香取市議会議員

こうの節子

SETSUKO KOUNO

こうの節子の活動報告
VOL.25「清流」第78号

H 31 .3月議会報

昨年12月の選挙後、1月の臨時議会に続き、新人議員にとっては初めての本格的な議会となった3月定例議会は、2月25日から3月20日までの24日間会期で開かれました。

最多の59議案すべてを可決 一般会計当初予算は、314億3千万円(前年度比42億5千万円、11.9 %の減)特別会計、公営企業会計も合わせた全会計の総額は551億7431万4千円(前年度比60億2550万4千円、9.8 %の 減)と大幅な減額予算になっています。

前年度に比べ減額となった主な要因は、山田地区統合小学校整備事業と小見川中学校及 び山田中学校大規模改修事業が完了したこと(約36億円減)、水道施設統廃合事業出資金が約8億円減少した為。香取市中長期財政推計によれば、このままいくと2027年には基金が枯渇???

予算審査特別委員会での主な審議内容

*広報発行費687万8千円減の理由は?
答:事業仕分けでも頁数が多いと指摘されたので、読み物コーナーを削り、頁数を減らすため。(市民の声を聴いて読みたいと思える広報にすべき)

*地域経済循環創造事業交付金4千万円の内容は?
答:㈱NIPPONIA SAWARAが馬場酒造本店の南蔵をリノベーションしてレストランにする事業の補助金。
事業費約1億5100万円で地域の金融機関からの融資が条件。

*ふるさと香取応援寄付金事業1億2197万4千円。前年度比6442万6千円増加の理由は?
答:「さとふる」を活用したので宣伝力が上昇した事と返礼品を144目に揃えた為。返礼品は30%未満。
香取市民も寄付可能。但し返礼品はないが確定申告時に寄付控除あり。

*佐原駅周辺地区活性化拠点整備事業(旧清見屋跡地の複合施設)でC.M.(コンストラクションマネージメント)委託料898万8千円の内容は?
答:マネージャーが発注者側に立って技術的評価をしたり設計支援をしたりするもので基本設計段階から取り入れている。現在は工事発注形式の決定に基づき要求水準書を策定する予定。
(コンサルの言いなりではなくチェックできる職員の人材育成も必要ではないかとの問いに)今の世の中の流れで、外注しなければ市はやっていけないとのこと。

*家庭児童相談室設置運営事業で相談員の報酬が483万6千円(2名分)
市内の虐待対応件数(延べ1653件)相談件数(H31.2月現在2668件)に対応するのに臨時職員で負担が大きすぎないか?
答:すべて2人ではなく関係各課と連携している。子育て世代包括支援センター開設でより強化する。

*子育て世代包括支援センターに6157万8千円がついているが、事業内容は?
答:母子手帳の交付から妊娠・出産・子育てに関する各種専門的な相談に応じ、必要な助言と健診を行う。また、家庭相談員も配置し、各所の子育て支援センターと連携、様々な相談を受ける相談所として一本化した。

*高齢者配食サービス事業が9月までの予算240万9千円でその後廃止するとのこと。実態は把握しているか?
答:社協委託は月に1~4回で、年4681食、タンポポは毎日で年9636食提供し、ボランティアが担っている。(なぜ廃止するのかとの問いには)事業仕分けの結果を踏まえ、市がやるべき事業としては公平さを欠く。安否確認は緊急通報装置や見守りネットワークを活用するとのこと。

*語学指導推進事業で658万8千円減額の理由は?
答:H30年までは語学学校に委託してALTを雇用していたが、来年度から小学校に3名、中学校に4名、英語が堪能で人間性豊かな指導員を市が直接雇用するため。

*ごみ処理施設運営費負担金2億1198万4千円増加の要因は?
答:プラスチックごみの混入で焼却炉の改修が必要となっている為。
(今後更新時期が来ることも考慮し、基金積み立てを提案。)

*観光振興対策事業で国際交流員の報酬584万円計上。事業の内容は?
答:観光事業の充実、SNS活用の情報発信などインバウンド効果の拡充のために、自治体国際化協会を通じてH30年8月にタイ王国出身の国際交流員1名を任用。H31年度は米国出身の国際交流員の任用を計画中。
【インバウンド効果とは、外国人の訪日による経済効果】

