八王子市議会議員

相沢こうた

KOHTA AIZAWA

相沢こうたNEWS
VOL.71「議会報告」

令和元年第2回(6月)定例議会

≪代表質疑・平成30年度八王子市一般会計及び各特別会計歳入歳出決算認定について≫

1.たばこ税と喫煙施策について
2.外国人留学生奨学基金について
3.町会・自治会活動支援についてたばこ税と喫煙施策について
4.給食センターについて外国人留学生奨学基金について
5.夢美術館についてたばこ税と喫煙施策について

1.たばこ税と喫煙施策について

〇日本たばこ産業の2018年全国たばこ喫煙者率調査によりますと、成人男性の平均喫煙率は27.8%です。この数値は、昭和40年以降のピーク時であった昭和41年、83.7%の喫煙率に比較すると約50年間で56%減少したことになります。
長期にわたって喫煙をしていると、各種臓器、組織に障害を起こし、いろいろな疾患を生じやすくなることが報告されています。特にがん、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患、肺気腫や慢性気管支炎などの慢性閉塞性肺疾患などは喫煙による影響が大きく、喫煙関連三大疾患と呼ばれています。また、自分自身が吸わなくても、受動喫煙により喫煙者が吐き出す煙で健康上の影響があることも報告されています。そうは言いながらも、たばこは国が許可を出して販売しているもので、たばこの価格には物すごい割合で税金がかけられています。たばこ税の内訳は、たばこ特別税、国たばこ税、都道府県たばこ税、市町村たばこ税の4種類で、税金の塊、税金を吸っているようなものだと言っても過言ではないほどです。
平成30年度の八王子市のたばこ税による税収は、前年比で4,100万円減少しているとはいえ、31億8,000万円であります。この金額を市民1人当たりの税額としてあらわすと5,650円となり、もしもたばこ税がなくなると、市民1人当たり年間5,650円増税しないと現在の予算が確保できないことになります。ちなみに、この数値は多摩26市平均で5,246円、中核市平均6,527円となっています。
たばこの価格を見ると、一方で健康志向、健康増進をうたい、禁煙を勧めているにもかかわらず、たばこの売り上げ本数減少による税収の減少を阻止しようと、数度にわたり値上げを繰り返しています。例えばセブンスターの価格は、2003年に1箱280円だったものが2006年に300円、2010年440円、2014年460円で、ことし10月には500円となります。消費税率は2%しか上がらないのに、9%近くも値上げされます。

Q市のたばこ税の税収に関してお聞きしますが、年間30億円を超えるたばこ税収入を八王子市としてはどのように捉えていますか。

A【税務部長】
市税収入の中で、金額では個人・法人市民税、固定資産税、都市計画税に次ぐ規模となっており、かつ毎年度安定した収入が見込める税目であることから貴重な財源となっていると捉えている。

Q今後のたばこ税収額の推移についてどのような見方をされていますか。

A【税務部長】
喫煙人口の減少により、本市のたばこ税収入額は平成26年度以降減少が続いており、今後も市民の健康志向により減少傾向にあると見込んでいる。税務部門からすると厳しい立場にあるが、国の動向を注視しながら税収確保に努めていく必要があると認識している。

〇歩きたばこ禁止、路上喫煙禁止などの流れは、裸火がちょうど子どもの顔の位置に来て危険だったり、ポイ捨て禁止やたばこを吸わない人への気遣いなど、理由はさまざまですが、それぞれに対して喫煙者は納得してマナーを守ろうという方のほうが圧倒的に多いと感じています。街のごみ拾いをすると一番多いのがたばこの吸い殻で、それは今でもそのような気がしますが、数は随分少なくなりました。一定の成果が出ている結果だと思います。

・立川市は、立川駅周辺から喫煙スペースを完全撤去してしまいました。立川市の市民1人当たりのたばこ税収は6,809円と八王子のそれよりも金額が高いのに、です。
今年7月1日には、東京都庁が庁舎内全面禁煙を実施しました。そうしましたら、都庁前にある新宿区が管理する新宿西口公園の喫煙所に都の職員が終日あふれて問題になりました。新宿の街中は路上喫煙禁止で灰皿の設置箇所もありませんが、一本裏の路地に入ると、隠れるように喫煙している人たちを多く目にします。法律で喫煙が禁止されている高校生ではないのですから、もう少し方策はないのかと思うのと同時に、陰でこそこそ吸われると火事が出るなど別の課題が浮上するのではないかと心配になります。私は、余りに極端な施策は相応しくないと思っています。世の中の推移は、喫煙者には年々厳しいものになっています。しかし、喫煙は成人においては違法ではないということ、またそれなりに税収を当てにしている部分があるということ、これらを考え合わせると、喫煙者と吸わない人の上手な共存が求められると思うわけです。

