鹿屋市議会議員

東ひでや

HIDEYA HIGASHI

東ひでやの活動報告
No.21(平成24年2月)

第2次鹿屋市議会改革特別委員会が設置されました

            

平成12年4月の地方分権一括法施行以来、地方分権・地域主権の時代潮流の中で、自己決定・自己責任を本旨とする自治体運営が益々求められています。こうした地方自治体を取り巻く環境の変化に対応するために議会改革は不断に継続的に行われるべきであると考えることから、私は、平成22年4月の市議会議員の改選から1年余り経過していることを踏まえ、改選前の平成19年10月設置された議会改革特別委員会に引き続き、第2次議会改革特別委員会の設置を働きかけて参りました。第1次議会改革特別委員会では、インターネット配信による本会議の生中継、特別委員会に出席する議員への費用弁償の減額、鹿屋市議会議員の政治倫理条例の制定、議員定数の削減等多くの成果を挙げました。第2次議会改革特別委員会では、これまでの様々な視点からの議論の蓄積を踏まえ、市民に開かれた議会改革を目指し、市民に対しての議会・議員の理想的なあるべき姿・規範・役割・責任・権能等について改めて模索・議論し、その結論を「議会基本条例」としてまとめ、市民に示そうとするものです。現行の2元代表制を前提とする地方自治制度の下では、地方分権・地域主権がさらに進展し地方自治体の裁量権が拡充さるにしたがって、結果的に議会の役割・権能は縮減され、逆に市長の役割・権能は強化されることになりかねません。市民に対して議会は議決機関と同時に行政の監視・提言機関としての重要な役割・責任を担っています。今後の特別委員会での様々な視点からの議論を通じてこのことについての議会・議員自身の認識が深まり、さらには市民の理解が深まることを期待したいと考えています。第2次議会改革特別委員会は12月定例会で設置議決され、今後、議会開会中だけでなく閉会中の審査事項としても年間を通じて開会され、議論されます。

議員日当支給制度がようやく完全に廃止されました

            

私は、特別委員会に出席する議員への費用弁償としての定額支給を廃止し、旅費の実費支給のみとすべく、平成16年3月定例会以来機会ある毎に努力して参りました。第1次議会改革特別委員会では、私の全廃すべきとの修正案にもかかわらず、これまでの定額支給(日額委員長4,500円・委員4,000円)を委員長1,500円・委員1,000円に減額することに決定され、費用弁償支給制度は依然として残っておりました。私は、第2次議会改革特別委員会での冒頭でこのことを指摘し、定額支給額が減額されてはいるもののやはり残すべきとする説明がつかないことから、全廃すべきとする提案を再び行いました。特別委員会では、私の提案に対して前回とは一転して何ら異論はなく全会一致で全廃することに決しました。このことを踏まえ、12月定例会最終本会議に特別委員会より議員の費用弁償廃止のための条例改正案が提案され、全会一致で可決され、平成24年1月から実施されることになりました。第2次議会改革特別委員会での成果として大いに歓迎されるべきものです。

        

鹿屋市畜産環境センターは今後10年以内を目途に廃止されます

       

12月定例会の議会全員協議会で「鹿屋市畜産環境センターの今後の方向性」について、①10年以内を目途にセンター運営を廃止する、②収集業務については5年以内に終了する、③個別処理方式への移行を促進する、との基本方針が行政当局より示されました。この施設は、自己処理施設を整備できない中小零細養豚農家の糞尿素堀処理に起因する地下水や肝属川の汚染、悪臭等の改善を目的に、持ち込み集合処理施設として、平成13年度に供用開始されました。しかし、発注仕様書のとおりに処理能力が高まらないばかりか一部施設を受注した会社が倒産する等したことで、鹿屋市への施設の引き渡しが6ヶ月程度遅延したりするなど、完成当初から問題含みの施設でした。当時、私は、まともに稼働しない施設は受け取るべきではなく供用開始もすべきではない、としてシステムの設計・施工者に損害賠償の訴訟を起こすべきであると主張しましたが、当局は、見切り発車してしまいました。その結果として、引き渡し後の施設の維持補修を含めた管理経費が膨らんだことから、当初の予定の年間6,500万円を大きく上回る毎年1億円の一般財源の負担となってしまいました。もともと、口蹄疫等の家畜伝染病の感染拡大の観点から豚糞尿の共同処理はリスクが大きく、農家の個別処理で行われるべきものでした。議会も行政に施設の全廃を含めた新たな方向性を示すべく指摘していました。

