相沢こうた (あいざわ耕太) 八王子市議会議員

相沢こうたの使命

こんにちは、八王子市議会議員の相沢こうたです。

6月

〇我が子を虐待する事件は後を絶ちませんが、また心が痛くなる事件が報道されました。
子どもたちが社会の様々な事象の犠牲になることがないよう、虐待事件に関してもその根絶を図るべく、未然防止対策の充実に向けての要請を続けており、行政側もその重要さを認識し体制強化を図る、という回答がされます。おそらく全国の議会でこのような議論は多くされていると推測するのですが、今回の事件に対する品川児童相談所の対応を見る限り、その認識の甘さに納得できないものがあります。事件の経過を知れば知るほど、この子の命は守れたのではないだろうか、という気持ちが強くなります。

・事件は、東京都目黒区で発生しました。本年3月2日に5歳の女の子(結愛ちゃん)が度重なる親からの虐待が原因で幼い命を落とした事件について、6月6日に警視庁が保護責任者遺棄致死容疑で両親を逮捕したため、その全容が新聞報道されました。
亡くなった結愛(ゆあ)ちゃんは母親(25歳)の連れ子で、主に虐待を繰り返したとみられる父親(33歳)は再婚相手。結愛ちゃんの心の叫びは、公開された5歳にして自らが書いた親への手紙から悲しいほど伝わってきます。まだ幼い知識の中で一生懸命に書いたのでしょう、読む度に涙が出てきます。

相沢こうたの使命

どんなにだらしなく馬鹿な親でも、まだ一人では生きて行けない幼子からすれば親は親で、その人たちを頼りに生きるしかないのです。他の幼い命が犠牲になった事件でも同様ですが、子どもたちはどんなに追い込まれたり無視されたりしても最後まで信じ続け、何とか生きようとします。幼い命は絶対に自ら命を絶つことは考えず、最後の最後まで明日を見続けて生き続けようとするのです。その過程を思うとあまりにも切なく悲しくて、何とか出来なかったのかと悔しさと怒りを覚えます。結愛ちゃんの手紙も同様で、酷い仕打ちを恨む言葉ではなく、自分が悪いと・・・、無垢な心に対して親のとった行動の罪深さが余計に醜く映ります。

・結愛ちゃんの死亡までの経過を見ると、品川児童相談所の対応不備による責任が浮き彫りになります。一家は東京都目黒区への転居前は香川県善通寺市におり、香川県にいる時に半年間で2度、父親が結愛ちゃんに対する傷害容疑で書類送検になっています。この時に2度とも結愛ちゃんは身の安全のため一時的に家庭から引き離す一時保護を受けています。一年間で2回同じ罪を繰り返している訳ですから、きちんと改善が確認されるまで児童養護施設にて保護できなかったのか、ということが1回目のヤマだと思いますが、対応そのものは丁寧に行われていたようで不備とまでは言えません。
問題は目黒区への転居後の品川児童相談所の対応です。転居した際に香川県の児相から品川児相にどのような引き継ぎがされたのかまで知る資料はありませんが、1月下旬に児相間の引き継ぎはされた模様で、現に2月9日には自宅を訪問しています。ただこの時に結愛ちゃん本人に会っていないということで、どのような引継ぎがされていたのか、疑問が残ります。引継がれた方の仕事とすれば今まで当人を見ていないのですから、まずはどのような子なのか、状況などは引継がれた通りなのかなど、まずは本人を担当自らの目で見ておくことは必須です。結愛ちゃんは5歳なのに体重が12㎏しかなかったとのこと、また亡くなった時に手足に凍傷の跡が確認されたということですから、この時に本人に会っていれば様子の異常さが確認できたはずです。更に2月20日に行われた学校説明会にも不参加で家族を含めて誰も姿を見せていません。この情報が学校側から児相に対してきちんと伝わっているのか、有効に活用されたのかも疑問です。この日から12日後、結愛ちゃんが目黒区に転居して来たのが1月ですから転居から2ヶ月も経たずに死亡に至っている訳ですから、一度本人に会ってさえいれば尋常ではない本人の状況はきっと何か確認でき、保護に至ることもできたのではないかと思うと、品川児相の課題認識の甘さが悔やまれてなりません。

結愛ちゃんの死亡を巡る経過(日本経済新聞社会面より抜粋)

年月日状 況
2016年8月香川県善通寺市の自宅から「子どもの泣き声が聞こえる」と近隣住民が児童相談所に通報
2016年12月25日自宅前に放置され、翌26日に県の児童相談所が一時保護
2017年2月児童相談所が一時保護を解除。県警が父親を傷害容疑で書類送検
2017年3月自宅前に再び放置され、児童相談所が2度目の一時保護
2017年5月県警が父親を傷害容疑で再び書類送検
2017年7月児童相談所が一時保護を解除し、保護者に「児童福祉司指導」を決定
2017年8月医師が身体にあざを見つけ児童相談所に通報したが保護されず
2017年12月父親が東京都目黒区へ転居。残る家族は翌年一月に上京
2018年1月4日香川県の児童相談所が児童福祉司指導を解除
2018年1月下旬香川県の児童相談所が東京の児童相談所に経緯などを引き継ぐ
2018年2月9日東京都の児童相談所が自宅を訪問したが結愛ちゃんに会えず
2018年3月2日体調が変化したと父親が119番。搬送先の病院で死亡確認
2018年3月3日警視庁が障害容疑で父親を逮捕
2018年3月23日東京地検が傷害罪で父親を訴訟
2018年6月6日警視庁が保護責任者遺棄致死容疑で両親が逮捕

今までの虐待事件の事象を考えると、結愛ちゃんが片方の親の連れ子であること、直近の短い期間に虐待が繰り返されている経過が確認されている、都会に転居してきたこと、子どもへの面会を拒んだことなど、事件に発展する可能性を強く感じる沢山のサインが出ています。品川児童相談所が本人に会えるまで行き続けるなど、事を重要視していたら保護できたのではないかと思うのです。

・香川県のこども政策の充実に向けた取組みを、会派視察のテーマにしてお伺いしたことがあります。「イクケン香川」というキャッチフレーズで子育てを含めたこども政策に大変力を入れています。香川県と東京都では人口が大きく違い、社会構造の違いなどからもこども政策の手間が比較にならない、という人がいるかも知れませんが、これは言い訳になりません。人の命、今回は特にこどもの命に関わる課題です。対応できないのであれば早期に対応できるよう改善を図るべき種類の課題です。都会だから、人口が多いから対象になる事象が多くて対応しきれないのであれば、対応できるよう人を増やすなりの対策を施せばよいだけです。

児童相談所の充実は都道府県単位で対応する課題ですが、この事件が表に出た以降も都知事の言動は相変わらずオリンピックやら、禁煙やら、都内の電線の地中化などの話しばかり。煙草など吸っていても明日明後日に命がどうこうなってしまうという種類のものではないし、電線類の地中化など電気が点かない地域など無いのだからこんな施策は暇な時にやればよいという部類の政策で、能天気なのもいい加減にしていただきたいと憤りすら感じます。巨額な費用を要する電線地中化を行う余分な金があるのなら、先に児童相談所の充実に向けた費用に回してもらいたいと切実に思います。 結愛ちゃんの悲しい事件を無駄にしないためにも、同様の芽を摘むための施策の見直しと充実を求めていきたいと思っています。

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