八王子市議会議員

相沢こうた

KOHTA AIZAWA

相沢こうたNEWS
VOL.9 「議会報告」

平成23年第1回定例議会報告(その1)

○平成23年第1回定例議会にて、3月4日に平成23年度予算についての会派代表質疑、3月10日に平成23年度予算審議特別委員会での質問をそれぞれ行いましたのでその内容についてご報告いたします。

【会派代表質疑】※市民・民主クラブを代表して質疑を行いました

1.歳出における投資的経費の考え方

Q:平成22年度末をもって様々な工事が完了する。
八王子駅南口再開発△21億円、市民会館△36億円、本庁舎改修△23億円、戸吹スポーツ公園△7億円、資源化センター△9億円、メディカルセンター△12億円など平成22年度予算と比較すると投資的経費が激減しているようである。
細かな項目を拝見すれば市内企業者への配慮はあるようだが、総じては半減している印象である。無駄な「箱もの」工事には当然反対であるが、市内建設企業には市の発注する工事量による年間の経営への影響は大きい。
必要な物をある程度計画的、平均的に発注することが必要ではないかと思う。
民生費などの伸びに影響されたようにも写るが、こういった予算配分は平成23年度のみの特長であるのか、長期的なペースで見てもこういった傾向が続くのか、見通しとお考えをお聞きしたい。

A:(黒須市長)
市長就任以来、財政健全化に取組み手がけてきた大型プロジェクト事業が完了をし、ひとつの区切りを迎えたところであるが、今後も事業の選択と集中による厳選した取組みを実現していくとともに、将来のまちづくりの「核」となる事業については財政規律を厳守しながら、長期的な展望を持って計画的に実施していきたいと考える。
なお、平成23年度においては、旭・明神町地区周辺のまちづくりの推進や大横福祉センター整備など、大型プロジェクト事業の実施に向けた委託料などの予算を計上している。

2.八王子駅周辺・中心市街地のまちづくり方針策定について

Q:八王子駅ビルの八王子そごうが来年2月を目処に撤退をする。
一方八王子駅南口ではJR貨物の商業ビルが2013年オープンを目指して建設をされる報道がされた。
こういった流れを受けて現在のまちづくり方針の見直しをどのようにされるのか。
また八王子そごうの撤退はマルベリーブリッジの延伸計画に影響するのか。
一企業の経営方針であるので行政がどこまで関与できるか、という難しさはあるが、企業と行政が一体となったまちづくりが大切であり、こういう努力についてどのように考え実践されているかについてお聞きしたい。

A:(黒須市長)
八王子そごうは八王子市の顔である位置にあったため、まちづくりに与える影響は極めて大きい。
また、中心市街地活性化基本計画についても「そごう」を前提とした計画であるため、見直しの検討も必要と考える。

3.生活保護費の増大対策

○八王子の生活保護受給者の実態は人数で1万人を超えており、これが予算や行政業務を圧迫している。受給者の中で今回私たちが問題視するのが「就労すべき年齢にあるのに就労意欲の無い受給者」、特に精神疾患を理由に申請している人たちの扱い。
先日の市長答弁では平成23年度は新たに受給者の資産調査を行う旨の回答があったが、精神疾患認定にも方策が必要と考える。
例えば市が専門に契約してその医師の判断のみ有効・・など。
他にもなんとか就労に結びつける活動と対応が必要かと思う。
こういった就労意欲の無い受給者への対応についてお聞きしたい。

A:(黒須市長)
生活保護費の増大は全国的な問題だと認識している。
八王子市はケースワーカーの不足など様々に問題がある。
就労意欲のない受給者に対しては就労相談を実施しある程度の成果はあがってきている。
今後も実情にあわせた対策を図っていく。

4.子育て支援諸施策

 

Q:政府が進めている幼保一元化による子ども園の導入などの育児政策の見直しは難航しており平成23年4月には間に合わない。
地方行政は継続して待機児童の解消に向けて今までと同様に取組まなくてはならない。
手法として保育園を新たに建設するだけではなく、駅前の空き店舗利用による保育室や保育ママの充実など他の施策についての考えを聞きたい。
また認可外保育所の認可などにも目を向けて欲しいと考えるがいかがお考えか。

A:(黒須市長)
保育園の待機児童解消に向けて鋭意努力をしているが、追いつかない現状については把握している。
23年度も引き続き取組んでいく中で様々な手法について検討する。

5.地域での子育て支援と学校選択制について

Q:平成23年度予算市長説明の中に「地域で子供を育てる」という言葉があった。
けれども地域の方からよく聞くのは学校選択制で地域の子どもたちが方々の小中学校に通ってしまっており、中には隣同士や兄弟が違う学校に通っている例もあり地域のまとまりがないということ。
学校選択制度の検証とこういった地域の声、また地域で子供を育てるという言葉との整合できない現実についてどのようにお考えか。