Q市長にお聞きしますが、喫煙に関して極端な施策はふさわしくなく、総合的なバランスのとれた施策の展開が必要だと思いますし、喫煙者としてそのようにしていただきたいと強く思っておりますが、御所見をお示しください。

A【石森市長】
これまで喫煙に関する健康への影響につきましては、本市のホームページや健康フェスタ・食育フェスタなどのイベントを通じて周知啓発を行っております
健康増進法の一部を改正する法律及び東京都受動喫煙防止条例の施行により、本市ではこの法律や東京都条例の趣旨を周知するとともに、市が管理する施設や駅周辺での喫煙環境について順次整えているところであります。吸う人、吸わない人、誰もが快適に過ごせる環境づくりが重要であると考えております。

<八王子市は喫煙スペースを確保し共存を基本に進めていただきたい>

2.外国人留学生奨学基金について

〇外国人留学生奨学基金は、平成元年4月1日に外国人留学生の奨学事業の資金に充てるため設置されたもので、開かれた学園都市づくりを推進するため、留学生の経済的負担を軽減することを目的に市の推進施策として実施された基金です。外国人留学生奨学基金支給条例制定当時の社会情勢は、市内在住の外国人留学生の生活が円高の進行により厳しくなっているため、奨学金制度を導入し、外国人留学生が学業に専念できる環境を整えるといった背景があったようです。

・奨学基金の積み立て状況は、昭和63年に2件、180万円と、平成元年に3件、76万円余りの外国人留学生のための寄附金があり、平成元年から平成18年まで不定期に寄附金がありましたが、平成19年度以降現在に至るまで同基金に寄附金はなしという状況です。

・この基金の運用の仕方は、利子分を奨学金に充当するほか、元金を切り崩して住居賃貸代行保証料に充当しており、平成30年度は8万2,400円を充てています。29年度末残高約6,400万円に対する30年度の利子は1万5,995円ですが、平成30年度の外国人留学生奨学金の支給対象者は49人、支給額の合計は584万円となっており、差額の582万円4,005円は一般財源からの繰り入れとなっています。

Q奨学金支給者の49人はどのような方法で選考されていますか。

A【市民活動推進部長】
奨学金支給者の選考方法は、市内の21大学等に在学する私費留学生のうち、学業、人物ともにすぐれた者を大学等から推薦してもらい、国籍や日本語能力などを基準に支給決定をしている。令和元年度からは、新たに小論文を提出してもらい選考資料の一つに加えている。

Q1人当たりの支給額は幾らか、支給金額や支給年数の決まりについてもお示しください。

A【市民活動推進部長】
外国人留学生奨学金支給条例第3条により奨学金の額は月額1万円、支給期間は1年と定めている。

Qこの基金が設立されたのは平成元年で、平成の30年間運用されてきたわけですが、今年は平成から令和に元号が変わりました。基金設立当時とは社会情勢も変化していますし、このまま令和の時代にも引き継ぐものなのかなど、検証を実施するにはよいタイミングだと思います。この基金をどのように評価されているのかについてですが、成果は具体的にどのようなところにあらわれたと評価されているのかについてお示しください。

A【市民活動推進部長】
外国人留学生に対する支援の一つとして、外国人留学生の経済的な負担を軽減する事業の財源となっており、大変意義あるものと考えている。また、奨学金支給者は、高尾山観光案内ボランティアや市立小中学校でのゲストティーチャー、みんなの川の清掃デーへの参加などを通じて市民と交流するなど、市民の国際理解の推進に寄与しているものと考えている。

〇低金利の時代となった現代においては、利子分での運用はこの程度の基金元金では不可能です。この制度を平成30年度と同様に継続していくと毎年600万円程度の一般財源が必要となります。外国人留学生を軽く扱うということではありませんが、八王子市として考えたときには、八王子市の子どもにこの予算で救ってあげてほしい対象者が多く存在すると思います。優先順位をつけたとき、私どもは八王子市の子どもたちから予算づけするべきだと思います。
多文化共生という政策で外国人に対する政策はほかにさまざまにありますので、外国人留学生奨学基金の原資はそちらのほうに生かすことに方向転換することで、寄附金などの受け口として基金を継続して構わないと思いますが、これだけの一般財源を投入する奨学金は収束させるべきではないかと考えます。

