室蘭市議会議員

小田中みのる

MINORU ODANAKA

小田中みのるの市議会レポート
VOL.28

平成25年第4回定例会 一般質問終了

平成25年第4回定例会における一般質問が終了しましたので、概要を報告します。

1 平成26年度予算編成方針について

平成26年度予算編成方針では、人口減少や市内企業の事業縮小等に伴う市税収入の減少、財政需要の増加、地方交付税の別枠加算の廃止等により、3億8,700万円の収支不足となっていること、また、引き続き行財政改革の取り組みを基本としながら、これまで取り組みを進めてきた政策目標のさらなる推進のほか、子育て・若者世代への定住化対策など新たな政策展開を図り、「勝力ある室蘭」づくりの総仕上げとする、と力強い方針が述べられている。

では、本当に「勝力ある室蘭」づくりの総仕上げとなるのか、以下の3項目について質問する。

(1)「勝力ある室蘭」づくりの推進について

ア 地域コミュニティの支援について

【問】
青山市長は、就任以来、政策目標の柱のひとつとして地域活動・市民活動が盛んなまちづくりを掲げているが、町会・自治会と行政との役割分担がどのように整理され、また、コミュニティ活動拠点への支援とはどのようなものか。

市民活動を応援する施策としては、「まちづくり活動支援補助金」があるが、 全市的なイベントに対する補助金である「観光振興イベント等推進事業費補助金」との整合性をどのように考えているのか。また、本年第1回定例会においても質問した市民が応援したい団体を直接選べる制度、市民参加型の補助制度創設に対するその後の調査・検討状況について伺う。

【答】
町内会・自治会と行政との役割分担については、地域における課題の解決や安全安心なまちづくりに向けた活動は、住民自らが実情に即した細やかな対応を行う自助の部分であり、行政はその支援を行うものと考えている。

また、コミュニティ活動拠点への支援については、コミュニティ活動の拠点として多くは町内会館が利用されているが、老朽化が進み、また、耐震性に課題のある会館も多いことから、町内会館の耐震診断、耐震改修や新築、改修等への補助制度創設を検討している。

観光振興イベント等推進事業費補助金との整合性については、まちづくり活動支援補助金は、あくまでも立ち上げの補助制度であり、その後も継続し全市的な規模への拡大が見込まれる活性化事業の支援については、事業の評価や市民要望も踏まえた上で、庁内連携を図りながら検討したい。

ご提案のあった市民が選ぶ市民活動補助金については、より広く市民が団体の活動を知り、応援できる制度と認識しているが、実施している市の状況や課題も調査しながら、平成26年度の全体的な制度見直しの中で、本市の市民活動の実情に合った支援方法を検討していきたい。

(2)新たなまちづくりの展開について

ア 子育て支援の充実についてについて

【問】
子育て情報の発信強化や母子保健の充実などにより、若年世代の定住促進に向けた子育て支援の充実を推進するとあり、本市の人口減の特徴である「20台から40代の子育て世代」の転出増転入減を踏まえた施策であることが述べられているが、子育て世代の転出増の理由をどのように分析しているのか。

従来の定住対策の評価と課題、また、来年度に向けての若者世代の定住促進に向けた考えは。

子ども・子育て支援新制度の施行準備や連絡調整に関することなど、新たな担当部署を設置すべきと考えるが見解は。

【答】
20代から40代の子育て世代の転入転出状況については、年々転出超過の幅が広がっている傾向にあり、子0~9歳の子どもも同様の傾向を示している。特徴としては、札幌市への転出が多いほか、近隣市町への転出超過もひとつの要因。

近隣市町への転出については、市内の宅地価格や賃貸住宅の家賃が高額であり、やむを得ず近隣に転居するといった事例や、市の各種子育てサービスの認知不足、また、公共料金が高い等の誤った情報から、子育てしにくいイメージがあるといった声もあることから、転出超過の要因のひとつとして考えている。

子育て情報発信の強化については、これまで、子育てガイド、育児カレンダー、子育て情報パンフレットなどの作成・配付や、市のホームページによる情報提供などに取り組んできたが、今後は、本市が他都市と比較して子育て支援に関する行政サービスが充実し、子育てしやすいまちであるという情報の発信を行うことによって、子育て世代や若者世代の本市への定住につながっていくものと考えられる。母子保健の充実についても、保健師や管理栄養士による相談をはじめ、乳児家庭全戸訪問や養育訪問支援事業などの育児支援などに取り組んできたが、さらに、母子の健康維持のための各種事業を推進することによって、本市が子育てに優しいまちであるという発信が、同じく、子育て世代や若者世代に対する、本市の魅力づくりにつながっていくものと考えている。

