鹿屋市議会議員

東ひでや

HIDEYA HIGASHI

東ひでやの活動報告
No.19(平成23年2月)

地方議会議員の年金制度は本年6月に廃止予定!

             

市町村合併に伴う議員減少で確実に財政破綻が見込まれる地方議会議員の年金制度は本年6月1日に廃止し、個々の議員のこれまでの掛け金の80%を一時金として現職議員に払い戻すこと等を内容とする政府の議員年金廃止法案の概要が発表され、本年の通常国会に提出する方針であることが政府から全国都道府県議会、全国市議会、全国町村議会の3議長会に提示されました。全国都道府県議会議長会・全国町村議会議長会は存続を求めましたが、全国市議会議長会は「廃止やむなし」としています。

廃止に当たって、現職議員への8割の返戻一時金も、破綻する年金財政を考慮すると、甘受せざるを得ないものの、更に大きな問題が残ります。

現職議員の年金制度が廃止されても、現在給付を受けている議員OBへの給付は継続されるわけでして、そのための地方自治体の財政負担がこれまで以上に大きくなって参ります。

議員年金制度存続中は、議員の掛け金(鹿屋市議会議員の場合、年間一人約80万円)と地方自治体での負担金の合計が総給付費の16.5%でありましたが、年金制度廃止に伴って、自治体のみの負担割合が総給付費の86.5%まで大きくなることもこの廃止法案には含まれています。

鹿屋市の負担金額は、具体的には年金制度廃止前の年間2000万円程度が廃止後は1億1千万円程度になり、鹿屋市の財政を大きく圧迫することになります。

もともとこの議員年金制度は自治体の裁量権の範囲内で自治体独自で制度化したものではなく、国が国の法律で制度化したものです。

にもかかわらず、財政破綻を理由に議員年金制度を廃止するに当たって、その財政的な責任を地方に押しつけるこうした廃止法案には憤りを覚えざるを得ません。

「平成の大合併」で議員の数が激減する中で、議員年金制度の財政的破綻は明らかであったにもかかわらず、なんら具体的な対策を取ろうとせず、問題を先送りした国のツケが今地方の大きな負担になろうとしています。

国は地方の財政負担を軽減するために地方交付税で面倒を見るとしていますが、どの程度見てくれるのか現在では全くの白紙の状態です。

国・県等の上部行政機関の政策的誤りが常に下部の行政機関の犠牲を伴うことがないように国・地方の政策の調整協議機関の早期設置が望まれるところです。

     

大隅定住自立圏構想事業の1つの取り組みとして夜間急病センターが開設されます

     

鹿屋市はこれまで大隅地域の救急医療の中核的な役割を担い、夜間における救急医療は昭和54年から鹿屋市医師会を中心とする輪番制によって診療体制が確保されてきました。

しかしながら、市民の生活様式の変化や医療制度の改革によって小児の夜間受診が激増してきたことで、医師の高齢化や慢性的な医師不足等から医療に従事する医師の肉体的・精神的負担の増大を招き、いわゆる「鹿屋方式」と呼ばれる輪番制による現行の夜間救急体制の維持が困難な状況になっていました。

こうした状況下、鹿屋市医師会から再三にわたって夜間急病センターの設置について要望がなされてきました。

しかしながら、医師確保、財源等の問題から単独市町村での対応は極めて困難でしたし、これは、鹿屋市をはじめ大隅圏域を構成する市町村が抱える共通の広域的な課題となっていました。

このようなことから、鹿屋市は、大隅定住自立圏構想の中核的自治体として大隅地域住民の安心で安全な暮らしを確保するために大隅定住自立圏構想の一つの事業として、垂水市・志布志市・大崎町・東串良町・錦江町・南大隅町・肝付町の2市5町と連携して、初期救急診療を担う夜間急病センターを鹿屋市役所多目的駐車場の一部に平成23年4月1日開設予定で設置することになりました。

私は、平成20年6月並びに12月定例会における個人一般質問で、総務省が21年度迄に定住自立圏を形成する協定を目指して先行的に取り組む自治体を募集していることを受け、先行実施団体として鹿屋市は総務省の呼びかけに応募すべきである旨提言しております。

大隅定住自立圏構想では、こうした広域での医療に留まらず、産業振興や地域公共交通体系の構築などについても大隅圏域一体となった取り組みをし、大隅圏域の浮揚を図ろうとしています。

この夜間急病センターの総事業費101,047千円は、全て鹿屋市が先行実施団体として総務省の指定を受けた際に国から交付された交付金を原資とする定住自立圏形成推進基金で賄われますし、大隅定住自立圏構想の具体的な成果として大いに評価できるものです。

