香取市議会議員

こうの節子

SETSUKO KOUNO

こうの節子の活動報告
VOL.24「清流」第77号

9月定例議会報告

8 月 28 日から9月 21 日までの25 日間会期で開かれた9月議会では、決算審査特別委員会に付託されたH 29 年度の決算認定議案をはじめ、H 30 年度一般会計及び特別会計補正予算の他、「上川岸小公園の設置及び管理に関する条例の制定」や、「小見川中学校校舎大規模改修の工事請負契約の変更」、「山田小学校スクールバスの購入について」など12 件の議案、及び、人権擁護委員の候補者推薦についての諮問案件5件、報告案件4件が提出され、すべての案件が可決、承認され、H 29年度決算についても認定されました。

H29年度の決算から見える香取市の状況

一般会計及び特別会計の実質収支額は約 27 億円の黒字。一 般会計の決算については、歳 入約375億円に対し歳出約354億4千万円で、前年度と比較すると、歳入で4.6 3%、歳出で5.58%増加 し、過去最大規模となっていますが、実質収支は5億減り、約 16 億の黒字(全国全自治体で黒字)

*実質収支とは、歳入引く歳出引く翌年度への事業繰越財源主な特徴としては、 *市税が約 88 億円で、地方交付税の約 84 億円を上回ったこと。

*公共施設整備基金を創設して 21 億円を積み立てたこと。

*その代わり財政調整基金 ( 所謂普通貯金 ) の取り崩しが増えたこと。

問:市税が増えた要因は?

答弁:①景気の上向き傾向②個人市民税の増加―総所得金額H 27 年983億2700万円、H 28 年1033億500万円③徴収率の向上(前年より約 6500万円up)

問:人口が減少しているのに 市民税が増加しているのは納税者が増えたのか

答弁:H 28 年37930人からH 29 年38635人に705人増加した。

問:地方交付税が減少した理由は?

答弁:震災復興特別交付税がなくなったこと、そして地方消費税交付金として約5億円が増えた分交付税から引かれていること。
合併特例債も臨時財政対策債(赤字地方債と言われ、国に代わって地方自治体が借金をして財政計画を立てている)も国は交付税措置するとの約束ですが、実際には、国全体の総額は対象経費に見直しをかけ増えないので、今後も交付税は減額の見込み。
H 28 年度から交付税の合併算定替え分が減少しており、これからは更に段階的に減っていきます。

河野:7割が交付税措置されると言っても合併特例債は3割が借金に変わりはなく、交付税といってもお金に色はつ いていないので、パイが同じ ならばどこかで削られている わけです。特に2001年から始まった臨時財政対策債という赤字地方債については、毎年借金をして借りた分を返しているような状況です。市税が増えても、交付税の算定で、その 75 %が相殺されてしまうので、収入総額の大幅な増は見込めず、ますます財源不足が心配です。

ちなみに積立金現在高(H 29 年度分)141億8266万7千円で住基台帳一人当たり18万2917円。地方債現在高(H 29 年度)は 400億8322万6千円で住基台帳一人当たり51万6963円の借金を抱えていることになります。(香取市決算に関する参考資料より) 国は1100兆円を超える借金を抱えており、それに加えて地方でも国民一人当たりの借金が毎年膨らんでいっています。

「合併特例債が使えるから」とか「社会資本整備交付金が国から来るから市からの持ち出しは少なくて済む」と言ってやたらと箱物建設を進めると、その生涯維持管理費は建設費の4~5倍は掛かると言われています。

無駄の削減のためにも、 11 月23 、 24 日に開かれる 「 36事業に対する事業仕分け」 に期待したいものです。

プラと紙を分別して焼却炉の寿命を延ばそう

一般会計の補正予算にごみ処理施設運営費負担金として2億8823万2千円が計上されていました。これは伊地山クリーンセンターの焼却炉の修繕費と炉の停止期のごみ焼 却委託料とのこと。