Q市長にお聞きしますが、平成の初めに始まったこの基金については、令和元年という節目でそのあり方や使途について見直すよい機会だと考えます。例えば、市内高校生の育英資金は毎年申込者が多くあり、審査会でかなりの数の不採用者が発生しています。予算が確保できればそちらの対象者を増員させてあげて欲しいと考えます。外国人留学生奨学金制度については検証して方向性を出していただきたいと思いますが、御所見をお聞かせください。

A【石森市長】
市内の大学において外国人留学生は既に4,000人を超えており、国際化を目指す大学はさらに積極的な受け入れを進めております。市では、大学と連携し留学生への支援に努めており、奨学金制度は重要な支援の一つとなっております。また、奨学金受給の外国人留学生は地域・教育活動などに参加していただいており、国際理解、国際交流活動にも貢献しております。
今後も奨学金制度を継続するとともに、外国人留学生に地域社会との交流や市内企業への就業機会を積極的に創出し、多文化共生のまちづくりを進めてまいります。

3. 町会・自治会活動支援について

〇主要な施策の成果・事務報告書では、町会・自治会活動支援において加入促進に取り組んだとありますが、八王子市まち・ひと・しごと創生総合戦略の平成30年度の実績報告を見ると、町会加入率は平成27年度から順に60.1% ⇒ 58.9% ⇒ 58.2%と毎年下がっており、平成30年度は57.3%で、目標値に対する評価は「遅れている」となっています。
町会活動に関しては曲がり角に差しかかっていると思います。少子高齢化の益々の進展、核家族化の進行、個人的価値観の多様化などが町会加入率が上がらない一般的な理由と言われていますが、八王子市も例外ではありません。

Qそういった時代背景は十分理解されていると思いますが、その中で加入促進に取り組まれたと明記されています。どのような取り組みをされたのか、その取り組みが成果を出せずに反する数値が出ている現実をどう捉えているのかについてお考えをお示しください。

A【市民活動推進部長】
広報はちおうじ町会・自治会特集号の発行や町会自治会連合会と連携した加入促進キャンペーンなど、参加・加入につながる取り組みを行っている。

加入率については、市全体の世帯数が増加している中、加入世帯数は減少しており、高齢化による退会や転入者の未加入などが影響しているものと認識している。

Q町会・自治会に対する活動支援とはどのようなことが求められていると考えていますか。

A【市民活動推進部長
条例の策定に先立ち、昨年、全町会・自治会を対象にアンケートを実施している。行政が取り組むべきこととの質問に対するアンケート結果では、補助金や助成金などの活動費に関する助成が28.9%で最も高く、防犯灯のLED化や管理に関する施策が18%、町会等への加入や活動参加を促進するための施策が17.3%と続いている。

〇今後の新たな課題として、町会役員のなり手不足があります。
現在の町会役員の方々を拝見すると、会社などを定年された方が多くおられます。労働力不足と年金支給対象年齢の引き上げなどにより、これからの社会は75歳まで働く時代になると国が公然と発言しています。こういった高齢者を労働力として当てにする時代が訪れることは確実で、既に突入しているのだと思います。そうなると、現在の町会活動の核となっておられる年配の方の確保が難しくなり、お仕事を終わられた方となると70歳を優に超えた年齢の方々ばかりとなってしまい、町会役員のますますの高年齢化が課題になると想像します。
そうなったときの町会を維持していくためには、根本的に内容を見直し町会に依存している役割を軽くすることが必要です。例えば、何百という数の防犯灯管理などは町会に依存せずに、早く市にその管理業務を移行させて、町会には不安全箇所や不法投棄防止のための複数の防犯カメラ程度の管理をしていただくとか、役員の会議回数の削減とともに簡易な指示伝達方法を確立するなど、根本から見直しが必要な時代なのではないかと思います。町会数も八王子市は多過ぎるのではないでしょうか。

Q 理事者にお尋ねしますが、町会・自治会活動は維持・継承していかなくてはならない大切な取り組みだと認識していますが、現実を見る限り、今のままの枠組みや考え方では厳しい時代になっており、時代背景に合った見直しが必要な時期だと考えますが、今後の町会・自治会のあり方についてのお考えをお示しください。