公共下水道事業の見直しにより約80億円の財政負担が縮減されます

     

公共下水道事業は、公衆衛生の向上と公共水域の水質保全を目的に、昭和56年に第1期事業認可を得て進められてきました。私が平成12年9月定例会での一般質問を皮切りに多くの問題点を指摘しながら機会ある毎に公共下水道事業の見直しを提言してまいりました結果、国の三位一体の改革等による財政環境の急激な悪化により市の財政環境はこれまでにない厳しい状況にあること、現在の公共下水道の機能を維持しながらも、今後は、少子高齢化や人口減少等の時代潮流を踏まえた長期的視点に立った事業運営を図る必要がある事などから、本市でも平成21年度以降の新規面整備を凍結し、庁内に「鹿屋市公共下水道事業検討委員会」を設置し、国・県と協議しながら事業の見直し案を策定することとしておりました。最終見直し案によりますと、全体計画面積1,348.4㌶を807.2㌶に541.2㌶縮小、平成23年度で終了する第5期事業計画期間を5年間事業延伸し、平成28年度で事業を終了するとし、これによって、今後約80億円の財政負担が軽減される見込みです。公共下水道事業の方向性については、ようやく平成28年度で終了することとなりましたが、私の公共下水道事業についての将来の見通し・見解が間違いでなかったことが認められた結果となり、議員としての職責の一部を果たしえたものと意を強くしているところです。

     

厳しい財政状況を踏まえ、行政組織の再編は時機を得たものです

      

12月定例会の議会全員協議会で当局より平成23年度から26年度に亘っての行政組織の再編について説明がありました。地域経済の低迷等による税収減や少子高齢化の進展による扶助費の増大、合併特例措置の終了に伴う交付税の大幅減少の見通しに加え、震災復興に伴う国の財政事情等、今後一層厳しくなる財政状況を踏まえ、職員の定員と給与の適正化による総人件費の改革を進めながら、簡素で効率的な組織見直しを行うとのことです。具体的には、合併時の職員数1,067人に対して平成23年度は885人となっており、今後4年間でさらに80人程度の削減に取組み、わたり廃止や諸手当の見直し等による給与適正化の取組により合併時と比較して平成22年度は年間平均一人当たり32万円の減額となり、特に50歳代の職員では40万円の減額としたとしています。部については概ね100人程度に、課については10人程度以下の課を再編統合し、部・課数を削減することで職員数削減に取り組むとしています。また、総合支所機能の再編や出先施設機能の見直しにも取り組まざるを得ないとしています。私は、今後予想される尚一層厳しい財政状況のもと、こうした行政組織の再編は時機を得たものであり、行政にさらなる行政改革を期待したいと思っています。

            

鹿屋市総合計画に基づく西原地区の地域別計画は、「仏造って魂入れず」では心許ない

    

西原地区は土地区画整理事業等の実施により早くから市街地が形成され、人口が集積した地区を形成し、文化体育施設や教育機関が立地していることから、市の文教地区を形成していると伴に、基地資料館や観光物産センター等の観光施設が立地している等、多くの機能を担う地域であるとして、鹿屋市総合計画の地域別計画では、「交流と住が融合する文教のまち」として性格づけています。そして、この地区の課題として、地区内を通る国道220・269号線や県道鹿屋環状線といった幹線道路の利便性を活かした交流の促進や商業の活性化が求められ、公営住宅の建て替えや冠水対策等の居住環境の整備も迫られているとしています。このような西原地区の現状と課題を踏まえ、基本方向では、求められる居住環境の整備を図りながら、既存の観光施設を活用した地元商店街や関係団体との連携・協働のもとでのイベント開催等、地区内の観光施設やかのやバラ園の後背地であることを活かした交流によって、商業機能の充実など地域の活性化を図るとしています。しかし、こうした西原地区の性格付け・現状・課題・方向性が地元の方々にどの程度浸透し、理解されているかはなはだ疑問に感じています。浸透・理解されてこそ自発的・内発的で創造的な取組が地区民の方々から醸し出されてきます。行政が描く西原地区の理想の姿を地区民の夢に置き換えさせる企てが求められます。この基本計画を具体的に実施する実施計画では、ハード面とソフト面を同時並行的に推進する必要があります。ハード面については、計画に基づいて年次的に整備されていますが、地区民の方々に地区の方向性について理解して頂くための行政の工夫・努力が見えません。「仏造って魂入れず」では心許ない限りです。前期基本計画期間4年間を踏まえ、後期基本計画期間を含めた6年間は、ソフト面での工夫を盛り込んだ実施計画が検討されるべきです。