これまでの人口定住対策の評価につては、平成16年度に庁内プロジェクトを立ち上げ、子育て支援として休日保育・延長保育の実施、雇用面でのUIターン・若年世代の就業支援や市外シニア世代に向けた移住促進などの民活活動の促しや世代間の住み替え調査など、施策の検討分析といった点に重点を置き取り組みを進め、本市の強みである雇用面による就業などで一定程度、定住に繋がったものと認識している。

課題として、本年11月末の本市人口は91,079人まで減少しており、特に20代から40代の子育て世代の転出超過の傾向があることから、若者と子育て世代に対象を絞り、施策の重点化を図ることが必要と考えている。

従って、来年度に向けた若者世代の定住促進として、新たに住宅施策といった視点からも、十分な検討に基づき制度設計を行うべきと考え、他都市の取り組み状況の調査や関係団体との連携により、子育て世代の様々なニーズの把握に努める中で、時間をかけ検討を進めてきたところであり、今後予算編成が本格化するが、住宅施策の面では、空き家・空き地対策の取り組みとも連動させながら、宅地や賃貸住宅の供給促進に努めるほか、ソフト面の支援策についても、情報発信の強化など、内容の充実を図ることにつながる、新たな施策を検討するなど、子育て世代が住みよい定住環境づくりを進めていく。

子ども・子育て支援新制度の担当部署等については、平成27年度からの新制度が円滑にスタートできるよう平成26年度からそのための必要な業務を専門に行う組織、職員の配置を予定している。

(3)生活困窮者の自立支援事業について

【問】
来年度、国のセーフティーネット補助金を活用し、モデル事業として、生活困窮者が困窮状態から早期に脱却し、生活保護に至る前の段階の自立支援策の強化を図るため、包括的な相談支援等を実施するとあるが、現在の生活困窮者に対しての相談体制、及び、来年度実施予定の包括的な相談支援の内容と体制、期待される効果と課題について伺う。

現在の市民相談室の機能を強化し、生活困窮者相談支援を含めた総合相談窓口(相談孫口の一本化)とする必要があると考ええるが見解は。

生活困窮者自立支援法における、家計相談支援事業や一時生活支援事業、学習支援事業等の任意事業を行う考えは。

【答】
福祉事務所を設置する自治体については、自立相談支援事業及び居住確保給付金事業が必須事業として位置づけされており、平成27年度から本格実施となる予定。

このため、支援が必要な人に、確実に保護を実施する基本的な考え方を維持しつつ、平成26年度は国のセーフティネット補助金を活用し、生活保護に至る前の段階での相談を受け、本格実施に備えていきたいと考えているが、まずは、現行体制で従来の相談業務に加え、保護の申請相談以外での相談内容の傾向や、どの程度のニーズがあるのか把握していきたいと考えている。

これにより、経済的な相談内容にとどまらず、ひきこもりなど、複合的な課題が新たに浮彫になることが予想され、これらに対する支援を行うことで、生活保護受給に至らずに済み、早期の自立が可能になるものと考えている。

本格実施となった際には、保護の申請受付と同じ窓口での実施による、誤解を招く恐れも考えられることから、本格実施までに相談体制について整理していきたい。

相談窓口の一本化について、生活困窮者の相談は、経済的な相談内容にとどまらず、ひきこもりや就職相談などの複合的な相談も予想され、これまで以上に知識の習得や業務量の増加が見込まれ、職員の配置なども含め様々な課題がある事から、早急に市民相談窓口を一本化することは難しいが、将来的には総合的な相談窓口が必要であると認識しており、人事担当部局や関係部署と十分に協議しながら検討して参りたい。

国では、就労支援、一時生活支援、家計相談事業などは任意事業として位置づけられており、各自治体で実施する事業は異なるが、本市おいては、どの事業を実施するかは現在検討中である。平成26年度からの自立相談業務を試験的に始めた中で、相談内容の傾向等を把握・整理しつつ、地域にとって何が効果的な事業なのかを見極めていきたい。

小田中みのる
室蘭市議会議員