香取市議会議員

こうの節子

SETSUKO KOUNO

こうの節子の活動報告
VOL.17「清流」第70号

12月定例議会報告

12月定例議会は11月29日~12月16日までの18日会期で開かれました。
14議案が提案され、すべて可決されていますが、議案第1号― 一般会計補正予算、議案第4号―宿泊施設誘致条例の制定について、議案第14号―工事請負契約の変更について【(仮称)香取市小見川認定こども園建設工事(建築工事)】の3議案に対し、河野議員は反対の意志表示をしました。 (全議案については2/1発行の議会だよりを御覧下さい。)

議案第1号― 一般会計補正予算一般会計補正予算は歳入歳出それぞれ5億8544万7千円を追加し、総額を331億6394万6千円とするものですが、その内容のうち、佐原駅周辺地区活性化拠点整備事業(いわゆる旧清見屋跡地の複合施設建設事業)に2億8623万9千円が計上され、その内訳は、公有財産購入費に1億2002万4千円、物件移転補償費に1億6621万5千円
宿泊施設誘致事業で9570万6千円が計上され、その内訳は、公有財産購入費に9220万1千円、物件移転等補償費に100万5千円という大きな補正がなされている。

総務企画常任委員会での反対討論(鈴木聖二議員)に賛同

「旧清見屋跡地の土地購入費に2億8623万9千円が計上されている。駐車場用地として購入している西側市有地(線路沿い)を駐車場として使えば、市側が出した駐車台数の確保は可能で、新たに駐車場用地を購入する必要はない。

そして、買い取る予定の大部分の土地は今駐車場として利用しているわけで、民間でやっている駐車場だから民業に任せておけばいいのであって市がここを同じ駐車場として使う土地として購入する必要はない。また、宿泊施設のための土地購入に9570万6千円が計上されているが、市の税金を約1億以上も出して土地を買って、それを10年間も民間にただで貸すということには納得がいかない。

また、それだけの優遇措置をして宿泊施設を誘致するのであれば、既存の宿泊業者に対しても同じく同等あるいはそれ以上の支援、援助策を今の段階で持っているべきで、その対策なき誘致には到底納得できない。
依って議案第1号には反対」

議案4号―宿泊施設誘致条例制定について
今まで企業立地促進条例に基きホテルの誘致も考えているとのことであったが、今議会において、敢えて宿泊施設誘致条例を制定して、ホテルを誘致しようというものです。

企業立地促進条例では、立地奨励金の交付が5年間ですがこの条例により宿泊施設の設置企業に対しては10年間奨励金が交付されます。つまり、固定資産税ゼロで10年間無償貸与することになります。

そのほか、常用雇用者一人当たり15万円、事業開始日から3年間の新規雇用者、上限100 名までに雇用促進奨励金の交付。その他市長は、誘致企業に対し、①用地の取得、②労働力の確保、③公共性のある道路及び排水路等の整備、④事業資金の融資斡旋等必要に応じて便宜を図ることができるというものです。

※ホテルの誘致について反対するものではありませんが、以前は清見屋跡地の一角に誘 致する案が浮上し、駐車場が足りないので隣地に立体駐車場を建設するとの答弁がなされていた。その時から、そこまで市が便宜を図るべきか、既存の民業の圧迫にはならないかと意見を述べていたが、今回の条例を制定するにあたっても、現存の宿泊施設の稼働率も十分把握できておらず、既存の宿泊施設事業者の意見もまだ聞いていないとのこと。

にもかかわらず、市民の税金を使って特別にホテルのために土地を購入し、それを10年間無償で貸与するための条例を敢えて制定するという、それ程の優遇措置を取る必要があるのでしょうか。

しかもこれから公募するとのことですが、すでに某ホテルのHPに開設予定との予告がされてしまっています。足元を見られた交渉は本当に市民の税金を使う価値があるのだろうか? 疑問が拭い去れないので反対しました。

議案第14号―工事請負契約の変更について(仮称小見川認定こども園の建築工事)
この議案は変更前7億4649万6千円で契約した工事に4412万8800円を増額し、変更後の契約額を7億9062万4800円に変更するもので、その主な内容は、建設用地を掘削したところ、コンクリートの埋蔵物が多数発見されたことから、その処理に要する費用を増額するものという提案理由の説明がありました。

議案第14号に対する反対討論― 河野節子(12/16本会議)

「議案第14号に対し、反対の立場から討論いたします。(仮称)小見川認定こども園の建設工事の事業は、そもそも昨年11月12日に常総開発工業株式会社佐原支店が税込み7億4649 万6千円という本来非公開である最低制限価格と一円たりとも違わない価格で落札したことから始まっています。

本議案は、その工事請負契約の締結について、地中埋設物の積み込み、運搬、ふるい分け、処分費の増ということで4412万8800円を追加し、請負金額を7億9062万4800円に変更しようというものです。昨年の11月24日の全員協議会の資料によれば、この事業概要は事業費11億1360万円が平成27、28年の継続費として予算化され、工事管理業務委託料1360万円を除く11億円が建築、電気、機械等の施設整備工事費となっています。

