香取市議会議員

こうの節子

SETSUKO KOUNO

こうの節子の活動報告
VOL.26「清流」第79号

6月議会報告

6月定例議会は6月4日から21 日までの 18 日会期で開かれ、27 議案が提案されましたが、全て可決して終了。そのうち11 議案は、小見川総合病院が9月1日をもって香取市立病院となるため、関連する条例の制定についての案件。

小見川総合病院は6月末で工事が完了し、8月 23 日に竣工式、9月1日より香取おみがわ医療センターとして開院します。

尚、外来診療については、9月3日からとなります。(一般病床 70 床、地域包括ケア病床 30 床。内科、外科、眼科、整形外科、泌尿器科、小児科、耳鼻咽喉科、皮膚科、脳神経外科、歯科、リハビリ科、放射線科、循環器内科)

一般会計の補正予算は、歳入歳出それぞれ2億2780万8千円を追加し、予算総額を316億5780万8千円とするもの。

主な内容は、
*児童発達支援センター(コスモスの花)運営費補助金―600万円
*保育所統合整備事業(東大戸保育所をみずほ保育所に統合)―2442万7千円
*放課後児童クラブ施設整備事業(わらびが丘小学校)3455万7千円(内1475万3千円は小見川中央小学校の児童クラブ工事終了後の近隣住宅への事後調査費)
*風疹抗体検査委託料―1343万8千円
*プレミアム商品券発行事業 ―1億1611万1千円 (対象は住民税非課税者、 2016.4.2 ~ 2019.9.30 までの間に生まれた子が属する世帯主 )

財産の無償譲渡案件については反対の意思表示6名

香取市養護老人ホーム(ひまわり苑)の土地と建物を、現在指定管理者となっている社会福祉法人江戸川豊正会(理事長 柳内光子)に対し、令和2年4月1日に無償で譲渡するという案件については、 次の様な理由で反対しました。

*今まで貸与はあっても譲渡というのは初めて。無償で市民の財産を譲渡してしまうことには非常に抵抗あり。

*公募したとはいえまだ指定管理期間の残っている法人が運営しているところに応募する法人はいないのではないか(形だけの公募???)
ちなみに、議会に提出された参考資料によると、建物の取得金額はH5年時点で約 13 億 円、土地の固定資産評価額は約3422万円(普通財産として不動産鑑定にはかけていないので)
反対した議員は以下の通りです。
内山勝己、根本義郎、鈴木聖二、久保木宗一、河野節子、宇井正一

尚、市民から提出された請願3件についての結果は、次の通り。

*「中小企業の自家労賃を必要経費として認めることを求める請願」賛成少数で否決
賛成議員―千年正浩、木村博、根本義郎、鈴木聖二、久保木宗一、河野節子、宇井正一

*「義務教育費国庫負担制度の堅持に関する意見書」採択に関する請願―賛成多数で可決
反対議員―根本太左衛門

*「国における2020年度教育予算拡充に関する意見書 」 採択に関する請願―賛成多数で可決
反対議員―根本太左衛門 (敬称略)

全く不本意ながら議長の強い要請で議事録の文言削除

6月14日の一般質問の中で、「議会軽視と思うんですが」 という言葉を使ったことに対し、市長より削除の要請が文章で議長に届けられ、6月21日の議会最終日、私 (河野)は議長室に呼ばれました。

事の発端は、私(河野)が旧清見屋跡地に建設予定の複合施設についての一般質問の中で、4月22日発行の業界新聞(日刊建設タイムス)に書かれていた見出し 【9月補正で事業費を】ということについて、5月28日 の議会全員協議会(全協)では何も議員に知らされていなかった事が、4月22日の新聞で公表されているのは 「議会軽視と思うのですが、市の方から情報提供したのですか?」と問い質したこと。