◎【木内基容子副市長】
町会・自治会に関する条例の策定に当たり実施したアンケート結果では、防犯灯のLED化や管理に関する施策、加入促進に関する施策へのニーズが高いことが把握できました。町会・自治会運営のための環境づくりとしては、これらの施策を充実し、負担を軽減することが必要であると認識しております。また、条例には、市の責務として町会・自治会の負担が過重なものにならないように配慮することを明記いたしました。今後は、活動の担い手となる人材の発掘や育成に向け、若い世代も含めた加入促進の取り組みを町会・自治会の皆様の声を聞きながら進めてまいります。

4.給食センターについて

(給食センターに関しては、先日の私の一般質問でも課題について幾つか申し上げました。)

〇南大沢給食センターの食数についてお聞きします。
設計では2,500食となっていますが、この食数ではニュータウン側の中学校全てを対象にできません。ちなみに、現在のニュータウン側の中学校を全て対象にした食数は、区域割の考え方にもよりますが、由木、松が谷、中山、南大沢、宮上、別所、上柚木、松木、鑓水まで入れて合計9校と考えたとき、令和元年の生徒数は合計で3,092人ですので、2,500食では3校分程度足りません。区域区分的には、ニュータウン側につくる給食センターでこちら側の全ての中学校を網羅できる規模にするのが理想的であったと思っています。

Q南大沢給食センターの食数が2,500食をつくる規模となった理由は、建設用地からこの食数が限界であるという設計となったためなのか、他に理由があるのかについてお示しください。

A【学校教育部長】
給食センターの規模は、本市がこれまで培ってきた安全・安心な手づくり給食の提供及び地元の食材業者や農家などからの継続的な食材調達が可能であることなどを踏まえ、1施設当たりおおむね2,500食の施設とする基本的な考え方をしている。南大沢の給食センターについては、設計時に2,500食以上の調理が可能かどうかについて検討したが、敷地の広さから2,500食が限界であった。

〇南大沢給食センターの整備地は、南大沢清掃事業所の5,636平米の敷地のうちの1,758平米を充てるというものです。現在、給食センターの建物がほぼ骨組みは立ち上がっており、先日現場を見てきましたが、私の感想は想像以上に狭いというものでした。建物が敷地いっぱいに建っていますので、食材の搬入や給食の運搬など、車両のさばきがかなり難しそうだということ、またこの場所は駅から離れているため、職員の通勤は車などになることが想定され、給食をつくる作業をしていただくパートの方々も最低自転車かバイクが必要であろうと想像すると、その方たちの駐車スペースも近隣に必要ではないかと思います。

Q南大沢給食センター開業後の車両のさばきなどについてお聞きしますが、食材の搬入車両や給食の運搬車両をさばくためには清掃事業所の敷地を利用する必要を感じますが、その場合、具体的なさばき図などを作成し、これをもって資源循環部との詳細な調整が必要になります。来客用の駐車場、駐輪場などの確保も必要だと思いますが、これらの敷地に付随する近隣環境との調整についてのお考えをお示しください。

A【学校教育部長】
給食センター南大沢は敷地が狭小のため、食材の納入業者には、前日納品や当日納品であっても時間をある程度指定するなどして車両の出入りを分散させる予定としている。
また、給食センター稼働後の調理員の駐輪場については、南大沢清掃事業所の敷地での確保に向けて現在調整中であり、来客用の駐車場については南大沢清掃事業所内の駐車スペースでの臨時利用などについて運営の中で調整を図っていく考えである。

Q南大沢清掃事業所の周囲は都有地で、全体で4万1,319平米ある広大な空き地です。現在、この土地の一部の給食センター建設に近い部分、1,447平米を期間限定でセンター建設用資材の資材置き場として都から借用しています。この都有地は、給食センター建設用地として浮上しなかったのでしょうか。

A【学校教育部長】
都のホームページを確認する限り、都は商業・業務用施設用地として相談を受け付けている状況であることは認識をしているが、給食センター整備事業については早期の全校実施を目指し、市有地を活用して整備を進めているところであり、隣接の用地は都有地であり、かつ第一種中高層住居専用地域ということもあり検討はしていない。