今議会12月1日の本会議での私の質疑に対する答弁でも、今回の追加工事のほかに外構 工事は別発注されているとのことで、すでに7081万5600円の設計額で常総開発工業が現在工事を行っています。また、今回の増額分については、その内訳で、残土積み込み運搬などが7655.4の増で1420万2千円、コンクリートのガラのふるい分けが5424の増で2299万3200円の増額等が示されました。しかし、総面積7508.21㎡敷地から当初の追加分としてそれほどの残土が出るとは考えられません。

根切をしたところ、想定外の残土やガラが出てきたとのことでしたが、建物の総面積は約2,700㎡であり、その大半は旧文化会館側に建てられています。以前製糖工場があったのでその残骸が出てきたというような答弁がありましたが、製糖工場の煙突や、建物が建っていたのは旧文化会館があったところで、その旧文化会館の解体工事事業はナリコーがすべて請け負って済ませています。

委員会での答弁では『隣接道路や隣接地に合わせ地盤の高さを1m下げたから』とのことでしたが、それは当然当初の設計段階から計画に入っていなければならないわけですから、追加すべきものではないと思います。

委員会でも委員の一人から、『地盤を下げるということは予算に入っていたのだからガラ分は二重取りではないか』との指摘もありました。

それに対する答弁は『土の量が若干増えたから』ということでしたが、5,000、つまり5反部の面積を1メートル掘った量ですので、その量は若干どころではありませんし、その中のガラの量は180であったということです。

いずれにしても、当初の契約時に十分調査をしたうえで見積もりを出していなければならないはずですが、今回の入札では最低制限価格とぴったり同額での落札でした。

本事業概要の11億の中に大きな入札工事が3件あり、委員会ではさらに機械工事についても最低制限価格とぴったり同じということが指摘され、まさに「神ってる」という言葉が飛び出しました。私も同感です。

契約時に安く入れても、その後追加、追加で事業費を増加していくならば契約の意味がありません。これがもし自分の家を建てる時だとしたら、皆さんもっとシビアになるのではないでしょうか。

公共事業は善良な市民の税金を使っているわけですから、さらにもっとシビアにならなければならないと思いますし、私たち議員の使命として、納得のいかないものには反対せざるを得ません。

二元代表の一翼を担う香取市議会の良識において反対の討論とさせていただきますので、多くの同志の賛同をよろしくお願いいたします。」
反対に賛同者5名

中途半端な箱ものを作らないために~河野議員の一般質問~

旧清見屋跡地に計画されている複合施設の基本計画案が示されました。この複合施設の中には図書館、公民館、子育てセンター、観光情報発信施設、福祉関連施設、市民活動センターなどが整備される予定で、H27、2/16に初めて基本構想が示されて以来、継続して一般質問で質問してきました。

最初からコンサルの入った5回の検討委員会で基本計画が作られましたが、その間4月には各支所や図書館、公民館においてアンケート調査が行われ、ほとんどの住民には知られないまま、結果170名の解答や意見が第5回目の委員会に示され、委員の中からもその結果に市全体の施設としてとらえるには不安視する声も出ていましたが、基本計画案として承認され、議会には11月22日の全員協議会で提示されました。

そこで、香取市が提唱している市民協働によるまちづくりの視点から、このような施設整備について、公民協働の理念がどのように生かされているか質問しました。

先進地の視察についても担当職員は日帰りの強行軍で塩尻えんぱーく等を研修しているが、委員会のメンバー等の視察はしていません。

塩尻のえんぱーく、図書館は5年間で300万人以上の来館者がいる成功例ですが、作るまでに5年間の間、年に33回もの市民参加の勉強会を行っています。私(河野)も市民とと もに視察に行ってきましたが、そのコンセプトや理念がしっかりとしていて、市民と共有 されている為、図書館を中心として施設のいたるところに中高校生や、老若男女の来館者が、それぞれの目的で集まってきていました。とかく複合施設は縦割り行政の弊害が出て、運営が難しくなり、安易に指定管理で民間に任せようとする危険があるが、塩尻の図書館はしっかりと市直営で、館長の公募も含め職員体制の充実を図ることに重きを置いています。将来の香取市の人を育て地域を育てる拠点となる可能性を秘めた図書館の在り方については、もっと市民参加での議論を深めるべきであり、運営形態も安易に他に委託せず、直営であるべきであると主張しました。

「地域医療の在り方について」の県への要望書について

【河野】 改革案として出された3 案( ① 県立病院の再整備②病院の統廃合によるネットワーク、③民間病院の誘致)について、検討委員会でもまず県立佐原病院の存続、整備が第一義で3案が並列ではないとの確認がされていたが、県に対し要望書を提出した際になぜ3案を一度に出したのか?交渉するのであればまずは第一番に市民の要望する県立病院の整備を要求するべきではないか?

【市民部長】 報告書には3案あるが、再整備を最善と結論付けてはいない。3つの案を出して供給体制の充実を知事あてに要望したので今後は要望書に則って県との協議をしていきたい。

朗報

その後、県立佐原病院の整備、存続を求めて香取市民より県議会に請願書が出され、全会一致で採択可決されています。

こうの節子
香取市議会議員