香取市議会議員

こうの節子

SETSUKO KOUNO

こうの節子の活動報告
VOL.10「清流」第63号

9月定例議会報告

8月26日から9月24日までの30日会期で開かれた9月定例議会では、一般会計及び特別会計の補正予算の他、子ども子育て支援新制度に係る条例、職員の給与や旅費に係る条例、保健センターや市民センターの設置及び管理に関する条例の制定や、地域活動支援センターの指定管理者の指定について等の25議案が各常任委員会に付託されて審議、またH25年度の決算認定については決算審査特別委員会が設置され、3日に亘り13認定議案が審査され、最終日の本会議において全ての議案が可決されました。

一般会計補正予算

8億1729万8千円を追加、歳入歳出の総額を其々318億5281万円とするもの。

※補正予算の主な内容

栗源市民センター整備事業に4648万1千円追加
子ども医療費助成事業に1182万5千円(高3まで医療費無料枠拡大)
保育所緊急整備事業補助金に1億4543万6千円(明照保育園)
幼保一元化施設整備事業に1億6940万円(旧小見川文化センター解体工事他)
水痘、肺炎球菌予防接種事業に2015万9千円
農地中間管理事業に522万2千円
道路新設改良事業に6270万円
学校統合整備事業に2230万1千円(湖東小、新島小統合によりスクールバス購入等)
公共施設災害復旧費として2625万円(庁舎外構復旧工事)

一般質問より

市民の財産
<市有地・旧西中跡地>の使い方に疑問

市有地は市民の財産です。
旧小見川西中跡地については、神里地区の地主の方々から教育施設にと小見川町へ寄付をされ、旧小見川町時代に一度売却されたものの、契約違反で活用されなかった為、約3億円の税金で買い戻した土地です。現在は、合併して市有地となり、香取市の中心に位置し、東関道の出入口からも近いという地の利の良さなどからその活用の仕方については当然論議がなされて然るべき。

昨年の8月9日議会全員協議会が開かれ、この土地(21000㎡)に特別養護老人ホームを公募によって誘致したい旨の説明が執行部よりなされました。
その際、示された土地の利用図は、①の通りでしたが、今年の6月公募を開始した時の募集要項に添付された土地の敷地説明図は②のように変更されておりました。

議会にはそれまで一切の説明もなく、9月議会での一般質問に通告し、急遽、8月22日の全協に追加の案件として説明がなされ、我々議員は、初めて変更を知ることになりま した。

≪河野≫
当初説明された①から②へ変更した理由と経緯、議会に説明をしなかった理由は?

≪市民福祉部長≫
(土地利用の変更は)後方に一般廃棄物の最終処分場がある為、老人福祉施設はその境界から100m以上離したところでなければならないとの県の手引きによるもので、H25年からの地籍調査の結果②の位置に設定した。

≪河野≫
特養建設用地の確定はいつ?

≪市長≫
被災を受ける前の年ぐらいに香取市の中心である西中跡地で福祉の花を咲かせる事も跡地の活用になると思い私が指示して誘致を計った。

≪河野≫
県の手引きは当然当初からわかっていたはず。

≪市民福祉部長≫
以前100m以内でも許可が出た事例もあったので地籍調査の結果を見てからという事であったが、その後県の指導で建設用地が②のように設定された。

≪河野≫
21000㎡と言う敷地の有効な使い方を考えれば、②のように県道側の出入り口を殆ど塞いで、後ろの土地が死地になるようなことはしない。まずは市有地全体の利用計画を考えてから、誘致するべきであり最悪の土地利用と思われるが、後方の土地の使い方は考えているのか?又6500㎡という(特養の)敷地面積は必要か?

≪市民福祉部長≫
郊外の特養の例を考慮して面積を決めた。建物は2050㎡の3階建てとなる。

≪河野≫
文化財の発掘調査や排水路の設置等今迄にかかった費用と今後予定される市の負担は?

≪市民福祉部長≫
地籍調査、排水路工事、文化財調査等で約2200万円。今後の予定は100床+デイサービス10床分で5500万円を市から補助する予定。

≪河野≫
これだけの良い条件の土地を30年間無償で貸与するという事は譲渡も同じ。公募と言うことは競争性を持たせてより良い事業者を選定する意義を持つ訳だが、公募によって1法人(江戸川豊生会、理事長―柳内光子)しか応募がなかったという事。公募の仕方に問題はなかったか?

≪市民福祉部長≫
事前の問い合わせは10法人位からあったし、公共工事や企業誘致の場合でもこのようなことはある。一次審査、二次審査とも基準をクリアしているので問題はないと思う。

≪河野≫
(高齢者福祉計画でも特養の待機者解消のため100床必要とされているので特別養護老人ホームの誘致自体は大いに賛成するが、市民の財産である市有地の使い方、公募の仕方の不透明さを考えると、それ以上に市民に利益が還元されなければならないと思い)、市民の入所枠は決められているのか?

≪市民福祉部長≫
(施設が広域型なので強制できないが)優先的にという話はしている。
今後の予定は優先交渉権が与えられた社会福祉法人江戸川豊生会が県と交渉にあたっていくわけですが、土地の無償貸与については市議会の議会が必要です。

≪河野≫
公有地を無償貸与する時の条件は?