国民健康保険事業財政健全化基本方針(案)が発表されました

       

鹿屋市の国民健康保険事業は、高齢化の進展等による医療費の増加や地域経済の低迷等に伴う国保税の収納率の低下などによって、歳入と歳出の不均衡・乖離が大きくなっています。

平成18年合併時6億程度の国保基金(貯金)が20年度には枯渇し、20年度以降は一般会計からの繰入金によって国保特別会計の赤字を補填してきています。

一般会計からの繰入金は、22年度分迄含めて3年間で約12億程度となり、一般会計の大きな負担となっています。

国民健康保険事業は特定の受益者(国民健康保険加入者)の為の事業ですので特定の受益者の負担で運営されるべきで、安易に一般会計からの繰入金に頼った財政運営は極力回避しなければなりません。

進行する高齢化や医療技術の高度化等により医療費は更に上昇し、社会経済情勢が不透明であること等で今後の国保事業はより一層厳しい財政運用を強いられることが予想されます。

こうしたことから、市民が安心・安全に生活できる保険事業を将来にわたって維持していくためとして、国保事業財政の健全化に向けた基本方針(案)を鹿屋市は発表しました。

基本方針は、歳出抑制の取り組みとしての「医療費の適正化」や歳入確保の取り組みとしての「国保税の収納対策」・「収支不足への対応」の3つを柱としながらも、収支不足に対応するために、国民健康保険税率の改正を検討するとしています。

具体的には、税負担の平準化を図るために主として応益割(均等割・平等割)を引き上げ、納税者の不公平感を是正するために資産割を縮減し、応益負担を強化した形で11%程度の国民健康保険税の引き上げを検討しています。

国民健康保険運営協議会の審議・答申を待って、3月定例会に国保税条例改正案を提案するとしています。

鹿屋市学校規模適正化(学校再編)は地域の方々の想いを大切に!

    

本市の小・中学校の児童生徒数は、昭和30年代のピーク時の約4割にまで減少し、6学級以下の小学校が31校中19校となっている等学校の小規模化が急速に進んでおり、今後も本市の人口構成から少子高齢化の進行が避けられず、更に小規模化が進行していくことが容易に予想されます。

このような中、児童生徒の教育機会の均衡を図る観点から、その公平性を確保し、より効果的な教育、効率的な学校運営に努め、子供たちの学習の場としての機能を高め、将来に向けた教育環境の充実を図ることが求められています。

そこで、鹿屋市は、学校施設耐震化計画との整合性を図りながら学校再編を具体的に進めるために統廃合する学校名や再編目標年度など個別の統廃合パターンを盛り込んだ「鹿屋市学校規模適正化実施計画案」を議会全員協議会で発表しました。

この再編・統廃合の枠組みによって、学校あたりの児童生徒数が増えることで、複式学級が解消され、多様な考え方の子供との出会いや交流の機会に恵まれ、学校行事などが活性化されることや、教職員の加配による免許外教科担任の解消、部活動数が増えることで選択肢の幅が広がる事が期待できるなど、教育環境の充実を図ることができます。

しかしながら、学校の統廃合については、これまで学校が担ってきた地域の文化的役割や長い歴史によって培われてきた地域の方々の様々な想いを大切に地域民の理解を得ることを最優先に、あくまでも地域主導型で充分に話し合いをしながら進める必要があります。

学校統廃合に伴う児童生徒の体力低下が心配、対策が必要です

統合される学校の子供達は、統合後はスクールバスによる登下校となることから徒歩による登下校の機会が減ることで、運動量不足による体力低下等が懸念されます。

子供が歩かなくなると、学習意欲や生活習慣の悪化に繋がる事が明らかになっています。

あまり歩かない子供は、「体調が悪い」・「便秘になる」・「やる気が出ない」・「学校に行きたくない」等の問題を抱える割合が高くなるといわれています。

問題にされているのが、子供の「浮き指」と言う足裏の形の問題です。

足の指が地面に接していない状態のことで、重心がかかとに偏っていることにより起こるそうです。

重心が後方にある子供は転びやすく、全身のバランスを取るために猫背になりやすいし、全身の敏捷性が失われるため運動量が減り、肥満の原因になることが指摘されています。

特に、幼児期から小学校低学年までは体を充分に動かすことが重要です。

このことは、社会環境の変化によって、空き地・公園等で子供達が運動をする機会が減っていることに加え、学校統廃合に伴い徒歩による機会も奪われることから、大きな問題となっています。

