八王子市議会議員

相沢こうた

KOHTA AIZAWA

相沢こうたNEWS
VOL.29 「議会報告」

平成25年第3回(9月)定例議会報告
【一般質問】

「街路樹整備について」

Q:街路樹整備に関して平成24年6月議会以来二度目の一般質問となります。
前回の市長の回答では「街路樹景観整備計画の策定についても、大分市などの先行事例を参考にしつつ、調査研究を行いたい」というものでしたので、まず現在の調査研究状況についてお聞きします。

A:街路樹に関する整備計画については、大分市のほかにも芦屋市、近隣では江東区、横浜市などでそれぞれの自治体が独自の取り組みを行っており、本市においては、八王子市景観計画に基づく(仮称)公共施設景観形成ガイドラインの作成作業を始めているところで、街路樹の景観はその中で検討していく考えである。

Q:散田町から東浅川町に通じる万葉けやき通りは、その名のとおりケヤキの木が街路樹として植樹されています。ここは開通が昭和43年ですからケヤキの樹齢は45年から50年を超えていると推定され、現在幹は電柱よりも太く大きな木に育っています。植える間隔は成長した姿を想定していないようで総じて狭い間隔のところが多く、この通りも同様です。これは街路樹植樹の問題点のひとつです。
 更に問題点が幾つかあり、街路樹が太いため通りに直角に進入しようとする車両の運転手から左右が見えづらくなっています。またケヤキの高さが電柱を遥かに超えてしまっており電線や電話線と交錯してライフライン管理に支障となっています。更にケヤキは落葉樹ですので巨大なケヤキの物すごい量の落ち葉が地域住民に迷惑を掛けています。そして沿道の建物の建て替え時に変わる進入路に対して街路樹が土地利用に支障を来しています。これらの問題点に関して、市側の認識をお答えください。

A:ご指摘の4つの問題点については、個々の対応が必要であると認識しており、随時現場を確認した上で地域の皆さんの御協力をいただき、また事業者とも連携を図りながら適切な対応に努めている、と認識している。

Q:土地利用などに関連して新たな建物の出入り口となる、などで街路樹が支障となる場合の対応について更にお聞きします。当然、車歩道の改造も伴い、その工事で簡単に撤去できる街路樹は問題にはなりませんが、けやき通りの樹木の直径が30センチ、樹高が20メートルを超えるような巨木の場合に限定してお聞きします。この場合、街路樹の所管は市ですが、市民からの要請についてどのような対応をしているかについて2通りのケースをお答えいただきたいと思います。
 まず、枝などその一部分が支障となる場合、その作業はどのような手順でどこが行うのか。もう一つは、巨木全てが支障となる場合はどうか。ちなみに巨木の撤去工事の費用は1本につきどのくらいになるのかについてもあわせて教えてください。

A:巨木が全て支障となる場合、例えば、家の新築や建て替えなどで駐車場の出入り口をつくる場合などでは、基本的に自費工事により施主の方の費用を負担で撤去となる。また、緑を減らさないことを方針にしており、一定程度の苗木などをほかの場所に植えてもらうこととなっている。
 次に、巨木の撤去工事の費用について、今回対象としている樹木の場合、幹回りが120から150センチ程度として考えると、伐採にかかる費用は1本約15万円となる。また、抜根まで行いますと1本約30万円となる。  これらは東京都建設局の街路樹マニュアルにより管理を行っており、車の出入り口などを新たにつくるため街路樹が支障となる場合については、道路法第57条を根拠法令としてお願いしている。

