八王子市議会議員

相沢こうた

KOHTA AIZAWA

エネルギー関連
VOL.17

【原子力発電3】
~原子力発電について・ウラン235、プルサーマルについて~

◇原子爆弾と原子力発電の違い
原子爆弾と原子力発電はともに核分裂によるエネルギーを利用します。
ウランを用いた原子爆弾は一瞬のうちにほとんどのウランを核分裂させ、爆発的にエネルギーを放出させるものであり、効率よく瞬時に核分裂連鎖反応を引き起こせるようにウラン235の割合が100%に近いものを使用します。
原子力発電では燃料中のウランを少しずつ核分裂させ、少しずつエネルギーを取り出すものであり、一定の規模で核分裂連鎖反応が継続されるように、燃料中のウラン235の割合が3~5%のものを使用します。更に核分裂を制御する制御棒やウラン235の中性子速度を遅くする仕組みなどから、原子力発電所では原子爆弾のような核爆発が発生することはありません。
※福島第一原子力発電所の爆発は原子炉から漏れ出した水素による水素爆発です。

~ウラン235の使用済み燃料について

◇原子力発電所で使うウラン燃料は、1年程度は使用し続けると記載しましたが、使い終えた燃料棒(使用済燃料)の中には、まだ燃料として再利用できるウランや新たに発生したプルトニウムが残ります。このウランとプルトニウムは使用済燃料を化学的に処理することにより取り出すことができます(再処理)。

この取り出したウランとプルトニウムを混ぜ合わせて作ったのがMOX(モックス)燃料です。

「MOX」とは、「ウラン・プルトニウム混合酸化物」のことです。英語ではMixed Oxide と言い、その頭文字をとって「MOX(モックス)」と称します。

ウラン燃料は、ウラン濃縮により、核分裂しやすいウラン235の割合を3~5%に高めたものですが、MOX燃料はこの核分裂しやすいウラン235の代わりにプルトニウムを使います。

~プルサーマル

プルトニウムとウランを混ぜたMOX燃料を、通常の原子力発電所で利用することをプルサーマルといいます。
 私たちが現在利用しているエネルギー資源にはすべて限りがあります。原子力発電所に利用されているウランも、発電に使えるウラン鉱石の発見は限られているため無限ではありません。エネルギー資源のほとんどを輸入に頼っている日本は、その資源利用について真剣に考えていく必要があります。プルサーマルでは再処理で回収されたウランとプルトニウムをリサイクルすることから、エネルギーの有効活用が図られ、この再処理を日本国内で実施することで国産のエネルギー源として使用できます。

相沢こうた
八王子市議会議員