*観光事業特別会計繰り出し金が766万2千円の増加。総事業費15億余円をかけて通年型の施設にリニューアルした「あやめパーク」の入園料が減少した為、一般会計からの繰り出しが増えているわけだが、入園料の減少の原因と今後の運営方針は?
答:入園者はあやめ祭り時期に集中するが、天候による影響が大きい。今後は民間の発想を取り入れ、2020年4月を目途に指定管理者を募集していく。

*橘ふれあい公園整備事業の工事費1億8千万5千円の内容と公有財産購入費6956万3千円の内容は?
答:工事はパークゴルフ場の盛土造成、排水整備、隣接する駐車場や広場の整備など。P.G場の総事業費は約6億円で、平準化を図り2年遅れのH34年4月供用開始予定。公有財産購入費は第2工区となる旧福祉センターがあった周辺の田んぼ2万5千㎡。

*ふれあい公園内の施設管理運営業務委託料3200万円の根拠は?
答:人件費5人分(含・運転手)光熱水費、事務費、保守点検費。

*指定管理者「和郷」の自主事業とサービス向上の取り組みは?
答:市民向けの自然観察会、BQや体験教室、ケータリングサービス、販売事業など利用者へのサービス や地域の団体との連携によって活性化を目指すとのこと。

討 論

H 31 年度当初予算は、一般会計で前年度より42億5千万円減、全会計でも前年度より60億2550万4千 円の減額となっているが、その要因は山田区の統合小学校整備や、小見川中と山田中の大規模改修工事が完了したことによるもの。そして市民事業仕分けによる市民判定人の意見も踏まえて、行政改革・事業の見直しによる削減の努力があったものと思い一応賛成するが、橘ふれあい公園整備事業のパークゴルフ場 36 ホール建設や旧清見屋跡地に建設予定の複合施設については見直しが明確でないため条件付きで賛成しました。

香取市中長期財政推計によれば、地方債残高のピークは平成34 年、元利償還額のピークは平成 40 年となっている。平成 31 年度予算でも財政調整基金(所謂貯金)を15 億5千万円取り崩しての予算編成をしたのだから、今後も財源不足で基金の取り崩しは避けられません。(H 39 年にはほとんど底をつく?)次世代に過大な負債を残さないためにも、大型事業について勇気ある大幅な見直しを期待して討論としました。

今こそ宇井市政執行部に問う 「事業仕分けの目的とその成果は?」

河野:昨年 11 月 23 ・ 24 日に行われた事業仕分けには市民 115 名が参加。宇井市政が実施している事業に対し、仕分け人の専門的な議論を聞いて市民判定人の建設的な意見がまとめられているので、この事業 仕分けに対する市の基本的な考え方を質す。

市長:限られた財源の中で市政を進めるにあたり、市民に丁寧な説明を行うとともに、意見を反映した事業の推進や行財政改革を図るため、市民参加による事業仕分けを実施した。
その評価結果は新年度予算案に反映したり、今後の業務に活かす。
事業そのものの必要性から議論を行うという取り組みは、市政運営の透明性や説明責任の重要性を認識するとともに、市民の市政への関心の高揚にも一定の成果があったと思う。

河野:仕分けの結果、 「不要 ・ 凍結」が2事業、「要改善」が 32 事業、 「現行通り・ 拡充」が2事業で約2800万円の削減効果が示されているが、市民活動に直接関連するような事業の補助金が減額され、大きな箱物事業については全員協議会でも議員に示されていない。(前日の鈴木議員の質問で初めて旧清見屋跡地に建設予定の複合施設について大幅な見直しをする考えを聞いた。)

鈴木聖二議員の質問より

*複合公共施設整備の総事業費と内訳、今後の必要経費は?