Q:樹木は大きくなるのには相応の年月が必要です。30年、40年と経過して大きくなっていきますが、沿道の状況はその年数を経過するうちに、その土地利用などを含め随分と変化をします。大きくなり過ぎた街路樹に関して「なぜこんな木を植えたのか」と市側にお聞きすると、街路樹植樹当初に地域の方々と確認をとっているという答えをよくお聞きしますが、住んでいる人の形態の側が変化します。
 以前から例に出している大分市の街路樹基本計画には、樹木の最終形態の大きさなど様々な特徴が調べられており、こういったきちんとしたデータをもとに、その地域に合った街路樹選定をしようということになっていますので、どんな木を植えますかといった住民との調整に役立っているでしょうし、市民の側も将来の様相はある程度想像がつくのだと思います。
 市民生活に邪魔になったときに、その回収や撤去費用は住民負担だと、なおさら植樹のときの選定が重要になります。また、市民から見て、街路樹は道路管理者、行政の持ち物ですから、当然その管理は撤去まで含めて全てが行政側だと考えている人は少なくないと思います。植樹の際の地元との意見交換の際に、そこまでお話しになっている担当者は少ないと思われます。市内の街路樹には、現在は小さくとも数十年後に巨木になり近隣住民を悩ませるであろう樹木が結構あると推測します。こういった樹木を小さいうちに適正なものに植え替えることで将来に残す負の遺産は減らすことができます。街路樹の管理について苦労している現状があるなら、将来に生きる施策を積極的に展開するべきです。現在既に街路樹で迷惑したり、苦労したりしている市民の方々や苦戦している行政の担当者がおり、何とかしなくてはならない路線があると思いますが、その予備軍的な路線もあるでしょう。そういった面からも、街路樹基本計画を早く検討していただきたいと申し上げております。
 再度お聞きしますが、何が理由かわかりませんが、街路樹基本計画の作成に関して歯切れが悪く感じますが、街路樹に関して景観だけではなく、多面的な見方と判断ができるような手法を取り入れるべきだと思いますがいかがでしょうか。

A:今後、地域地域に合った課題に対応するため、街路樹の持つ機能を再考し、その特徴を十分に生かせるよう先進市のさまざまな手法や事例を調べて調査してまいりたいと考えております。

「お祭りの仮設設備に対する安全対策について」

Q:8月15日に京都府福知山市で発生した花火大会会場での屋台で使用していた発電機が爆発し、多数の死傷者を出した事故は、楽しいはずの会場を一瞬のうちに悲劇が襲う痛ましいものでした。この事故は、屋台で使用していた発電機のガソリン給油の手順、方法を誤り、給油口から霧状になって吹き出したガソリンが周囲の人に降りかかってしまったところに引火・爆発したことで、命を落とされた方々は、全身大やけどの状態だったと報道されています。この事故以降、八王子市内でもさまざまな夏祭りの会場に消防の方が点検に回っていただいており、類似事故防止に御尽力をいただいております。
 お祭り会場は、公園や広場など、そこはふだん生活をしている場所ではありませんから、ガスや電気は常設されておらず、発電機、プロパンガスや仮設の電気引き込みなど、期間中は工事現場以上に仮設設備の多い場所に変貌します。福知山市の爆発事故では、防火対策が業者任せであったことを実行委員会が陳謝しましたが、恐らくどこのお祭り会場でも同じような状況なのではないかと推測します。また、発電機の取り扱いについてなど、事前に審査することは行っていないと思われます。
 まず、今回の福知山市の事故を受けての対策についてお聞きしますが、八王子市として各町会やお祭りの実行委員会などに指導している内容をお聞きします。

A:庁内各所管が露店の出店が見込まれる祭礼やイベントが開催されることを把握した際には、東京都火災予防条例に基づく届け出を八王子消防署に遺漏なく行うこと、火気の取り扱いに留意し、来場者の安全確保を図ることといった事項を主催者に周知啓発するよう庁内で徹底した。

Q:福知山市の事故現場では、実行委員会として防火対策がきちんととられていなかったことをお話ししましたが、火気使用の届け出は当然として、防火責任者や裸火の取り扱い責任者、総括責任者などの設置は必要不可欠と思いますが、八王子市としてそういった責任体制の確立や徹底方法についてどのようにお考えかお聞きします。

A:先月8月31日に八王子市町会・自治会連合会が開催した研修会に出向き、火気取扱いなどの内容を町会・自治会長に直接依頼した。今後も八王子消防署と相互に情報交換を行い、連携を図りながらイベント等への来場者の安全確保を進めていく。

