八王子市議会議員

相沢こうた

KOHTA AIZAWA

相沢こうたの使命

こんにちは、八王子市議会議員の相沢こうたです。

4月

〇先日「八王子市農業シンポジウム」という団体から農業に関しての見解を求める書面が届きました。考えてみますと議員になって11年間で農業に関する発言は農作物を荒らす獣対策に関して述べたくらいで、ホームページ上でも見解を示したことはありませんでした。
 私の幼少期に育った狭山市の友人には農業に携わっている家の子どもは多く、また現在でも妻の父は長野県で専業農業を営んでいますので、ジャガイモやブロッコリーを植えたり収穫したりすることをさせていただきます。何よりも大規模な農業と都市型農業の差はこの目で見て理解しています。団体への回答は我ながらよく書けている(笑) と思っていますので是非読んでいただきたいと思い、載せてみることにしました。

相沢こうたの使命

Q1:農業は多くの問題を抱えており、農業の環境が変化する中、農業のあり方はどうなることが望ましいと思うか。範囲は日本でも都市農業でも八王子限定でも自由。

(私の回答)
八王子市の農業の場合、一般的に都市型農業と呼ばれる分野になると思います。都市型農業のメリットのひとつは「消費拠点の近くで生産できること」で、この生産拠点と消費拠点の近接化により、消費者の需要に対応した生産や販売が可能になり、生産者が利益を得やすいという経営上の利点があると考えます。新鮮で美味しい農産物を地産地消で提供できることは消費者側にも十分なメリットがあります。一方で全般的に農地面積が狭いことから大量の生産は不可能なため、農業の維持・発展のためには利益率の高い作物や園芸農業に移行するなどの工夫が必要だと考えます。
また、作物を育てて収穫する農業体験のレクリエーションとしての活用は、市民の健全な精神や健康の維持管理に役立つことが期待されますので、レクリエーション農園、企業の福利厚生施設としての農園、第一線を引退された高齢者の福祉農園としての活用など、従前とした農地という考え方ではない取組みを模索することが必要ではないかと考えます。また、子供たちに農業を体験させることは、農業への理解、食育や環境教育、理科教育という観点から大変有効だと考えますし、必要なことです。都市農業者との連携に基づいて収穫体験を実施することに止まらず、 各学校に近い農地を活用して児童が自ら農作物を栽培・収穫して食する一連の農業体験など、農業教育としての農地の活用は有効な手段のひとつだと思います。
農地の有効活用に関して課題として思うことは、農地に対する従来の農業従事者(農地の所有者)のスタンスです。農林水産省が実施した都市農業に関するアンケート結果によりますと、農地所有者の約3割は「他人に自らが所有する農地を貸したいという気持ちはあるが現実には貸せない」と回答しており、その理由を見ると、所有する農地が土地財産としての個人の所有物であると考えている方が多いのです。同じ農業に関わる方々の中で、貴団体のように農業の推進を図っていきたいと考える団体がある一方で、違った考えを持った方々が割合多くいらっしゃる現実は、農業関係者の中で解決しておかなくてはならない課題ではないかと考えます。
都市型農業における農地の維持・確保に関しては他にも課題はいくつかあると理解しています。もう何年も前から、農業従事者の高齢化、後継者不足、といった担い手の減少・不足は喫緊の課題とされています。また都市型農業はサラリーマン世帯など農業と縁がない住民の生活圏と近接しているが故の、建物などによる日照、生活する上で必要な夜間照明に関わるトラブル、ほこりや臭気など、様々な摩擦が発生しやすく、お互いが共存していくための理解活動は非常に重要な取組みになると思っています。
人が生きていく上で食は欠かせないものであり、日本の食の自給率が低下し続けていることは好ましいことではありません。教育の場で農業についてきちんと取り上げる必要を感じます。また新たな担い手の確保のためには、農業で安定した生活を送ることができる制度の設立・見直しが必須だと考えます。

Q2:今後の八王子・多摩地区の農業の活性化のために提案したい政策はあるか。

(私の回答)
〇ここ数年、若い世代の方が農業や林業に新たに取り組んでいるニュースを数回耳にしました。
私が若い頃(昭和40、50年代)でも特に東京とその近郊(首都圏)では農業高校は少なかったと記憶していますが、畜産や草花を含めて農業系の勉強をしたいというニーズは割合高かったため、農業高校に入るには結構高い偏差値が必要でした。こう考えると若い世代は決して始めからサラリーマンを目指している訳ではなく、高校あたりでの選択肢に農業や林業があればそこに進んでみたいというニーズはあるのではないかと考えます。誰も彼もが普通高校から大学を出て企業や役所に就職して・・という、判で押したような世の中は日本の将来のためには変えるべきだと思っており、少子化の時代となり学校施設も余り気味の中、多種多様な学校に変更していくことは可能ではないかと思います。新たな農業高校は無理だとしても、農業科の設置くらいは出来るのではないかと思います。ニュースで拝見する新たな担い手としての若い世代の方々は、一度社会に出て方向転換してくる人たちが多く、そういう方々にもきちんと農業や林業というものに関わる勉強をさせてあげられる制度は必要ではないかと思っています。

〇八王子市の西側に行きますと、担い手のいない畑が目立ちます。こういった地域は高齢化率も上がっており、このまま行くと八王子市内で消滅町名が発生してしまうのではないかと心配するほどです。
こういった地域の有休農地を貸していただけないかと思っており、近隣に、これも土地の提供をいただき市営で住宅を作り、農地とセットで募集を掛けることで担い手の確保と若い住民の地域への流入を同時に果たすことで高齢化地域の活性化ができないか、と、これは相澤個人が10年前から市には申し上げているのですが、今でもそのような政策を展開してみたいと思っています。

〇現在、世の中は少子高齢化による人口減少の影響がはっきりと感じられるようになってきました。農業のみならず、様々な業態で慢性的な人手不足が課題となっていますし、日本中どこへ行っても都市の周辺地域では人口減少による様々な課題に取り組んでいます。働き手が少ない中で農作物を効率的に収穫するためには、広大な土地で機械を使った効率的な作業が求められます。八王子市のような地域の農業ではそれは難しいことで、何が申し上げたいのかと言いますと、都市型農業と郊外型農業をしっかりと区切った考え方をして、八王子市の場合は、明らかに都市型農業をベースとした将来までの方向性をきちんと確立し、関わる方々が一同にその考え方を理解した上で道筋をつけていく、まずはそういった取組みが必要なのだと考えます。

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