こうした問題を背景に、全国の小学校で子供を歩かせるための取り組みがなされています。

私は、12月定例議会での個人一般質問でこのことを指摘し、学校規模適正化と共に子供達を歩かせるための対策を検討する必要がある旨、提言しました。

例えば、統合される学校の子供達は、これまでどおり徒歩で旧学校に登下校させ、そこからスクールバスで学校まで送迎するなどです。

旧学校でのスクールバスによる送迎までの時間は、地域の方々のご協力を頂いて子供達のために有効に活用することも期待できます。

そのための仕組み・運営の有り方等について、家庭・学校・地域・行政が連携する必要がありますし、その働きかけを行政はなすべきです

地方分権・地域主権の時代にマッチした地方自治法の改正が求められます

昨今、一部自治体で、議会は首長の改革のブレーキ・抵抗勢力となっている等と、議会・議員に対する批判が大きくなっています。

その結果、市長不信任議決による議会解散や市長の失職、はたまた、市民による市長の解職や議会の解散を求めるリコールや市長が主導しての議会解散を求めるリコール等、地方政治が混乱し、二元代表制を前提とする地方自治体の政治の仕組みが大きく揺らいでいます。

行政執行の最高責任者である市長もその行政を監視する議会議員も市民の皆さんの直接選挙で選ばれる二元代表制の下では、市長と議会の勢力図において、ねじれの状態が起こりうることもあり得ますし、ねじれの中でも議論を尽くし、結論を導き出す努力をするのが本来の民主主義のありかたです。

双方が独善に陥り、極論のみをぶつけ合う対立の状況では、民主主義が機能せず、市民の福祉の向上とはほど遠い存在といわざるを得ません。

このような一部自治体の政治的混乱を対岸の火事とせず、市民の皆さんの議会・議員に対する潜在的な批判を真摯に受け止め、地方自治体の裁量権の拡充という流れの中で、これまで以上に議会の権能をフルに発揮し、議員として一歩も二歩も踏み込んだ議会活動を通じて市民福祉の向上に努力する必要があります。

しかしながら、現行の地方自治法の下では、例えば、議会の招集権は議長には無く市長のみにあり、また、予算の編成権も議会には無く市長にありますし、予算の修正も減額修正のみに留まります、更には、国会議員には議員単独での国政調査権が認められていますが、市議会議員には議員単独での市政調査権は認められていません。このように地方議会・議員の権能は大きく制限されています。

従って市民の皆さんの議会・議員への期待と現実の地方政治の仕組みとは大きくかけ離れています。

地方政治の混乱は、現行自治法による地方政治の仕組みが地方分権・地域主権の考え方にマッチしていないことに本質的に起因します。

このようなことから、地方分権・地域主権の時代に適した地方自治法の改正が求められます。

     

12月定例会個人一般質問

                       

1,外部評価による事務事業仕分けについて

①公開の場での外部評価委員による事務事業仕分けは大いに歓迎し、評価する。その目的と意義についての見解を示せ。

                      

②仕分け対象事業の選定に当たっての考えはどうか。また、鹿屋市総合計画との関連はどうか。

  

③仕分け判定の結果はどのような位置づけか。

               

④地域主権・地方分権が進展していく中で、議会はこれまでの行政の監視・提言・議決機関に留まらず、政策立案過程に主体的に関わるべき方向にある。議会からの申し出があれば、議会議員による事務事業仕分けに応ずる考えがあるか。

2,第2次行政経営改革大綱について

                  

①公益法人制度改革に伴う移行手続きを見据え、財団法人輝北町農業公社・輝北うわば公園まちづくり公社・鹿屋市中小企業勤労者福祉サービスセンターについての方針を示せ。

        

②「量の改革」と併せて「質の改革」にも取り組むとあるが、どのような考え方に基づくのか。

  

③「近隣自治組織」(コミュニティ・プラットホーム)の設置に当たっての課題をどう認識しているか。

                             

3,国防税について

                          

①岩国市長が国防税の導入について発言している。これについての見解はどうか。

       

4,児童・生徒のミリオンウオークについて

               

①小中学校統廃合に伴い児童生徒の徒歩による登下校の機会が減ることで運動量不足による体力低  下などが懸念される。子供が歩かなくなることで学習意欲の低下や生活習慣の悪化に繋がること  が明らかになっている。対策を検討しているか。

   

②学校規模適正化と共に児童生徒のミリオンウオークについて家庭・学校・地域・行政が連携して  取り組む必要があるが、どうか。

               

*議会の会議録は議会事務局又は市立図書館のほか、鹿屋市のホームページでもご覧になれます 

 

*この議会報告について皆さんのご意見・ご批判をお聞かせください。TEL44-7824

東ひでや
鹿屋市議会議員