Q:次に八王子最大のお祭りである八王子まつりについて質問します。
 八王子まつりでは、旧甲州街道の両脇に約250店もの露店が並びます。露店や照明の仮設電源として旧甲州街道追分交差点方面から横山町付近のダイエーの前まで、会場区間に全て仮設電源を引き使用します。この路線は近年電線類地中化が実施されたため支持物となる電柱がなく、仮設ポールをガードレールなどに立てて固定して一般の方の手が届かない高さに電線を張り、山車の通行や停電回避のための回路などに様々に工夫がされており、安全に十分に配慮されたものとなっています。
 今年の八王子まつりの実行委員会では、コストダウンの対象に電気仮設設備工事が挙がり、仮設電源線が引いてあればよいという程度の工事内容のところへの発注が検討されたとお聞きしました。無駄を省いた健全な金銭感覚はよいかも知れませんが、多くの不特定多数の来場者に直接係わる安全について疎かにすることは間違った考え方で、逆により安全性確保に向けて施策を厚くしていく方向で考えるべきではないかと思いますが、八王子まつりにおける仮設設備について、市の考えをお聞きします。

A:多くの人出でにぎわうお祭りでは、何よりも安全性が重視されるべきであり、特に仮設設備は臨時的に設置することから、その安全管理はより徹底されるべきであると考える。今回の八王子まつりの電気仮設設備工事においても、安全性を最優先し、八王子まつりでの実績などを踏まえ、これまでの事業者にお願いしたと聞いている。

Q:安全最優先の基本的な考え方を実行委員会全体の考え方としてしっかりと反映するようにしていただきたい。
 本件に関して最後に市長にお聞きします。八王子まつりは年々来場者数が増加し、規模や市民の期待度が大きくなっているように感じます。限られた予算の中でお祭りをさらに盛大に行っていきたいと思うと先ほど申し上げたとおり、さまざまな予算項目に関してコストダウンをしたいという気持ちが出てくるものです。安全は何もなくて当たり前という世界です。トップとしてふだんは目に見えづらい安全というものをどれだけ重視できるかということは、何を大事にするかという強い意思と、それをいかに浸透させることができるかというリーダーシップにかかっています。トップに立つ者として、福知山市の事故の教訓をどのようにとらえておられるか、八王子まつりにおける安全に対するお考えとあわせてお聞かせください。

A:【石森孝志市長】
 お祭りなどのイベントは事故なく開催されることが大切であり、仮設設備を初め、運営全般において何より安全性が最優先されるべきであると思っている。八王子まつりは本市最大のお祭りで、今年は76万人もの人出で賑わい、これまで事故なく開催できているということは、まさに関係者の安全確保の取り組みによるものであると改めて感じている。多くの方が集うお祭りが楽しい思い出となるよう、今回の福知山市の事故、これを教訓にして、引き続き安全対策を徹底していきたいと考えている。<

「北野駅南口通路へのエスカレーター設置について」

Q:京王線北野駅は、駅の下を国道16号バイパスが通過していることから、特異な形状の駅となっています。駅へのアクセスも複雑です。北野駅の人の流れを見ていると、あったら便利だと思うのが南口側の上りのエスカレーターです。この国道16号バイパスを空中横断する通路は八王子市の財産で、電車を利用しない人たちや由井第一小学校や打越中学校へ通学する子どもたちも多く利用します。南口には商店街はありませんので、北野駅付近への商店街に用事がある方々はこの通路を利用します。駅と周辺は国道16号バイパスの影響で非常に発展しにくい形状になってしまっていますので、私はこの横断通路を利用し易くすることでて地域の商店街を含めた発展につながると思っています。そのためにはせめて上りだけでもエスカレーターがあったらよいと思い続けています。私は平成19年に一般質問でここへのエスカレーター設置について検討をお願いしました。その当時の部長から、結構前向きな回答をいただいたという記憶がありますが、それからはや6年余りが経過しようとしていますが、エスカレーター設置についての現在の見解をお答えください。

A :北野駅南口の連絡通路については国道16号バイパスをまたぐ橋であり、バスの乗降客や多くの地域の方が利用する重要な橋の一つとして認識している。そのため橋守計画では早期に補修を行う橋の一つとして挙げられており、今後構造を含めた物理的な調査や補修方法を検討した上で、エスカレーターの設置の可能性についても検討したい。

