香取市議会議員

こうの節子

SETSUKO KOUNO

こうの節子の活動報告
VOL.22「清流」第75号

3月定例議会報告

2月20日から3月14日までの23日会期で開かれた3月定例議会では、先議として2月22日に採決された補正予算の他、平成30年度の当初予算、その他条例案など40件の議案が提案され全議案が可決されました。(最終日に追加2議案)

予算については予算審査特別委員会に付託され、3日間にわたり所管ごとに審査が行われました。(河野議員も予算委員ですが審議の結果一般会計予算に反対の意思を表明)

予算に反対の理由

①市長選を前にして本格予算とは主権者である市民軽視?
4月には4年に一度の市長選挙が行われます。当然有権者の洗礼を受けた候補者が市長になるわけで、予算の決定権は新市長に委ねられます。そのため通常は、3月議会には必要最低限の義務的経費を盛り込んだ骨格予算が提示され、選挙前の予算委員会は簡略に済むはずなのですが、香取市は本格予算を組んでいるとの市長答弁もあり、例年より時間も長く審議が続きました。

平成30年度の一般会計予算は、総額356億8千万円で、前年度から10億6千万円、 2.9%の減額。

これは山田中学校校舎の大規模改修事業及び山田地区小学校の統合整備事業による教育費で約16億円の増額と水道施設統廃合事業への出資金で衛生費が約9億円を増額したものの、平成29年度に創設した公共施設整備基金20億円の減額と強い農業づくり交付金事業で芳源ファームへの補助金約14億円が減額になったことによるものとのこと。

②財政見通しが厳しく、全事業対象に事業仕分けを強調されたが、橘ふれあい公園整備事業に約9億3千万円が計上。内容は、工事請負費―8億6850万円(交流館の電機、機械工事、パークゴルフ場の造成工事等)、備品購入費―4千万円。

河野:交流館の工事現場は谷津田で地盤が悪く、実際に行ってみたが下から水が湧いてきている状態。今まで、佐原中学校の体育館工事に始まり、いぶき館、小見川認定こども園と何度も工事費の追加予算が出されてきている。その理由も、「掘ってみたら地盤が悪すぎた」とか「思ったいじょうのガラが出てきた」ということで工事費が追加されてきたが、橘ふれあい公園は大丈夫か?
また、36ホールのパークゴルフ場について市長は「段階的に整備していく」(読売新聞)と発言、その真意を訪ねると、「計画通りに事が進まない可能性がある。事業仕分けなどで財政的に見直し、パークゴルフ場だけでなく見直す可能性もある」とのこと。そうであれば交流館は公園全体に対する機能の計画であるので、見直しが必要ではないか?

③市民に好評だったプレミアム商品券は事業仕分け前に廃止―市内経済の活性化に貢献していたのではないか?

④窓口業務の民間委託に危惧―住民票や印鑑証明などの証明書発行のほか国民健康保険、後期高齢者医療保険、国民年金の給付業務などを人材派遣会社に委託し市民課の職員7名削減。委託費4257万3千円。

河野:人件費の削減という行財政改革の一環とのことだが個人情報が一番集まっている窓口業務を民間に委託することで、情報漏えいなどの危険はないか?

⑤観光事業特別会計に8542万6千円の繰り出し―あやめパークの整備に15億円もかけて通年型施設としてオープンしたにも拘わらず、事業収入が前年より759万円も減額予算。果たして設備にかけた費用対効果はいつ表れてくるのか?

その他、本格予算という割には、一番本腰を入れて欲しい人口減少抑制対策への予算が乏しく感じられ、当初予算に反対しました。

香取市民の命と安心を守るためにも実効ある条例の制定を

今3月定例議会には、第26号議案として「香取市小規模埋め立て等による土壌の汚染及び災害の発生の防止に関する条例の一部を改正する条例」が提案されました。

これは昨年の6月以来、市内の各地に再生土の埋め立て行為が頻発し、山田区の住民からは6月議会に陳情が出され、一日も早い条例の制定が求められていたため、市当局が小規模埋め立て地の残土条例を一部改正して※再生土等も含め規制をしていこうとするものです。

※再生土等とは、産業廃棄物である建設汚泥等を中間処理したもの

香取市議会始まって以来初の修正動機

今まで土砂等を使用して、埋め立てや盛土を行う場合は、「千葉県土砂等の埋め立て等にる土壌の汚染及び災害の発生の防止に関する条例(3000㎡以上)」及び「香取市小規模埋め立て等による土壌の汚染及び災害の発生の防止に関する条例(500㎡以上3000㎡未満)」によって必要な規制を行って来ていたのですが、この土砂等の中には再生土は含まれず、千葉県には再生土等を規制する条例がないため、申請書の提出だけで再生土の埋め立て行為が各所で行われてきてしまいました。そこで県内の自治体では独自に条例を作り、再生土の持ち込みを禁止したり規制をしてきているのですが、香取市にはその条例もなく、今では44か所にも上る埋め立てが行われ、山田区では過積載のダンプが一日に100台も通られた市道が損壊し、10数件もの物損事故が発生。12月議会で修繕費1700万円が予算化されましたが、さらに費用は掛かるとのこと。そこでついに今会議に残土条例を改正して、土砂等の定義に再生土等の他、産業廃棄物以外のすべてを規制対象とする条例が提案されました。しかし、その規制対象が、小規模ということは、3000㎡未満を対象としており、現在行われている埋め立て地の3分の2は3000㎡以上であることから、条例中の「小規模埋め立て等」を「埋め立て等」とし、「3000㎡未満であるもの」を削ることを求めた修正動議を提出。(発議者宇井正一、賛同者平松大建明、鈴木聖二、坂本洋子、河野節子)

