香取市議会議員

こうの節子

SETSUKO KOUNO

こうの節子の活動報告
VOL.1「清流」第51号

12月定例議会報告

12月定例議会は11月27日~12月14日までの18日会期で開かれ、市長提案の議案1~14号、請願2件、陳情1件が付託された各常任委員会において審議され、議会改革検討特別委員長中間報告および議員からの発議案2件と共に最終日に採決されました。

第1号議案―一般会計補正予算は、歳入歳出それぞれ11億894万6千円を追加し、総額313億6800万4千円とするもの。

主な内容は、国庫補助金7億3800万を活用しての光回線整備委託料9億2370万円、グループホームのスプリンクラー整備補助金1537万2千円、生活保護費3987万円、妊婦検診に超音波検査の回数増に伴う給付で委託料993万4千円、新型インフルエンザワクチン接種委託料6605万1千円、道路維持費に1950万円などです。

議案5号および6号は厚生年金法の改正により、介護保険及び後期高齢者医療保険の保険料に係る延滞金の軽減期間を納期限の翌日から起算して1月を3月に改正するもの。

議案7号―『おみがわ聖苑』の使用料について、H22年1月より管内料金の適用範囲を香取市全域に拡大し、市民負担を統一するもの。

議案9号・10号―たまつくり保育所及び香西保育所の指定管理者の指定。

議案11号―PFI佐原リバー株式会社を『水の郷さわら』の指定管理者に指定するもの。

議案12号―市民体育館耐震補強及び改修工事について石井工業株式会社と1億9902万7500円で工事請負契約を締結しようとするもの。

議案13号―佐原中学校屋内運動場建築工事の請負金額に1953万4千円増額のための契約変更について(委員会において審議の結果賛成3、反対3で委員長採決により可決。最終日の本会議で反対討論)

議案14号―広域交流拠点施設内「水辺交流センター」内の飲食施設についてPFI事業 所に3年間無償で貸し付けるもの。

佐中体育館工事てんまつ記

追加出費に反対

佐原中学校屋内運動場の増改築工事については、当初予算で工事費は7億9600万円、設計業務及び工事管理業務が4582万3千円であったのですが、同年の12月議会において予想以上の軟弱地盤のため1億7665万3千円追加補正が組まれました。

その際も議会から『高額な建設費を要する工事については設計や地盤調査等を適切に行い、後で補正を組むことのないように』との指摘あり。

にも拘らず、今議会に工事請負契約の変更ということで当初契約金額7億5075万円に1953万4200円を追加した7億7028万4200円という契約変更額が提示されました。

変更内容は、
(1)法的な要因による変更
(2)足場工事の変更
(3)釜揚げ排水による水替えからウエルポイント工法に変更
(4)既存杭の引き抜き変更

このうち(2)について、平成21年6月1日施行の労働安全衛生規則の改正により、足場からの墜落防止措置としての防護ネット及び枠組み足場の幅木などの安全強化対策費283万3738円については致し方ないとしても、屋根を支える立体トラストの組立ての施工上からの必要性と作業への十分な安全性を確保するため、内部足場の設計数を増加するという1277万609円については、労働安加されるものではなく、あくまで安全性を第一に考えてという市からの追加出費です。

しかし、設計の段階で十分な安全性を確保する積算は出来ていなければならず、その上にたっての契約が結ばれているわけですから、発注者側の責任で追加するものではない と思います。

(3)のウエルポイント工法への変更、また(4)の既存杭の引き抜きについても、地盤の悪さは当初より十分認知されていたはずであり、昨年12月議会で1億7600万以上の追加補正をして基礎工事の設計見積もりをし、その後2月に施工者との契約をしているわけですから、十分な調査の元に工事の積算をして、契約が交わされているのではないでしょうか。

ですから、工法の変更や地中杭に当たってしまったので、引き抜いたというのは当然のこと、施工者の責任で行われなければならないことだと思います。

民間で家を建てる場合と比較しても契約を結んだ以上、発注者側からの特別な追加を要望しない限り、工法の変更などは設計者あるいは施工者の責任で行うのが常識です。

公共工事についての発注者は市であり、その費用は市民の税金ですので、公金の使い方には慎重を期さなければならないことは言うまでもありません。

更に今回の変更内容の(1)法的な要因による変更を見れば、柔、剣道場の避難経路の確保が十分できていなかったとか、千葉県福祉のまちづくり条例の規定を見逃していたとかプロの設計者として当然熟知して設計に当たるべきことの設計変更がなされています。

法律により、避難経路には、2.3メートル以上の幅員が必要とされているにも拘らず当初設計では十分な幅員が取れていなかったということは、設計の初歩的ミスといわれても仕方のないことではないでしょうか。

今回提案された工事変更契約については、ほとんどの工事が既に行われてしまっているわけですが、公費が使われている以上発注者側に責任がないものまで追加負担すること は市民に対する不逞行為になりかねません。

議会は、そのような税金の使われ方をチェックするのが使命であり、市民に期待される議会の責務としてこの契約変更事案には反対するものです。
香取市議会の皆様の良識あるご判断をよろしくお願いいたします。

以上が最終日の本会議における河野議員の反対討論の内容です。

続いて鈴木聖二議員の反対討論があり、採決ということになったのですが、13号議案に対する反対は8名のみ、賛成多数で可決。

この様な議会の結果を市民の皆さんはどのようにご判断されますか?