私 ( 河野 ) は実際に伊地山クリーンセンターの現場を見聞に行って参りましたが、平成8 年に竣工され、約 22 年経過している焼却炉は劣化していることもさることながら、最近 のごみ質に変化があり、特にプラスチックと紙は焼却時に非常に高温となり、炉の壁面を崩しているそうです。実際に温度を下げるため炉の中で水を撒きながら焼却していました。昨年度からプラスチックの分別回収が二週に一回始まり、今年度から毎週一回の回収が行われていますが、まだまだ分別が徹底していないようです。

ごみの減量化のみならず、焼却炉の寿命を延ばすためにも分別収集にご協力を!!
修繕費だけでも約2億5千万がかかってしまいました。

スクールバス運行管理業務の債務負担行為補正

新島小学校及び小見川中央小学校 ( H 31 ~ 33 年度まで ) 1億 50 万円 ( 新島小1台、中央小3台分 ) 山田小学校 ( H 31 ~ 32 年度まで ) 1億5344万8千円 ( 13 台分 ) スクールバスの運行管理については登下校時以外の時間帯に何とか活用できないものかといつも議論になるのですが、バスの購入時に文科省の補助金を活用しているので購入後6年間は他の利用ができないと言われています。

しかし、「他の自治体では利用している例もあり、香取市においても、使えるように調査して欲しい」と委員会でも申し入れました。 ( 鈴木委員 ) また、「山田小学校のスクールバス運行については統合小学校が開校になり13 台のスクールバスが学校の送迎時に混 雑して事故のない様、安全対策を十分に施すよう要望」
(宇井議員)

河野議員の一般質問

住み慣れた地域で誰もが安心していきいきと暮らせる体制づくりを目指して

病気になっても、介護が必要になっても、たとえ認知症になっても、住み慣れたまちで 暮らし続けるためには、「予防」「医療」「介護」「生活支援」「住まい」の5つの要素からなる様々なサービスを組み合わせ、一体的に提供される体制が必要です。国ではこれを地域包括ケアシステムと名付け、体制構築を目指しています。

このシステム構築のためには其々の自治体が其々の実情に応じた独自のビジョンを持ち、地域や市民と協働して作り上げていかなければなりません。そこで市としての情報共有体制や市民への周知について等を質問しました。

河野:(住民の生活は多岐にわたっていて、高齢者福祉課だけで対応できるものではないので)、このシステム構築について庁内では各課に情報が共有されているのか。

福祉部長:介護予防、生活支援関連業務の庁内情報交換会で関係各課に説明している。

河野:(住民に直接関わる)生活支援サービス体制の進捗状況は。

福祉部長:支援ニーズとサービスをマッチングしてコーディネートする機能を担い、サ ービス提供する事業主体と連携して、支援体制の充実・強化を図る目的でH 29 年度より 生活支援コーディネーター業務を社会福祉協議会に委託。地域に密着した日常生活圏での協議体を設立するため4名のコーディネーターを配置、現在小見川中央地区と栗源地区において活動している。

河野:日常生活圏を旧市町の4つとしているが、広すぎるのではないか。

福祉部長:生活支援体制整備事業においては、地区社協を単位として 21 の協議体設置に取り組んでいる。

河野:会派の視察で加賀市に行ってきたが、住民に身近なところでの相談窓口として、 地域包括支援センターのブランチを14 か所開設。いずれ22 か所に増やすそうだが、そこ を拠点にして地域ごとに支えあいの体制を作っている。香取市の地域包括支援センターは2か所しかなく、カバーしきれないのではないか。

福祉部長:適正な人員配置に努めると同時にブランチの形で枝葉を伸ばすことも検討し ている。

河野:協議会立ち上げのために「お互いさま会議」が開かれているが、その中で市民か ら、縦割り行政の弊害について意見が出ている。また会議を開いて建設的な意見や解決策などを述べあっても、実際に予算がつかなければ実現しないという不安の声が上がっている。
高齢者が支援を受ける側と支える側になるのではなく元気な高齢者をどんどん増やして、 お互いに誰もが役割をもって活躍できる社会を目指しているのであれば、ボランティアの養成のためにも、健康づくりやボランティアの活動実績 に応じたポイント制度を取り入れてはどうかとの意見も出ている。

福祉部長:今後導入の可能性について研究していきたい。

交通弱者対策の充実を求む

河野:小見川区にデマンド(乗合)タクシーが導入されてから5年目に入っているが、利用状況は?