「新聞記事の内容は既にH30年2月13日の全協で議員に説明していることだから議会軽視に当たらない」というのが市の主張。私(河野)は「見出しの9月補正で事業費をつけるかのような情報は議会に知らされていないから、軽視と思ったし、思ったことを発言してはいけないのでしょうか」と削除を拒否したのですが議長曰く「新聞は勝手に見出しをつけるから。。。 とか、議会軽視という言葉は軽々しく使っては困る」とか1時間ほど押し問答が続いたのですが、議会運営委員会にかける前に何とか取り下げて欲しいとの強い要望で、 全く不本意ながら次の文章を議事録から削除することになりました。

「議会はあまりにも軽視されているんじゃないかと非常に思ったもんですから」 「ちょっと議会に対する軽視ではないかと私は思います」

前後のつながりについては是非議会中継の録画をご覧ください。(6月14日10時から河野の一般質問) 他人の誹謗中傷に当たる文言は許されることではありませんが、言論の府と言われる議会において、発言の自由が妨げられない事を願うばかりです。

中途半端な施設は将来の負の遺産になりかねない

旧清見屋跡地利用の複合施設発注方法に疑問あり

昨年の11 月に行われた事業仕分けによって、市民判定人の3分の1 ( 18 人中6人 ) が不要、凍結と判断し、要改善とした判定人の意見でも、今後の起債や維持管理費を心配する声が上がっていました。総事業費 55 億7千万円という市の一大事業にも拘わらず、市民判定人の誰一人としてこの事業について知らなかったという、周知度の低さにびっくり。

そこで、3月議会において、 鈴木聖二議員が事業費の詳細について質問し、初めて「大 幅な見直しをする」という理事者側の答弁を聞きました。その後、6月議会を前にして開かれた議会全員協議会では 「 事業手法の検討結果 」 という資料でDBO方式という事業 方式が最適という報告がなされました。

DBO方式とは、行政が交付金や公債により建設資金を調達し、民間事業者に施設の設計、建設、そして管理運営を一括で任せる方式です。

PFI方式との違いは、資金調達が民間ではなく市が行うということ。

全員協議会での説明ではわからないことが多く、まして基本設計によれば総事業費 55 億7千万円という大事業ですので、単なる事業手法で大幅な見直しができるのか疑問点を質すため一般質問をしました。

 

河野:基本設計を見直すとのことだが内容の精査は誰がやるのか?

 

総務部長:市役所内の関係各課及び関係団体との協議、調整を密にし、削減可能な面積や設備などの内容を明らかにしたうえで、技術審議会で審議する。

   

河野:単に面積の縮小で見直しとするなら、中途半端な建物ができてしまうのではないか?
当初からコンサルを入れているが、コンサルの任務と委託料は?

 

総務部長: H28 から 29年度は市の代理人として基本設計に係る支援業務。H30年度は発注方式に係る検討業務、基本設計内容の精査、サウンデイ ング型 ( 対面アンケート ) 市場調査。今年度は、事業者の募集や選考支援、要求水準書作成支援、契約に係るマネージメント業務を委託。委託料は合計4759万3千円。

河野:DBO方式で実施された事業の先進事例は?

総務部長: 大分市の複合文化交流施設 「ホルトホール大分」 永平寺町の「健康福祉施設整備事業」船橋市の「西浦資源リサイクル施設」

   

河野:殆どがクリーンセンター等単機能の施設で多機能の複合施設については運営が難しいと思う。
DBO方式では実施設計が完了しない状況での見積もりをするため、見積条件の認識違いや設定もれによる増額リスクがあるとのデメリットが指摘されているが。

総務部長:そうならないようにする。

河野:(追加の補正予算付けは今まで何件もあったので不安)透明性を持って税金を公正に使うという観点から、公共工事は設計、施工分離方式が大前提だが、設計、施工、管理運営まで一括して発注するとなると誰が工事監理をするのか?

総務部長: 業務を行う企業グループで行う。また、市としてはCM ( コンサルタント ) 業務を新たに発注し、施工管理支援を受けながら管理監督をする。

河野:PFIの場合は銀行が資金調達しているので経営監視が厳しい。民間事業者の経 営状況を把握する経営監視は誰がするのか?