≪総務企画部長≫
普通財産は条例により、「他の地方公共団体その他公共団体又は公共的団体において公用若しくは公共用又は公益事業のように供する時」となっている。

≪河野≫
公共的団体とはどういう団体か?

≪総務企画部長≫
農協、商工会、社会福祉協議会等で社会福祉法人は入れているところもある。

≪河野≫
香取市は?

≪総務企画部長≫
入れている。

社会福祉法人は固定資産税もかけることはできません。30年無償貸与するということは譲渡も同じこと。社会福祉法人と言えども営利を伴う法人もあり一概に何でも無償提供して良いものでしょうか?(秦野市では売却した場合の固定資産税を算出して賃料を設定し、社会福祉法人にも有償で貸し付けています)

先ず今回の問題は、議会に諮った時とは全く違う土地の使い方で、議会には何の説明もなく公募している事は議会軽視も甚だしいという事と公募の不透明性に疑問を持ったことから質問をしました。

私は以前にも市有地は市民の財産であるという観点から議会においてもしっかりと議論すべきと主張してきました。市民の財産だからこそ無駄にせず、有効に使うべきであり、 有償も考えるべきだと思うのですが・・・。

今回は一般質問の後、決算委員会において、平松大議員がこの問題について追及してくれましたが、議員間討議ができないのが残念です。

小見川総合病院建設整備検討委員会を傍聴して

第二回検討委員会が小見川市民ホール3階の旧議場で開かれ、次の事が議論されました。(傍聴者19名)

(1)住民アンケート結果報告
(2)新病院に求められる医療機能・規模について
(3)新病院の運営形態について
(4)新病院の建設地について

以上の4項目が2時間余り予定時間をオーバーして議論され、新病院に求められる医療機能の入院機能については一般病棟と地域包括ケア病棟の組み合わせが最良とされました。

一般病棟とは、10:1入院基本料の急性期病棟で診療単価4万円以上の重症患者を受け入れ可能。
地域包括ケア病棟とは、一般病棟7:1入院基本料の算定病院(旭中央、県立佐原等)からの紹介患者を受け入れることが可能。

「病床数について」

今回の委員会では、病床数は、今後の検討事項となりました。私としては、最低でも100床なければ交付税の関係や、且つこの地域での高齢者の受け入れ先としても必要と考えております。

「外来機能について」

外来機能については、再診患者、定期的に受診している患者も多く、周辺地域に外来診療を担う機関が少ないことから、現状維持という意見が委員会でも多数ある中、「少ない常勤医師で外来と入院すべての患者を見ることの負担を軽減する為、外来部分の外枠だけ病院で作って、開業医等に開放してはどうか?」という意見も出されました。

「建設予定地について」

新病院建設予定地としては、隣接する駐車場と医師官舎の跡地を利用し、現病院で診療しながら、新病院完成後移転することに決定。

住民アンケートの結果は可能な限り基本構想、基本計画に反映したいとの事でしたが、病院の一番の問題である医師の確保については、研修医の呼べる体制づくりなど、今後の検討事項も多くあります。現院長も退職勤務医師や中堅医師の招へいに尽力されていますが、新病院の構想と同時に医師が働きやすい環境(ハードもソフトも)を作っていくことも同時に検討する事が大切かと思われます。

今後の会議の予定は、10月22日です。《傍聴可》

ひ と と き

船橋の元議員からお誘いを受け、NPO法人日本・デンマーク生活研究所主催の『若者と女性の社会参画』講演会に参加。NPO理事長の千葉忠夫氏の基調講演『社会福祉国家への道』の後シーナW ソオンセン(25歳・元市議・保守党)による『女性の政治参加の意義』そして、ラッセH ピータセン(19歳・市議・社会民主党)による『若者の政治参加』と言う提言を聞き、質疑応答の有意義な時間を過ごした。

女性の社会進出(約75%)や政治参加(国会議員と大臣の約40%は女性)の進んだデンマークに私は、千葉県民500万人を記念した「県民の翼」の福祉班の一員として30年前訪れた。当時は若者や女性にそれほどの活気が感じられず、「至れり尽くせりの福祉国家の弊害か?」と勝手な判断をしていたが、一番印象に残ったのは森の中の保育園の様子であった。デンマークは日本と同じく資源の乏しい国であることから子どもが国の資源であり、しっかりとした教育に力を注いできた。特に、人間の人格形成が約80%は0歳から6歳の間に為されることから、国の基礎作りは保育・幼稚園児からと、この大事な時期に読み書きや算数を教えるのではなく、情緒面を自然に発達させるように指導されている。情緒が発達していれば読み書きも自然と無理なく教えることができるが、この順序が逆だと子どもの正常な発達を妨げることになる。

民主主義の基礎はこの時期から―木登りや森での自然体験で自由と責任を体得させているとの事。

今回会ったのは、私が訪れた30年前にはまだ生まれていなかった二人の若者たち。「10歳の頃から政治に関心を持った」というシーナ、「市議として活動している時が一番やりがいがある。」「昔は30歳以下の議員は1%に過ぎなかったが、民主主義は色々な階層、年齢からも出て意見を言うことが大事」と言うラッセ。制度の違いはあれ、真の民主主義を理解したデンマーク人が自分達で住みよい国、社会福祉国家を築いていこうとする気概を感じたひとときであった。

こうの節子
香取市議会議員