Q隣接する都有地の活用などについて都と調整した経過、資材置き場として借用している経過についてお示しください。

A【学校教育部長】
給食センター南大沢の建設敷地は狭隘なため、資材や仮設事務所、工事車両などを置くスペースを設けることができなかったため、東京都へ都有地の借用について調整したところ、工事などの短期間であれば賃借可能であるとのことであったので、建築工事に当たり受注業者が直接東京都から借り受けをしたものである。

Qこの都有地のうち給食センターに隣接している部分について、買えないにしても、借用して不足する荷さばきや駐車スペースなどに活用する施策について東京都と交渉すべきだと思いますがお考えをお示しください。

A【学校教育部長
隣接する都有地の借用については、令和元年度に都の担当者と調整を行ったが、本用地は商業・業務用施設用地であるため継続的な使用は認めておらず、短期間の借用に限り認めているとの回答であった。

〇給食センター事業については、中学校給食だけを対象とするのではなく、経年で給食室の大幅改良工事が必要となる小学校、その小学校の給食室で例えば100食とか150食程度しかつくらず、今後も児童数の伸びが期待できない学校などは、給食センターからの配膳に切りかえることで高額な修繕費をかけて給食室の修繕費を削減し無駄を省くなどをあわせて実施するなど、広がりを持った施策として検討していただきたいと強く思っています。

Q市全体の将来を見据えた効率化などを視野に入れた取り組みでないと、給食センターの事業の深みがなく、せっかくの仕事がもったいないと思うのですが、今後の仕事の進め方の中で、最適な給食センター事業についてもう一度きちんと検討していただきたいと思いますが、御所見をお示しください。

A【学校教育部長】
給食センターは、5施設で中学校32校、約1万5,000人分の給食を賄うよう計画しているが、整備に当たっては、少子化による生徒数の減少や学校再編、老朽化した給食室の動向などの将来を見据えるともに、食育や災害時の食支援などの地域の食の拠点としての役割をしっかりと果たせるよう進めていきたい。

〇給食センター整備の基本的な考え方の1つに、費用を抑えるために土地の取得をせず現在市が持っている用地を有効活用するという考えがあります。しかし、この考え方にこだわった結果か、現在までの給食センターの整備用地の検討結果を見ていると、候補地として上がった場所も、土地利用上の制約、広さの制約、近隣の課題などが発生し、未だに全ての整備地が決定していない状況にあります。給食センターの全ての場所が決まらないため、配膳する学校が流動的であり、その学校がいつから給食になるのかも示せない状況です。土地は市が所有している土地を流用するという考え方が大きな足かせになっていると感じます。
給食センターは、設置場所の制限は余りない施設で、強いて言えば市内にバランスよく配置したいという程度ですから、郊外の準工業地域の土地を探すのであれば、土地を購入することを考えても目ん玉が飛び出すような予算にはならないと思います。給食センター事業を半永久的に継続していくのであれば、余計に場合によっては土地の購入も視野に入れて、よい場所に給食センターを建設するほうが将来的にプラスだと思いますし、市内全域の給食センター早期実現を図るためにも必要なことです。その分余分な事業を削るなどすればよいだけのことだと思います。

Q市長にお聞きしますが、市長は給食センター設置に向けた方針を固めたと記者会見をされた平成29年11月22日に、記者団に対して、給食センター建設用地に関して市有地を想定しているが、準工業地域の市有地となると限られてくるため、土地の取得も考えなければならない、またおおむね3年程度で施設を完成したいと述べられています
現在の市有地にこだわり過ぎているように見える給食センター建設用地の検討をこのまま続けていくことは、整備事業全体を考えたときに決して得策ではないと思います。費用をなるべく抑えるために市有地を活用するというこの考えは否定するものではありませんが、市長御自身の基幹的目標である3年程度というスピード感を持って整備するためには、場合によっては土地取得を視野に入れるなど柔軟に対応すべきだと私どもは思います。全市の中学生になるべく平等に給食を導入していただくために、給食センター整備事業の早期完成を目指して土地取得を視野に入れた建設用地選定が必要だと思いますが、御所見をお聞かせください。

A【石森市長
給食センターにつきましては、子どもたちに温かい給食をできる限り早く届けたいとの思いから、市有地など既存資産の活用により整備をすることとしております。
令和2年4月には、現在建設工事中の給食センター南大沢と元八王子の2施設の提供開始を予定しており、次の元横山及びほか1施設につきましても早期の提供開始を目指し、全力で準備を進めているところであります。5施設目の建設地につきましては、現在市有地の中で最終的な調整を行っている段階にあり、早期に着手ができるよう速やかに決定をしてまいります