総務部長:運行開始時よりも登録者数で1.7倍、1か月の利用者数は延べ408人で 1.8倍と増加傾向。H 29 年度の年間利用者は延べ5920人で74.5%が 65 歳以上の高齢者となっている。

河野:利用者が2倍近くなっている状況から、最近は利用したくても乗れないという苦 情が出始めているが、対策は考えているか。

総務部長:年間最大輸送能力に対する 29度利用者数は33.69%で現状の輸送能力には問題ないが、1便当たりの利用実績を見ると1台に最大4人が乗車した回数は年間最大運行回数に対して約 3.73%に過ぎない。また29 年度に運行回数は3366 回で最大運行可能回数4392回より1026回下回っている。このような状況で乗り合いタクシーの台数を増やすとかワゴン車に変更するという判断は難しい。

河野:聞くところによると午前中の利用者が多く、午後になると利用者が少ないとのこ と。午前中は通院者も多いと思うので、契約台数は2台でも午前中の台数を増やし、午後は少なくするというように柔軟な対応を要望したい。また乗り合いタクシーの意味を理解して同じ方向の利用者には乗り合いに協力してもらうよう事業者にも指導をして欲しい。循環バスも含め、今後ますます柔軟な公共交通手段が求められてくると思うが、市の方向性は?

総務部長:今後は地域ニーズを踏まえたまちづくりとの連携や、地域全体を見渡した面 的な公共交通ネットワークの構築に向けて利便性の向上を目指していきたい。

職員のSNS乱用に対する処分について

9月5日の議会運営委員会に於いて、「清流」前号に掲載したSNS利用に係る職員の 処分についての報告がなされました。その報告によると、「9月3日付で市の懲戒審査会が開かれ、関係職員2名の処分が決定された」とのこと。 そして、再発防止の取り組みとして「ソーシャルメディア は、今や生活に欠かせない情報伝達手段となり、社会的に大きな影響力を持つようになっていることに鑑み、『香取市職員のソーシャルメディアの利用に関するガイドライン』(公的利用版 )( 私的利用版)を策定し、庁内メール等により、全職員に対し周知するとともに、公務員としての自覚を強く促すなど、再発防止のため、職員への指導等を実施します。との付言あり。

皆さんからの声

いつも新聞折込の「清流」で私達に情報を提供してくださりありがとうございます。なかなかわかりづらい議会の様子が身近に感じられ、いつも楽しみに拝読しております。

先日友人のところで4年前からの「清流」が閉じてあるのを読ませていただきましたが、 この4年間本当にいろいろなことがあったのですね。

特に、橘ふれあい公園の交流館建設費が3か月で3倍にもなっていたのに、議会では多 数決で通ってしまっていたこと。
当時新国立競技場の膨大な建設費問題がマスコミで取り上げられていたこともあり、無駄な税金の使われ方に私達市民は特に関心を持っていましたので、次の議会で交流館の工事締結について市が撤回し たという朗報が報じられ、ほっとしたことを思い出しました。

私たち市民にとっては、税金が有効に使われ、子供や孫たちにもあまり負担を負わせな いよう願うばかりですが、そのためにも河野議員のような市民の立場に立って勇気をもって発言して下さる議員さんにはこれからもさらに頑張っていただきたいと思います。
(佐原区M・I )

こうの節子
香取市議会議員