動議が採択され、鈴木聖二議員が動議に対する賛成討論。採決の結果、動議に賛成は6名で修正案は否決されました。
そこで26議案に対し、河野議員は左記のような反対討論をし、宇井議員は条件付き賛成討論。採決の結果、実効性の伴わない条例に反対したのは4名(平松大、鈴木、久保木、河野)で、議案26号は可決されてしまいました。一日も早い実効性の伴う条例の制定に向けた準備を願うものです。

議案第26号に対する反対討論

議案第26号「香取市小規模埋め立て等による土壌の汚染及び災害の発生の防止に関する条例の一部を改正する条例」の制定に対し、次の点から反対の意見を述べさせていただきます。

昨年来、当香取市においては6月時点で21か所、半年後の12月には42か所において、再生土等の埋め立て行為が行われ、地元住民の皆さんから土壌汚染の不安や、高く積み上げられたのり面の崩壊による災害の恐れを訴える陳情が出ていました。近隣の県では禁止あるいは規制条例があるため、条例のない千葉県に他県からも再生土が持ち込まれ、特にこの香取市に集中的に持ち込まれているのではないかと思われるほど、半年で2倍もの埋め立て箇所が増えてしまいました。すぐにでも搬入を規制する条例の制定が求められていたわけですが、千葉県の条例制定はなかなか進まず、制定も6月以降になりそうです。また内容たるや、かなり甘いもので、条例骨子案に対する市町村からの意見聴取が行われていますが香取市からの意見もどれほど取り入れられるかわかりません。

そういう中にあって、この度香取市として、当条例を作成し、土砂等の定義の他に再生土等廃棄物以外のすべてのものを対象として加え、安全基準を厳しくし、発生元を千葉県内に限定、さらに埋め立て地の近隣住民の同意規定を見直して厳しくするなど、評価できる点はたくさんありますので市長の決断と担当職員の労苦には敬意を表したいと思います。しかし、面積要件として、500㎡以上3000㎡未満を外さない限り、せっかくの条例が実効性を伴わず、効力を発揮できないのではないかと大変危惧するものです。今現在も、埋め立て地のほとんどが3000㎡以上ですし、香取市で小規模埋め立てに対する規制を掛けれ ばかえって3000㎡以上の埋め立てが増えていくのではないでしょうか。県下14自治体ではすでに独自の禁止または規制条例が作られ、その効力を発揮していることは証明されているわけですから、これほど多くの再生土埋め立て地が増えてしまった当香取市において、何故他市町でつくられている条例が作れないのか残念でたまりません。市民の生命の安全を守り、安心して暮らせるまちづくりを目的として実効性のある条例を作るべきと考えます。

そういう意味において、先ほど出された修正動議をもって面積要件と小規模という文言の撤廃を要望したのですが、動議が否決された以上、実効性の伴わない条例の制定には反対いたします。

一 般 質 問

国民健康保険の医療費抑制策の推進を求めて

河野:国保のレセプト分析から見える香取市の現状は?

大友参事:平成28年度の総医療費は75億1437万8660円。疾病の順位は1位統合失調症、2位人工透析を伴う慢性腎不全、3位糖尿病、4位高血圧症、5位関節疾患。 このうち外来医療費に占める疾病の順位は1位糖尿病、2位人工透析を伴う慢性腎不全、3位高血圧症、4位脂質異常症、5位C型肝炎ということで生活習慣病が上位を占めている。

河野:市民一人当たりの医療費と県内順位は?

大友参事:H26年度が30万2692円、H27年度が33万3614円、H28年度が34万1652円で、県内順位はH26年度が31位、27年度16位、28年度は17位です。

河野:特定検診の受診率は?

大友参事: H26年度が44%、H27年度が46.7%、H28年度は49%でこれは県内4位です。

河野:医療費の抑制のためには疾病の重篤化を防ぎ、生活習慣病の予防対策に重点を置いた施策が求められているが。

大友参事: 人工透析の数は全国平均で人口400人に一人と言われているが香取市の場合、その1.4倍の患者がいる。それらの多くは糖尿病の重篤化によるものなので、29年度から特定検診の検査項目に一日の推定塩分摂取量を追加した。

河野:市民にとっては健康寿命が延びることが第一、そして病気の早期発見と重篤化を防ぐためにも、特定検診の受診率向上や健康づくり課と連携して予防教室や予防体操教室の更なる充実を要望。

貴重な郷土資料の保管体制を問う

河野:郷土資料はその地域でしか集められない資料であり、未来の利用者の為に、今、収集しなければならない資料。又、地域の住民がその地域のことを知り、その地域の自治に参加するのに必要な資料であるから市全体の資料を昭和の写真等も含め、デジタル化しての保存・保管を要望。

こうの節子
香取市議会議員