A:(石川教育長)
学校選択制で学区外に通っている生徒は全体の20%程度であり、地域性が崩れるほどの人数ではないと考える。
子どもが地域に根付いて育っていくことは非常に大切なことであり今後の施策展開の中で重点をおいていきたい。

6.高齢者対策

○平成23年度に館町で実施をされる高齢者支援策の「シルバーふらっと相談室」はよい取組みだと感じる。
市内には他にも高齢化率40%近い地域があるが、館町での取組みを他の地域へ展開する考えはあるか、施策の将来展望についてお聞きしたい。
ふれあいサロン、元気高齢者の活用、高齢者が困っている買い物対応、など、その他の具体的取組みとあわせて高齢者対策全般の基本となる考え方を提示していただきたい。

A:(黒須市長)
高齢者率が上がっている地域については把握をしている。
館町での取組みをはじめとして様々な施策で有効であるものは水平展開をしていきたいと考える。

7.環境基本計画の展開について

Q:八王子市には環境基本計画を大元にみどりの基本計画、水循環計画、地球温暖化対策地域推進計画がある。
これらの基本計画は市のあらゆる部署の施策や考え方に、これらの理念が浸透しているものなのかをお聞きしたい。

A:(黒須市長)
環境問題については市を挙げて取り組むべきものであり、これらの環境基本計画の考え方は全ての部署で生かされているものと認識している。

8.国体に向けた準備について

Q:平成25年に予定されている東京国体に向けた施設整備について、昨年の一般質問でお話をさせていただいた高等学校硬式野球開場となる八王子市民球場の改良のためにレフト側の防球ネット費用が計上されたのは大変ありがたい。
野球以外に自転車ロードレースに向けた道路整備の必要性など他の種目の準備状況についてお聞きしたい。
また、ゴルフなどの開催場については市の予算はつけられないにしても大会の成功に向けた準備としての補助が何かできないものか検討をしていただきたいと思うがが、お考えをお聞きする。

A:(黒須市長)
国体競技の基盤整備については関係個所と協議を行っており、大会運営に支障のないよう準備を進めている。
また民間施設の施設整備について、寄付や補助は難しいと考えるが、運営上で必要なものについては協力をして民間施設に負担のかからないようにしたい。
東京多摩国体の開催は全国に八王子の魅力を発信する絶好の機会と考え、市民の総力を結集して大会成功に導きたいと考える。

9.新興住宅地対策

Q:最近、新興住宅地として急激に宅地化されている越野地区(19住区)は、転入者の年齢層が子育て世代である。
保育園、幼稚園、小中学校の施設整備についてお聞きする。

A:(石川教育長)
近隣地区に保育園を増設している。
幼稚園、小中学校については既存の施設を使う予定で、今のところ新設予定はない。

その他

○市内小中学校の冷房化について

○中学校給食について

【予算等特別委員会】※3月10日に持ち時間(答弁を含め)36分間で行いました

1.市内の民間企業と一体となったまちづくり

Q:八王子そごうの撤退に関しては他の議員からも質問が出ているので細かくは触れないが、今後のまちづくり構想に極力影響が出ないよう検討していただきたい。
八王子そごう撤退を教訓に考えてもらいたいことがある。
そごう撤退に関する新聞報道を読むと、そごう側の経営の談話ばかりで、そごう側から八王子のまちづくりへの影響やそこに働く人々の雇用の話しは一言も掲載されていない。
一企業の判断は結構冷たいものであると感じる。
近隣では日野市の東芝日野がこの三月で閉鎖、八王子市でも沖電気が生産ラインを閉鎖した。
こういったことが身近に起こっていることについての感想をお聞きする。

A:(黒須市長)
八王子そごうの撤退の件は驚いた。その他にも最近大企業の移転が多いことは認識している。

Q:北八王子工業地帯には大企業が多くある。
この一帯の企業は八王子市にとって、大きな税収を生み雇用と市内の中小企業の仕事を創出している。
重要視して欲しい地区だが、残念ながら北八王子駅を含めて作りっぱなしの感じで全く改善されない。
八王子そごうの撤退から学んで欲しいのだが、行政として積極的に関与していただきたい。
八王子にとって重要な地区だという認識があるのならば民間でいう営業的要素を持って対応してもよいのではないか。
市内の企業がひとつ撤退したら市が少ない予算の中で展開をしている中小企業支援の効果など吹き飛んでしまう。
企業側の要望を聞く懇談会など情報交換の場などはあるのか。

A:(企業支援・雇用対策部長)
市の施策の説明のため企業訪問を行うなど日頃から関係づくりに取り組んでいる。来年度は交流会を実施し情報交換などを実施したい。

Q:通勤環境を向上させたりするのは行政の仕事である。
北八王子駅前の放置自転車が通勤者の邪魔になっていた。
先日交通事業課に改善を求めたところ、従来は10時に現地に来ていた自転車整理の方々を7時台に派遣し自転車整理と駐輪マナー指導を行っていただき、カラーコーンの設置や臨時駐輪場の設置もしていただいた。
これによって随分歩きやすくなったことに御礼を申し上げる。この体制は続けていただけるのか。