小見川区における市民センター建設について

小見川区における旧町民会館(文化会館)が合併後まもなく閉鎖を余儀なくされてしまいました。

早期建設を望む声は会館閉鎖の直後から上がっていましたし、合併協定の新市建設計 画にも盛り込まれていたわけですから、香取市としての均衡ある発展を目指すならば小 見川区においても大きな市民ホールの建設は将来の香取市の活性化にもつながるものと して期待されたものでした。

香取市としての小見川地域の将来計画から考えて、経済文化の拠点とするならば、ど のような施設が必要とされているのか、その企画立案は本来は企画部が担うべきもので あったと思うのですが、現実的には社会教育施設の一つとして、教育委員会が主体とな って進められてきました。

そして昨年3月22日の第一回市民座談会の後、8ヵ月後の11月20・21日小見川区事務所において基本設計案の図面を示しての説明会が開かれました。

設計案によると、区事務所の建物を改造して二階に図書館を、三階は旧議場を小ホー ルにして、その他市民活動サポートセンター、創作室、研修室、多目的ルームなどを配 置し、区事務所は左側の一、二階に集約。事務所建物の後ろに二階建て合計500席(一階可席328席)の多目的ホールを建設するというものです。

第一回市民座談会の折、市民から提唱されていた区事務所敷地北西側に用地を拡張し ての単独別棟会館の建設については検討されませんでした。

合併によって住民が一番危惧していたことは、周辺地域が寂れていくのではないか、 行政が遠のいて住民の声が届きにくくなるのではないかということでした。
しかし、効率性と急激な一体性を求めるあまり、行政は機構改革の名の下に、実質的に本庁―支所方式の本庁一極集中になっていき、中央集権的発想で物事が進められてきていると多くの市民から不満の声が聞かれます。

私(河野)は区事務所の改築と多目的ホール建設という提示された案について疑問があ り、12月議会において質問致しました。

河野

区事務所の今後のあり方や方針がはっきりしていない階段で大幅な改築をすることは、なし崩し的に行政機構も縮小され、市民にとって行政サービスの低下にならないか危惧されるが、区事務所の今後のあり方については協議済みなのか? 公民協働のまちづくりを謳っている以上市民に十分納得されるような説明が必要ではないか?

副市長

区事務所は現状維持のまま、市民の声ですぐに作って欲しいという声が大きいる前に見切り発車することもある。

河野

市民説明会で初めて示された予算の概算15億円の内訳は?

部長

事務所の改修に5億円、新築のホール部分に10億円。

河野

区事務所の建物は、庁舎として設計されたものなので、建築基準法・消防法に照らして不特定多数の市民が利用するに当たっては、不測の事態が起こった時の避難経路が十分に確保されていないのではないか?

部長

設計の専門家に依頼して確認しているところです。

河野

図書館について(書架の荷重は1㎡につき600~800㎏といわれるが)二階の図書館での荷重はどの程度に考えているか?

部長

1㎡当たり300㎏の設計(現状のまま)

   

河野

設計者が大丈夫という強度で満足のいく蔵書を備えた図書館としての機能が維持されるか心配。小見川図書館の将来を見据えた基本計画、中期・長期計画はどうなっているのか? 最大蔵書数は? 年間の図書購入計画と予算は? 児童書の割合は? 障害者の方も利用できるようにバリアフリーになっているのか?

部長

最大蔵書は2万冊を想定。(匝瑳市野栄図書館は3万冊。将来は6万冊に増やす予定)
ネットワークシステムの構築により各図書館、図書室所有の相互の図書の有効利用を図 っていく。基本的には新刊購入を図りつつ蔵書は現在の数で抑えていく予定。
児童書の割合は約20%。バリアフリーは十分検討する。

河野

専門の司書についても、現場での実習により、地域の実情や住民の要求に応えられるような専門性と同時に、何より図書館の仕事が好きで意欲的に図書館の機能をフルに活用して市民サービスを行える人材の育成が必要と思われるが?

部長

   

職員配置も(図書館)法に基づいて行う。育成も行っていく。

河野

全市的な市民活動を支援する「市民協働センター」的な中核機能を併設するとのことだが、本庁の市民協働課を移設して香取市全体の市民活動を支援するセンターとするのか?

部長

3階の一部に市民活動サポートセンターとして、市民団体に必要なスペースを提供するもの。

副市長

県庁2階の市民協働フロアーのイメージで管理もNPOに協力を求めていく予定。

河野

旧文化会館の解体及び跡地の利用については?

部長

現施設解体後、駐車場整備として特例債に該当しないか提案したがダメだったので別途活用策の検討が課題。

河野

市民センター構想は、香取市における小見川地域の将来計画から練られたというよりは、基準が厳しくなった合併特例債を活用するには既存施設の活用しかないという発想から出発しているために、市民の当初の要望や意見とのずれが生じているのではないかと思われます。

図書館についても、いつでも、どこでも、誰もが利用でき、市民生活と街づくりに寄 与する、市民に信頼され、支持される図書館、そして明日を担う子供たちを育む図書館 が求めれています。

しかし、今回の設計案を見ても、また教育委員会からの答弁を聞いても、小見川図書館に対する将来的なビジョンが見えてきません。

むしろ区事務所を利用する事が先行し、財政面からの効率性ばかりに重きを置いて考えている為、本質を見失いかねません。図書館の存在は、地域の教育、文化を育む拠点として非常に重要不可欠です。無駄な道路をたくさん作るより、知識のロードを作る方が社会的な意義があるとも言われます。内容の充実を強く望むものです。

こうの節子
香取市議会議員