            

鹿屋市公会計改革計画は進捗が停滞気味

                 

平成11年4月の初当選以来、私は公会計制度改革の必要性を訴えて参りました。その内容は、現行の公会計は単年度予算主義のもと予算執行の結果としての歳入と歳出の内訳のみを記録する現金主義に基づいた単式簿記が採用されているため、行財政運営上正確な資産管理・行政サービスのコスト管理ができないことから、発生主義に基づく複式簿記に転換すべきである、とするものです。こうした私の提言を受けて、鹿屋市はようやく平成20年4月に「鹿屋市公会計制度改革計画」を策定し、年次計画に沿って改革に取り組んで参りました。計画では、24年度以降に基準モデルによる財務諸表の作成を目指して、20年度より財産台帳の整備・評価・仕分けルールの検討等基準モデルへの移行作業を進め、23年度には発生主義・複式簿記を取り入れた財務会計システムの構築の検討に入る、としておりました。現在鹿屋市が公表している財務諸表は、総務省改訂モデルを採用しているために実際の日々の会計処理を正直に映し出すものではなく、鹿屋市の決算統計数値を基に完全後付で作成されたもので、実際の行財政運用に利活用することはできません。基準モデルへの移行が達成されて初めてその有用性が実現できます。基準モデルへの早期完全移行を促す目的で9月定例会で質問しましたが、準備に相当な期間と多額な経費が見込まれるため当面は総務省改訂モデルによると答弁し、計画の進捗状況が停滞気味であることを明らかにしました。基準モデルへの早期完全移行が望まれます。

現在の完全学校週5日制で充分な授業時間数が確保できるの!

       

新学習指導要領が小学校では23年4月から中学校では24年4月から完全実施され、高等学校では25年度入学者から年次的に実施されます。現行の指導要綱では、教育内容の厳選と授業内容の削減、総合的な学習の時間作り等で、子供達に生きる力を育むとの理念のもとに「ゆとり教育」が行われてきました。その結果、国際的な学力調査である学習到達度調査の結果から、日本の子供達の学力について、読解力や記述式問題、知識・技能を活用する問題に課題があること、読解力での成績分布が拡大している等の問題が明らかになっています。こうした状況を踏まえ、新学習指導要領では、新課程で使う主要4教科の小学校教科書のページ数は平均で27.60%の増加、中学教科書のページ数も主要5教科で平均で29.3%増加しております。これは完全学校週6日制のもとでの履修量に匹敵し、現行の週5日制のもとで学習内容増加に対応するための時間数の確保に苦慮しているのが現状です。学習内容が増えて、今の枠組みでは時間数の遣り繰りがつかず、無理に授業のペースを早めれば付いていけない子が出かねませんし、運動会や文化祭等の練習時間や遠足等の時間数を削減せざるを得ず、子供達が主体的に参加する学校行事も消化不良を起こし、最も大切な充実感や達成感が子供達に得られないのではと懸念されます。充分な時間的ゆとりを持って、密度の濃い教育を受けさせることが鹿屋の子供達には必要と考えることから、私は、学校完全週5日制という文科省の建前を取っ払って、早々に完全週6日制に戻すべきである旨を教育長に提言いたしました。

             

学校の道徳教育の教材に古典を!

