八王子市議会議員

相沢こうた

KOHTA AIZAWA

相沢こうたの使命

こんにちは、八王子市議会議員の相沢こうたです。

2022年1月

〇新年明けましておめでとうございます。

年明けは天候が穏やかで感染症も落ち着いていましたので、今年は普通の一年の姿を取り戻せるのではないかと期待していましたが、ここ2週間で新たな変異株であるオミクロン株が急激に感染者を増やしており、令和4年は早くも嵐の船出の様相となってしまいました。オミクロン株に関しては軽症で済んでいる方が多い、肺炎にはなりにくい、味覚障害など従来のコロナ感染で後遺症として課題であった症状が出ないなど、多くの方は風邪症状で終わっているということのようですが、こういった症状を含めた「敵」の全容を把握できるまでは警戒をしなくてはなりません。デルタ株も完全に無くなった訳ではないようですので、従来に増してうがい・手洗い・マスクの着用・体力維持に努めていかなくてはなりません。

〇さて、新年を迎えて日本の近未来の展望に関して新聞や雑誌でいろいろと拝見しました。様々な業態に関して共通するキーワードは「脱炭素」「デジタル化」そして新型コロナによって大きく世の中が変貌した中での「テレワーク」ですとか生活様式の変化に如何に対応していくか、ということが総じて当面の課題とされています。あらゆる部門において5Gに代表される通信システムを活用した進歩は益々加速するでしょうし、対面では無くインターネットをより活用したビジネスは常識となるでしょう。また脱炭素の取組みはあらゆる部門で重点を置かれ、これらから新たな社会の常識が生まれてくるのだと思います。しかしこういった新しい技術や新たな社会常識への流れは多様な分野が足並みを揃えて実施していく訳ではなく、また進捗の度合いに差が生じるはずなのでしばらくは歪(いびつ)な社会構造になるのだろうと個人的には思っています。

・脱炭素に関して、ひとつ車を例にしますと、車は間違いなく電気自動車に移行していくでしょう。しかしその車に充電する電気は、現在は化石燃料で発電しています。現在のガソリン車やハイブリッド車の性能は優秀ですから、現状では電気自動車に充電するよりも直接ガソリンを充填して走る従来の車の方がCO2の排出は少ない状況です。電気自動車に移行するのであればそこに充填する電気をカーボンニュートラルの電気にしないと意味がありません。また電気自動車に移行するにもその価格が現在の車の購入額と同等以下でなければ一般ユーザーまで浸透しませんし、バイクから大型トラックやダンプまで、また農耕用やクレーンなど特殊車両まで電化できるものなのか、車の電化と簡単に言いますが道は平たんではありません。また車のボディには鋼材・プラスチックなどが使われますがこれらの分野は多くのCO2を排出していますので、この分野の脱炭素化が進まないとエンジンからCO2が出なくても車を作るためにCO2を発生させていることになり、総合的なカーボンニュートラルの取組みとして評価はされません。こう書いていると課題は多方面に及ぶ訳で相当困難なことだと改めて思う訳です。

・インターネット、デジタル化、脱炭素など社会構造に関わる進歩と合わせて人々の生活の利便性向上などの将来展望について様々に考えていると、ふと気が付くのがこれらのほとんどの発展には電力の安定供給は話題にすら出ないほど当然のようにベースになっているいうことです。随分前ですが、世の中の流行りで小さな発電方式で発電して活用しようという走りの時期があり、市議会の一般質問で「電力品質」について述べさせていただいたことがありました。日本の電力品質は世界で一番優秀であり、この優秀な電力品質があるからこそ日本は様々な分野で発展を遂げられている、ミリ単位以下でも機械が正確に溶接できるのは電圧変動が無い良質な電気でその機械が動いているから、家電製品を簡素化できるのは製品の使用時に異常な電流が流れ込まない電気で使用できることを前提で設計されているため過剰な防御部品を省けるから。こういった電気の質に加えて停電が少なく安定して供給されることを総じて電力品質と言い日本は非常に電力品質の高い国なのだ、と申し上げました。これからの世の中の発展を改めて見てみますと良質な電気が今まで以上に安定して供給され続けていることは望まれるというよりも当然であるというベースに様々な分野の将来像が描かれており、電力の安定供給は益々重要になってきます。

・同時に電力の分野は脱炭素を強く望まれています。CO2を発生しない方法によって発電した安定したクリーンな電気を使ってもらうことで日本のカーボンニュートラルは大きく前進することは言うまでもありません。水素やアンモニアなどの新たな原料による発電などは当然研究され導入されていくことと思いますが、未だ実用化されていない方式を軌道に乗せることの時間軸は読むことが非常に困難です。原子力発電所の事故以来10年間もまともに議論されていない凍結されてしまった原子力発電所の議論を政治の場で逃げずに行うべき時なのではないかと思います。脱炭素は当たり前の方向性ですが、同時に品質の良い電気を大量に出来るだけ安価に安定して供給し続けることが近未来の日本の展望を実現するためには必要なことです。この世にあるものにはどれを取っても何かしらのリスクがあります。石炭・石油の利用の継続による脱炭素社会構築に背くリスクの方が、余程現代社会が目指す方向からずれていてリスクとして大きいと思います。水素などの他の方式が確立した時には原子力からリスクの少ない方に移行すれば良いと思いますが、発電の基軸にするほどの水素を安定的に得る方法は核分裂によると聞いたことがありますから、その時も比較の議論は難しくなるのかも知れませんね。まあ遠い将来の話はその時に考えていただくこととして、将来に向けて今取り組まなくてはならないことを先送りせずに正面から向き合っていく、個人的にはそういう一年にしたいと思っていますが、世の中もそろそろそのようになってもらえたらとても嬉しいと、年頭に思うことを書いてみました。

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