香取市議会議員

こうの節子

SETSUKO KOUNO

こうの節子の活動報告
VOL.20「清流」第73号

9月定例議会報告

8月29日から9月21日までの24日会期で開かれた9月定例議会には、一般会計や特別会計の補正予算のほか、山田小学校建設工事の請負契約締結議案など13の議案が提出され、それぞれ所管の委員会に付託されて審議された後、最終日の本会議で採択されました。

一般会計補正予算は、歳入歳出それぞれ1318万5千円を減額し、予算総額を368億7893万7千円とするもので、減額となった主な要因は、「強い農業づくり交付金事業」として国に予算要求していた芳源ファームへの補助金が採択されなかったために、13億9500万円の減額になったことによるもの。

その他の主な補正は、
ふるさと香取応援寄付金事業―1219万7千円
30歳の成人式―(市内に定住、移住を目的に成人式を行う団体に補助)―50万円
認定こども園整備事業補助金(清水保育園)―3050万円
小規模保育所整備事業補助金(玉造保育所)―1710万3千円
企業誘致費(一社分の立地奨励金と雇用促進奨励金の不足分)―531万9千円
観光宣伝業務(佐原の大祭にASEAN関係者招待)―50万円
道路維持事業―8640万円
道路新設改良事業―9518万3千円
街路整備事業―2363万7千円
公園維持管理費―1654万4千円
街並み環境整備費(住宅等修景費補助―NIPPONIA)―900万円
学校統合整備事業(中央小スクールバス、駐車場用地購入)―6859万5千円
伊能忠敬記念館施設改修工事―500万円
繰り上げ償還(地方債元金)―9億1595万5千円
尚、地方債の当該年度末現在高見込み額(一般会計分)は、424億9855万8千円で す。

山田小学校の工事請負契約締結に関する議案は、
調整池整備工事―3億2378万3千円1、大真建設株式会社建築工事―14億6232万円、常総開発工業株式会社佐原支店
電気設備工事―3億808万8百円、浅野電設株式会社佐原支店
機械設備工事―1億6242万1200円、株式会社サンショウ冷熱
との契約がそれぞれ可決されました。

28年度香取市の実質収支は21億570万円の黒字
但し単年度収支は1億5800万円の赤字

平成28年度決算は、一般会計の歳入決算額約358億4400万円、歳出決算額約335億7100万円で、前年度と比較すると歳入約52億5800万円、歳出約44億5 200万円の減少。その主な要因は状化対策事業が完了したことにより、歳入で交付税 や国庫支出金が大幅に減少した為。

歳出においても、小学校の大規模改修工事の完了や伊地山の可燃物処理施設が完了のほか液状化対策事業のための復興交付金基金の積み立てがなくなったことによる大幅な減 額となっています。

歳入から歳出と翌年度へ繰り越すべき財源を引いた実質収支は、約21億570万円の黒字ですが、単年度収支は1億5800万円の赤字となっています。

【単年度収支とは―当該年度の実質収支から前年度の実質収支を差し引いた額】

家計の普通預金にあたる財政調整基金の現在高は、約92億円。

28年年度末の基金残高は約167億8800万円で前年度末より13億9800万円の減。

一方、合併特例債を含む地方債(いわゆる借金)は一般会計で約398億7千万円、特別会計を含むと約588億8千万円と年々増加しています。

ちなみに市民一人当たりの借金は約50万7千円(前年度は49万5千円)
積立金は19万9千円(前年度は21万4千円)です。

河野議員の提言

決算は昨年度の単年度の結果ですので、概ね認定に賛同したのですが、あえて今後の政策遂行にあたり問題提起をするため、反対の討論をしました。

実質収支は黒字になっているが将来、次世代の負担になる負債が多く、今後さらに大規模事業による起債が予測されます。

第一点佐原駅周辺地区活性化拠点整備事業について―当初より清見屋跡地への複合施設については敷地の狭さから駐車場のなさを指摘し、メインになる施設機能が不明確のまま計画だけが進められていることに危惧を覚えている。全体の事業費も未定。建設後の維持管理費も心配。

第二点小見川認定こども園の建設費については、昨年度12月議会でも反対の討論をしていたが、追加予算の内容に対し疑問が拭い去れないため認定できず。

第三点宿泊施設誘致事業(ルートイン誘致)既存の市内事業者に対する事前説明もなく、十分な手当がされていないこと。第四点橘ふれあい公園整備事業について―28年度は交流館の設計業務についての2416万円が決算に入っている。

交流館については、紆余曲折はあったが反対するものではない。しかし、36ホールのパークゴルフ場については、今後の見通しからしても費用対効果、維持費等を考慮し再考 を要望しました。

なお、橘公園整備事業は平成37年度までに、約26億円さらに付随する道路整備費に約5億5千万円かかる予定。

負の遺産を作らない為に~負の遺産は若者の「香取市離れ」を引きおこす~

「大型事業・その後の維持管理費の現実」

旧清見屋跡地に建設予定の複合施設や橘ふれあい公園の36ホールパークゴルフ場等大型事業が進んでいます。いわゆる箱物といわれる建設事業は、建設にあたっての事業費もさることながら、その後の維持管理費もバカになりません。

そこで、決算委員会において私(河野)は分厚い決算書から市庁舎と各支所(小見川、栗源は市民センター)の施設維持管理費を抜き出し、比較してみました。

単純に比較はできませんが、小見川市民センター(支所、いぶき館)の維持管理費が他の施設に比べ、かなりの高額になっています。特に清掃業務委託費については、本庁舎 (7階建て)以上です。

いぶき館建設時に、当時十分な市民との話し合いが持たれず、いわゆる「見切り発車」(本会議での一般質問に対する副市長答弁)で建設されてしまった結果の遺産(レガシー)となっているのか?