                    

教育基本法や学校教育法は、「生きる力」を支える「確かな学力」・「豊かな心」・「健やかな体」の調和を重視しています。私は豊かな心こそ生きる力を支える最も大切なものと思っています。教育の最終目標は、「豊かな社会生活を営むことができる人間性を育てる」ことであり、「豊かな心」が備わってこそ豊かな人生を送れると考えるからです。規範意識・倫理観・対人関係能力等の低下等が問題となっている昨今、「豊かな心」を育てる「心の教育」の一層の充実が求められています。学校教育では、道徳の時間が「心の教育」の要としながら、教科学習や総合的な時間、特別活動と関連を図りながら、教育活動全体を通じて実践されているようです。「確かな学力」・「健やかな体」は形あるものとして数値化によって客観的評価・評定の対象なることでその指導法はある意味技術的なものですが、「豊かな心」は形を越えた無形のものでその形を規定することすらできず評価・評定の対象外であり、その指導方法や授業の進め方・在り方に確固としたものを見いだすのは非常に難しいのが現状です。結果として、教材選定が不十分でるために授業の在り方・進め方に不安があることで、道徳の時間に消極的であったり、偏った価値観に基づく事業が行われたりしていること等の問題が指摘されています。このようなことから、私は、孔子の「論語」や島津日新公の「いろは歌」等、「生きる意義」を学ばせるためにも古典を教材とする道徳教育の導入について検討すべきである旨、本市の教育長に提言しました。

    

9月定例会個人質問

                          

1、公会計制度改革について

①鹿屋市公会計制度改革計画では、23年度に発生主義・複式簿記に基づく財務会計システムの構築を行うとある。基準モデルへの移行を見据え、どのような検討が行われているのか。
       ②特別会計・一部事務組合など連結対象団体の財務会計システムについてはどうか。
   ③事務事業評価システムとの連動も必要と考えるが、どのように財務会計システムに組み込まれるのか。
                              ④基準モデルへの完全移行によって初めてその有用性が実現できると思うが、どのような有用性が期待できるか。
                          ⑤財務4表等財務諸表のそれぞれの目的・内容等を踏まえ、行財政状の課題を抽出する読み取り能力を高めるための取組が必要と思うが、どのように考えるか。
     ⑥これまでの単式簿記記帳を複式簿記記帳に自動変換できる会計ソフトの導入が手っ取り早いと思うが、どうか。

2、完全学校週5日制について

                      

①小学校で新学習指導要領が本年4月に完全実施された。現行の週5日制のもとで教科学習・学校行事などに必要な時間数が確保できているのか。
         ②中学校での来年4月の完全実施を前にどのような対応を考えているか。
    ③全国で土曜授業復活の動きがあるが、どうとらえているか。
         ④「ゆとり教育」が「ゆるみ教育」になりかねない。教育を充実させるために早々に完全学校週6日制に戻し、充分な事業時間数を確保する必要があると思うが、どうか。

   

12月定例会個人一般質問

                       

1,鹿屋市総合計画に基づく西原地区の地域別計画について

①雨水配水施設の改善を必要とする地域を把握しているか。また、その改善策はどうか。
②交通安全対策を必要とされる箇所は把握されているか。また、その対策はどうか。
   ③宅地開発業者等関係団体との連絡調整が必要と思うが、どのような体制を採っているか。
     ④地区内の観光施設やばら園の後背地としての利点を生かした交流促進と商業機能の充実による地域活性化はどのように図られてきたか。
               ⑤前期基本計画の4年間を踏まえ、後期基本計画を含めた今後6年間をどのように展望するか。

 

2,空き家等の適正管理に関する条例について

               

①実態調査からどのような課題が見え、どのような対策が必要とされるか。
 ②高齢化社会を迎え全国的な課題である。財源を含めて国等への要望はどうか。
 ③条例制定について早急に検討すべきであるが、どうか。

            

3,道徳教育について

                          

①孔子の「論語」や島津日新公の「いろは歌」を取り入れた学校教育がブームとなっているが、その教育的効果についての見解はどうか。
               ②「生きる力」を育むためには「生きる意義」を学ばせる必要があるが、どうか。
  ③小中学校に古典を取り入れた道徳教育を導入する考えはないか。

        

*議会の会議録は議会事務局又は市立図書館のほか、鹿屋市のホームページでもご覧になれます。

 

*この議会報告について皆さんのご意見・ご批判をお聞かせください。TEL44-7824

東ひでや
鹿屋市議会議員