き方に関する世論調査の記事が掲載されていましたのでそれらについて一考してみたいと思います。

・新聞によると、まず「何歳まで働くつもりか」という質問に対して60歳以上の54%が70歳以上まで働くと回答したとのこと。また具体的な働く年齢に対して(回答者は年齢別ではなく全体で) 75歳以上まで働く・・全体の16%、同様に70歳~74歳まで働く・・21%、65歳~69歳まで働く・・26% と、ここまでで全体の63%・三分の二となります。この回答から働きたいと考える平均年齢を出すと67.5歳で世間一般的に言われている定年退職の60歳~65歳と大きく開きがあることになります。また「老後に不安を感じている」と答えた人は全体の76%で、その内容は 健康面が71%、生活費など経済面が68%で、老後の生活のために働き続けたいと望む人が増えていると考えられます。

・近年は人生100歳時代などと言われますが、日本人の平均寿命はどのような変化をしているのか改めて見てみますと以下の表のようになります。

相沢耕太議員
相沢耕太議員
相沢耕太議員

昭和30年に男63.6歳であったものが昭和50年には71.73歳、平成8年から78歳程度で安定しています。この数値から60歳の時の「平均余命」として残っている男性の年数を出してみますと昭和40年には7.74年であったものが昭和60年には約15年、平成8年以降は20年近くとなります。

・続いて日本の定年退職についてですが、1980(昭和55)年頃までは多くの企業において55歳が定年退職でした。1986(S60)年の「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」の改正で60歳定年が企業への努力義務になり、1994(H5)年の改正で60歳未満定年制が禁止されたことで60歳が日本の標準的な定年になりました。2000年には企業に対して65歳までの雇用確保措置を努力義務化し、2004年には65歳までの雇用確保措置の段階的義務化、2012年には希望する労働者全員を65歳まで継続雇用することが義務化されています。ですから現在は希望すれば65歳まで継続して在職できることとなっています。但し、収入面においてはかなり下がる実態にあります。

☆65歳では平均余命が14~15年あることになり、60歳からの下がった賃金ではその分の蓄えをするには足りず、その後の人生に不安を感じ、余生の部分も働かなくては生きて行けないと考える人が増えているということになるのだと思います。当然ですがこの事象には年金制度に加えて国民健康保険などの負担の課題など、生きて行く上で得ることが出来る金額に対して負担しなくてはならない割合が増加していることなどが、歳をとっても将来に不安を抱えていることに大いに関係しています。

・昭和50年代くらいまでの平均寿命が短い時代では、あまり良い表現ではありませんが定年後の時間が短いことから年金受給側の人数はさほど多くなく、若い層が多かった世の中ですので社会の負担になっておらず潤沢に支給されており、それに加えた退職金やある程度の蓄えがあればさほど心配しなくても老後という時間を過ごせたのだと思います。またこの時代はひとつの企業や職種を全うする方が多かったため様々な制度設計はやりやすかったのだとも推測します。平均余命という表現をしましたが、現代は第一線を退いてからの余命が長い人では30~40年以上と以前とは比較にならないほどの年数になる訳で、例えば2000万円の蓄えがあっても残りの寿命から逆算すれば1年に100万円も無い訳で、平均余命ですから残りの時間がもっと長い人もいますので益々不安になるのです。

・本来であれば一生懸命に世の中を生きて来た後に与えられる穏やかな時間が余生だと思いますので、生活資金の心配に縛られずゆったりと時間を楽しんで生きていただきたいものです。働き手不足から「人生70~75歳まで働く時代」などと国がそんな言い方をしますが、長生きできることが幸せであると真に感じられる世の中にすることにもっと真剣に取り組む必要性を感じています。

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