維持管理費も考慮された設計になっていなかったのか?いずれにしても、今後の箱物 建設については重々参考にしてほしいとの思いから指摘してみました。

香取市維持管理費比較

本庁舎

7F:床面積 11956㎡
・施設管理費 9216万6697円
・内、清掃業務委託料 1077万162円

小見川支所市民センター

3F (一部4F)いぶき館ホール付:床面積 9912.3㎡
・施設管理費 7653万9010円
・内、清掃業務委託料 1543万6980円

山田支所

2F
・施設管理費 1667万2085円
・内、清掃業務委託料 396万5233円

栗源支所市民センター

2F
・施設管理費 1300万2665円
・内、清掃業務委託料 384万2316円

複合施設指定管理成功事例を視察

~函館市 「地域交流まちづくりセンター」から学ぶこと~

「香友会」会派の視察で北海道の函館に行って参りました。 大正12年に丸井今井呉服店函館支店として建てられた鉄筋コンクリート構造の建物は当 時の面影を残したまま平成17年から19年にかけて改修され、その改修を契機に情報発信、市民交流、市民活動支援の機能を持つ「地域交流まちづくりセンター」として再生されたものです。(昭和44年に市が買い取り、平成14年までは市の分庁舎として活用)

私たちが訪れた日がちょうど水曜日、毎週市民のマルシェ(市)が開かれていました。

一階のフリースペースには手作りのバッグや小物、野菜、手作りパンやクッキーなどを売る人たちが集まってきて、それぞれのお店を開いていました。

15店舗のスペースに23の応募があり抽選で決められているそうです。

この施設の運営は、「NPOサポートはこだてグループ」が指定管理者として受託。 ビル管理のトウショウビルサービス㈱と一緒に函館市からの委託料2億1701万5千円(5年分)と利用料金収入によって運営されています。
常勤職員7名、非常勤職員4名で、事業展開。

主な事業は、講座開催、情報収集、情報発信、相談業務などの市民活動支援活動、生涯学習、ボランティアなどの社会参加促進事業、情報誌の発行、歴史と催事コーナーの運 営、各種講座の開催、喫茶の運営(委託)などの提案事業、その他自主事業を行っている。 各会議室の壁に貼られた大きなカレンダーは、ひと月の予定ですべて埋まっていて、市 民活動による利用状況が一目でわかる。

月平均入館者数は1万236人。一時間当たり500円という利用料の安さも市民には有難い。一階のギャラリーは、一週間から10日の掲載期間で一回につき1000円の利用料。

設定はスタッフが準備してくれるので大人気。12月25日まで予約済。

指定管理者制度導入の成果・メリットとして「利用者の立場に立った入りやすさ、使いやすさを可能にする為、徹底した現場主義。柔軟な発想と行動力。そして効率的な運営 を可能にしている」との説明を受けたが、なるほど職員が待ちの姿勢ではなく積極的にいかに人を呼び込めるか、常に工夫、努力している様子が伺えた。

香取市がこれから建てようとしている複合施設の参考にとの思いから視察したが、図書館、公民館、子育て支援、社会福祉、そして観光という何がメインの機能なのか不明の複合施設に指定管理者制度を導入するには無理があるのではないかとのアドバイスを頂いた。

「今、改めて憲法を考える」

日本国憲法が施行されて70年、改憲の動きが徐々に活発化してきている今、国民の一人として、また自治体議員として、改めて憲法の意義を考えるため、伊藤真先生を講師として迎えて勉強会を持ちました。その中からの抜粋。

憲法とは

・憲法とは、国家権力を制限して 国民の権利・自由を守る法(人権)
あくまでも人権保障が目的(近代国家共通)
さらに戦争放棄も目的とした点に日本の立憲主義の特長がある。

日本国憲法の理念と基本原理

●基本原理
立憲主義に立脚し、国民主権、基本的人権の尊重、恒久平和主義を基本原理としている。

●個人の尊重を中核とする立憲主義の理念
すべての人々が個人として尊重されるために、最高法規としての憲法が、国家権力を制限し、人権保障をはかるという立憲主義の理念を基盤としている。

今、私たちに必要なこと

・この国をどんな国にしたいのか、私たち自身が覚悟を決めること。
 -国は与えられるものでなく、私たちが創り上げるもの。

・熱気に流されない冷静さを保つこと。

・憲法を知り、自立した市民として、それぞれが主体的に行動すること。

・おかしいことには、おかしいと気づいた者から声をあげること。

こうの節子
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