総務部長:PFIに準じて市がモニタリングをする。

   

河野:追加修繕費は誰が負担するのか。契約期間を15 年と決めた理由は?

総務部長:負担区分や対象範 囲、運営機関についてもまだ 検討中。

   

河野:複数の機能が入っている施設で運営事業体の選択は難しい。運営事業体の選定方法は?

総務部長: 総合評価方式の一 般競争入札で選定する予定。

   

河野:子育て支援センターにはどんな機能を持たせるのか?

総務部長: 子供の一時預かり機能を持たせる。

   

河野:パブコメでは障害のある子も受け入れられるよう専門のスタッフの配置を求められていたが、いかがか?

総務部長:要求水準書に入れる。

   

河野:観光協会は入るのか?

総務部長: 有料ということもあり、現在調整中。

河野:図書館については、特に市の文化、知的財産の宝庫であり、将来の青少年育成や情報提供の拠点として市がしっかりとした理念のもとに運営するには、指定管理は向かない。民間に乗っ取られたような失敗例も見てきているので教育委員会の意見を問う。

教育長:図書館基本計画の目的から、市の情報発信とネットワークの拠点であり、生涯学習活動に資する基本理念に沿った運営を目指す。

教育部長:司書についても現在の職員を当て、レファレンスのような重要な仕事は市が直営で行う予定。

河野:建設する時は交付金や、特例債 ( といっても借金 ) があるので市からの持ち出しは少なくて済むというような説明をされるが、問題は今後毎年掛かってくる維持管理費。
これは何も補助はなく、市の義務的経費として市民の税金から支払われていくものであり、負担が増えれば他の住民サービスが削られるということになる。そこで、しっかりと市民に説明する必要があると思われるが毎年度の負担額は?

総務部長:施設規模等の見直しによって維持管理費は変動するので、見直し最中の今は提示できない。

河野:5月 28 日の全員協議会で初めて議員に見せられた事業手法の資料だけでは全くわからなかったので細かに質問したが、その後入手した4月22 日発行の業界新聞には、「9月補正で事業費を」という見出しが出ていた。
(記事の内容については H 30 ・ 2 ・ 13 の議会全員協議会で説明された基本設計に沿ったものでしたが)9月補正で事業費が組まれる予定とのことは、5月 28 日の全協では一言も言われず、今議会において始めて鈴木議員の質問に対し、答えられたことでしたので、議会軽視されているのではないかと思い、このような情報は市から出ているのか質しました。

総務部長:日刊建設タイムズの方には、市の方では一切情報提供したということはない。

この時の質問で、私の意図がはっきりしていなかったのか、議会軽視という言葉について、市長より議事録からの削除を要請され、一面に報告の通り不本意ながら議長の要求に応じました。

独り言

他にも「橘ふれあい公園整備 について」と「まちづくり協 議会の今後の在り方について 」 の質問を出していたのですが一時間という制限の中で、上記のような質問に時間を割いてしまい、残念ながら他の質問についてはほとんどできず仕舞い。

当初、14 万人の入れこみ数を予測した橘ふれあい公園の36 ホールのパークゴルフ場についても今後30年先を見通して、勇気を持った計画変更を望むものです。

先日、TVでも放映されていましたが、竹下総理の時代に地方創生のため一億円が各自治体に配られ、それを元手に作った集客目的の建造物は一時期観光客を呼び寄せても、ブームが去れば、今はお荷物となって維持管理費ばかりが出ていくという、 30 年後の姿を見ると、香取市の将来について、今こそ真剣に、責任を持って考え、不要なものにノーと言える勇気を持たなければならないのではないでしょうか。複合施設の発注方法でDBO方式というのは設計、施工、維持管理運営を一括して発注するという方式で今後15 年ともそれ以上とも管理運営を民間の事業者に委託する債務負担行為の総額も含めた予算が9月補正で議会に出てくる可能性があるわけです。そんな重大な案件について議会においての議論は殆どありません。

こうの節子
香取市議会議員