A:(交通政策室室長)
当面の自転車対策として継続して実施する。

Q:以前から一般質問で何度も取り上げて要望をしているが、北八王子駅のホームと階段は狭く朝夕の通勤・通学者が飽和状態である。この4月から更に200名ほど人員を増加させる企業があり通勤に関しての相談も受けた。
転落事故が起きる前に是非とも以前から申し上げている臨時改札設置に向けて具体的に動き出して欲しい。
市長にはご理解をいただきJRへの働きかけを行っているようであるが、現在の進捗状況についてお聞きしたい。

A:(黒須市長)
臨時改札設置についてJRへの働きかけは続けているが、なかなか実現に至らないのが現実である。
今後の対策としてホームの拡張を市の提案で実施をするなどの対策を検討中であり、通勤環境改善に取り組んでいきたい。

2.小学生の通学路について

Q:市内のある地域に住む方から、近隣小学校の通学路の見直し・変更、もしくは安全施設整備を行って欲しい旨の相談があった。
現地に行ってみると交通量が多だけでなくトラックが多いため、私ですら通行することが怖くなるような道だった。
他のルートがないのか考えてみると、通学距離はほとんど変わらず車両通行量が少ない道が容易に見つかった。
以前通学路の設定方法について質問をしたことがあるが、回答では「通学路の指定は学校が行っており教育委員会はそれを提出してもらっている」ということであったと記憶しているが、何のために教育委員会に提出をしているのか。

A:【学校教育部長】
通学路の設定は各小学校に任せてあり、教育委員会は提出されたルートの確認をしている。

Q:学校選択制により学区外から通学している生徒の通学路についてはどうしているのか。

A:【学校教育部長】
通学経路を保護者と確認をして安全に通学できるように決めている。教育委員会は学校長より届け出された通学経路を確認している。

Q:通学時の安全指導や危険箇所の把握を学校はどのように実施しているのか。

A:【学校教育部長】
集団下校の機会を定期的に設けたり、安全教室を開催したりして、児童が安全に登下校できるように指導している。
また定期的に学校が学校関係者やPTAなどと協力し、通学経路を児童が安全に通学しているか登下校時に合わせて見守りをしている。
また、必要に応じて危険対策・防犯対策を含めた通学路の安全点検を行っている。

Q:市内の至るところで朝夕の小学生の通学風景を見るが、安全指導をしているのはお母さんたちを代表としたPTAの方、地元の安全協会の方、安全指導ボランティアの方で、学校の先生の姿を見ない。
学校の先生の直接の仕事ではないかもしれないが、こういう状況をどのように感じるか。

A:【学校教育部長】
校長先生など校門で迎えている先生もいる。

Q:私は見たことがないが、本当にそういう活動をしていると現場を見て言っているか。もう一度同じ質問をする。

A:【学習指導主事】
自分が校長の時はそのような活動をしていたが、確かにそういった先生は少ないかと思う。

Q:学校近辺に交通量の多い大きな交差点があるとか、先生自身が通勤の際に危ないと感じる場所があったりしたら、私が先生の立場ならば心配で見に行くと思う。
先日の教育長の他の質問の答弁で「使命感を持った教員が少ないように感じる」という言葉があった。
先生は事務的な仕事なども多く大変に多忙な日々だということは認識している。
しかし対子供という基本的な部分に重点を置ける先生が増えることをきたいするが教育長のお考えを聞きたい。

A:【石川教育長】
先日の答弁で「使命感を持った教員が少ないように感じる」と言った。
通学路の安全指導は子供のことを思えば自然にできる。
そういった気持を持った教員が増えることを期待する。
通学路での安全指導方法については改善していきたい。

※数日後、通学路に立って子供におはようと挨拶をしながら見守る先生を見ました。

早速指導をしてくれたのではないかと思います。子供が事故に巻き込まれることは本当に痛ましいですから、少しでもその可能性を無くしていく活動が継続していくことを願います。

その他の質問

◇小中学校の冷房化工事について

Q:平成23年から2年間に渡って行う工事対象は八王子市で約100校あり、工事費は30億円程度見込んでいるため、八王子市内の企業が特需として注目をしている。
冷房の媒体はガス70%電気30%と聞いている。
空調関係、ガス関係、電気関係の三種類の企業に偏りなく発注できるように、発注の手間はかかるが、業種ごとに分割発注するなどを行って欲しい。

A:工事内容は空調工事が中心となるが、受変電設備の改修に関しては電気工事会社への分割発注を行ない、ガス空調設備であっても電気工事部分はあるため、その部分については空調工事会社から電気工事会社に発注されることを建築担当所管から確認している。

相沢こうた
八王子市議会議員