「再生可能エネルギーの普及促進についての考え方」

Q:八王子市が昨年度実施しました小中学校の屋根貸しによる太陽光発電普及促進について、私はいまだに納得していません。当時も申し上げましたが、行政として実施すべき再生可能エネルギーの普及促進は、何を目的に実施するのかという部分をはき違えてはいけません。小中学校など市の施設に太陽光パネルを設置するのであれば、それは売電目的ではなく、その施設の電気として利用することを前提に考えるべきです。施設の電気使用量を減らすことは、電気料金の削減として市民に還元できることとなりますが、屋根を貸して民間会社に商売をさせることは、高額な単価で買い取られる電力の売電額が結果として市民の電気代に上乗せされて、市民が負担するものになるということを冷静に考えるべきです。
 まず、太陽光発電を例に八王子市のスタンスをお聞きしますが、先ほど申し上げた昨年度の小中学校の屋根貸しは、当初20の小中学校を実施対象に挙げましたが、建物の構造や周辺電気系統との接続の難易度などから結局6ヵ所の設置に終わりました。この一連の屋根貸し事業について、何がこのような結果に終わってしまった原因だとお考えになっているのか、また率直にどのような感想をお持ちなのか、今後も同様の方法を考えているのかについてお答えください。

A:この事業は民間事業者との連携により再生可能エネルギーの普及を図るものとして実施した。地球温暖化対策を進める上では有効な方法であり、またエネルギーの地産地消といった観点や環境教育の面でもすぐれた手法であると考えている。昨年度実施した方法については、設置費用等について事業者側の負担が大きいので、今後の公共施設を利用した太陽光発電の方向性については、再生可能エネルギー導入検討会の意見を踏まえ検討していく。

Q:先日の新聞報道に関連して一つ質問しますが、経済産業省によると固定価格買取制度が始まった2012年度に国が認定した住宅を除く太陽光発電設備は1,868万キロワットだそうですが、実際に稼働したのはこのうちの4%弱の70万キロワットにすぎないということで、2013年度に稼働した分を合わせても申請の8.5%にとどまるとのことです。権利を取得した者が太陽光パネルの価格が下がって利幅がふえるのを待ったり、設備を運営する権利そのものを転売することを狙ったものであり、そもそも初めから純粋に発電を行うのではなく、金もうけが目的だと思われるものが余りにも多いようだという報道でした。
八王子市で屋根貸しを行った分についての実績についてお聞きしますが、太陽光発電の現状と権利の転売などができないようなガードはかけてあるのかについてお答えください。

A:本年2月の契約以降、契約業者が設置に向けて関係機関と協議を進め、6月から順次着工しており、太陽光パネルや環境教育用の表示パネルを設置しているが、既に6校のうちの1校が発電を開始している。また、権利の第三者への譲渡等については、貸付契約書に転貸等の禁止の条項を設け対応している。

Q:地方行政として行うべき再生可能エネルギー導入は、国が行わなくてはならないエネルギー政策とは全く違った見地で実施すべきものだと思います。その根底にあるべきものは、地球温暖化防止という環境対策の一環であるべきで、小さな発電で電力供給をバックアップしようなどという大それたことは考える必要のないことです。小さな発電で得られた電気は総じて電力品質が悪く、電力系統に接続し混入させることは、電力の安定供給のためにはかえって迷惑であることは、以前の一般質問で電力品質という題目でお話ししたとおりです。現在、八王子市再生可能エネルギー導入検討方針を検討し、策定中かと思います。基本的なことをお聞きしますけれども、この八王子市が行う再生可能エネルギーの目的は、地球温暖化防止に力点を置いているということでよいのか確認をさせていただきたいと思いますのでお答えください。
 太陽光パネルの屋根貸しは、市長の公約にある自然エネルギーの導入促進の意向に基づいて実施したとお聞きしています。市長は地方行政が行うべき再生可能エネルギーの普及促進について、その意味合いをどのようにとらえておられるのか、市長の考えをお聞きします。

A【石森孝志市長】
 本市の再生可能エネルギーの普及促進施策については、地球温暖化対策として実施するものと考えており、産業の活性化や環境教育等も視野に入れた施策であるべきと考えている。本市の再生可能エネルギーにおける方向性については、再生可能エネルギー導入検討会の結果を踏まえつつ、温暖化防止に力点を置いた方針としていく考えである。

相沢こうた
八王子市議会議員