答:総事業費は概算で55 億7千万円の見込み。
内訳は、今年度までの決算見込みとして、用地費約1億7300万円、補償費約1億2300万円、解体工事費約2億1500万円、設計等委託 費約1億3600万円(合計約6.5億円)
今後の必要経費は、実施設計等委託費約2億6100万円、建設工事費約45億6400万円、備品購入費約1億円等の見込み ( 合計約49.2億円 )
尚、55億7千万円に対する国庫補助金及び合併特例債活用による財源措置を除く実質 一般財源の見込みは約14億 3千万円。

*維持管理費・運営費の想定は?

答:基本設計の段階なので精度の高いものではないが、延床面積約6500㎡の他施設の実績から算出すると、年間で光熱費、保守点検、駐車場管理、機器類点検などで約8300万円から9200万円 程度。人件費は事業手法によって変動する為未定。
将来的に財政負担となるので維持管理費・運営費の圧縮、施設の規模や機能についても検討する。

河野:この事業については市民判定人の誰一人知らなかった。そして 「不要・凍結」 との判定が6名、「要改善」 が 10 名であったが、要改善とした市民の意見でも「見直しをした方が良い」 「起債の心配」 「維持管理費の不安」(仕分けの段階では維持管理費は示されず)等「不要・凍結」に近い要改善。
仕分け人からも「この先 50年間に対する責任を負う事業であることを認識すべき」という意見が出ている。市民への周知も足りないが大幅な見直しの結果はいつ頃議員にも知らされるのか?

総務部長:国の補助金があるのでそんなに大きな見直しは無理。時期的にもあまり遅れられない。

河野:市の中長期財政推計によれば平成 39 年には基金残高が限りなく0に近くなる。こうならないためにこそ今、事業仕分けの結果を尊重し、見直すべきは大型事業なのではないか?
もともとコンセプトがはっきりしていなかったこの複合施設については基本設計からの 大幅な見直しを要望。次世代に負の遺産を残さないことが、今議会に籍を置く者や行政執行部の責任だと思うのですが・・・

幼児教育無償化による香取市への影響と今後の保育行政ビジョンを問う

河野:10 月からの消費税アップに伴い、3~5歳児は原則 全世帯、0~2歳児は住民税非課税の低所得世帯を対象に利用料が無料となるが、この影響と今後の課題は?

市長:無償化により潜在的な需要が増えて、それに伴う保育人材確保が難しくなる懸念あり。継続的に行われれば財政的に影響を及ぼす。
今後のビジョンは、 31年度に策定する次期子ども子育て支援計画において、無償化を踏まえたうえで教育・保育体制の確保に向けた内容について検討する。

河野:無償化対象となる児童数と保育料の合計は?

福祉部長:1167人で保育 料は無償化のため約1億円の減収となる。

   

河野:無償化により入園児が増えることを予測し、保育の質を低下させないためにも保育士は充足しているか?

福祉部長:現状正規で55 人、非正規 110 人で対応しているが3歳未満児の需要が増え、保育士不足も懸念される。

   

河野:香取市でも待機児童がいるとのことだが?

福祉部長:0歳児で12 名、1歳児で2名いたが、4月からは全員入所可能。しかし新規入所希望者8名が待機となる。

   

河野:保育士不足の原因と対策は?

福祉部長:都市部に集中してしまう為確保困難。

河野:高校卒業後の進路でも保育の専門学校への志望者が結構いるのだから地元での養 成も必要。待遇の問題もある のでは?

福祉部長: 職責の重い非正規 職員については、その処遇を改善している。

   

河野:無償化対策として国は半年分の臨時交付金しか約束していない。交付税措置する と言っても国自体(1千兆円以上の借金を背負って)交付税を削減しようとしている現実がある。運営費や整備費についても公立保育所は100%市の負担、私立保育所は国2分の1、県4分の1、市4分の1の補助が出ている訳だから、今後の方針として、民間保育所をしっかりと応援して、香取市の子育て支援政策を考えるべきと思うのですが・・・ また、女性の働く場所として介護職など日曜日も保育を求める人たちのための拠点保育所の開設を要望しました。

【議会中継の録画がスマホでも見られるようになっています。詳しくは臨場感がある録 画でご覧ください。】

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