5.夢美術館について

〇八王子市夢美術館の平成30年度の指定管理料は1億2,000万円、利用料収入、自主事業収入を含めた年間収入額は指定管理料とあわせて1億4,500万円、それに対する支出は1億3,300万円となっています。年間来場者数は、特別展と常設展の重複分を加味しないと4万7,435人です。私は、10年前の一般質問で夢美術館について質問させていただいていますが、この当時の指定管理料は1億700万円、年入場者数は約4万人でした。

・八王子市夢美術館は、2003年、平成15年10月に八王子市民が気軽に親しめる暮らしの中の美術館を目指し、八日町のビュータワー2階に開館しました。ここに開館した背景には、八日町再開発地区計画により15億円余りを出資し、この2階フロア全体の床を取得しましたが、どのような施設にするのか用途が決まらず、結果として美術館に落ちついたという経過があります。ですから、ここを美術館として評価したときには、天井高が低いなど、もともとが美術館として設計されていないことから建物の構造的な欠点が幾つかあります。
この美術館を生かしていく方針として、当時の質問の回答では、八王子夢美術館は、設立の経緯からしても確かに美術館としては小規模であると考えている、今後は暮らしの中の美術館という位置づけで、博物館法の枠組みに捉われることなく、小規模の利便さを生かして運営をしていきたいとあります。

・当時、夢美術館の近くにいちょうホールがあり、ここでは市が力を入れているチェロコンサートが開催されていました。近隣の商店では、楽器をモチーフにした看板を掲げているところもあり、また近隣には小さなギャラリーもあり、八日町交差点から夢美術館、いちょうホールを含めた一帯を美術・芸術のまちとしたコンセプトでまちづくりをしたらいかがかと提案させていただきましたが、その後、何も起こりませんでした。私は、この提案は今でも素敵な案だと思っています。

Q八王子市夢美術館と平成30年度の運営状況と評価についてお聞きします。
夢美術館の学芸員の方々の努力により入場者数は微増しているとのことですが、この美術館の魅力をどのように評価しているのかお聞きします。また、以前の質問で、小中学生が美術作品に触れる機会として活用したらどうかとお話ししましたが、市の運営する美術館として市内小中学生への活用など、工夫して行っていることがあればあわせてお示しください。

A【市民活動推進部長】
夢美術館は、暮らしの中の美術館をコンセプトとし、平成15年10月の開館以来、延べ50万人を超える方々に足を運んでいただいた。また、昨年は6回開催した特別展がいずれも好評で、過去最高となる入場者を記録した。この他、地元商店街等と連携し、東京造形大学の学生がデザインしたフラッグを西放射線ユーロードに展示するフラッグギャラリープロジェクトや、JR八王子駅周辺7ヵ所の画廊と協働して、夢美術館と画廊をめぐるスタンプラリーを実施している。また、夏休み期間には、子どもが楽しめる絵本関連の特別展を開催するとともに、中学生以下は観覧料を無料とし美術館に来場しやすくするなど、夢美術館の特色ある取り組みについて評価している。

〇今後のいちょうホール大規模改修に伴っては、いちょうホールに小さ目であればギャラリーなどを設けることは可能なのではないかと思います。また八王子駅南口の医療刑務所跡地の活用においては美術館の設置が可能なのではないかと思います。
博物館学という博物館や美術館のあり方について学習する科目がありますが、これに基づけば八王子市夢美術館はかなり低い点数の施設になります。理由は、美術館としてつくられたスペースではないということだからです。近隣に美術館的要素の建物が可能であれば、現在ビュータワーの夢美術館として市が所有しているフロア全体を民間に払い下げてしまってもよいと、そのくらいの判断をしてもよいのではないかと思います。

Q市長にお聞きしますが、将来的なまちづくりの観点から、夢美術館をどのように捉えて活用することがふさわしいとお考えになるか、長期構想の考えも含めてお示しください。

A【石森市長】
夢美術館は、すぐれた美術品からアニメ作品などのサブカルチャーまで幅広い分野の特別展を開催し、市外からも多くの方々にお越しいただくなど、本市の文化芸術振興に大きく貢献をしていると考えております。人々が気軽に訪れ、中心市街地の活性化にも寄与する施設として、小規模でも個性的な展示を行う夢美術館の魅力をより一層高めてまいります。

相沢こうた
八王子市議会議員