八王子市議会議員

相沢こうた

KOHTA AIZAWA

相沢こうたNEWS
VOL.58「議会報告」

平成29年第4回(12月)定例議会

≪一般質問≫

1.子育てしやすいまち八王子実現のために
2. 八王子駅周辺の安心・安全について
3. 旭町・明神町地域について

1.子育てしやすいまち八王子について

◇今回は、子育てしやすいまち八王子という、市の子育て施策のテーマにもなっている言葉について、私の中でひっかかっている、市民の理解と協力が全面的に得られているのかという視点から、主に保育施設に絞った質問をさせていただこうと思います。
 なぜひっかかっているのかといいますと、学校や保育施設、またその行事、さらには子どもたちの日常、こういったものに対しての施設周辺住民からの苦情が、私が想像しているよりも多いらしいこと、また、最近は子どもが少ないせいでしょうか、子どもの声や行動に対して寛大ではない大人がふえているという報道や、実際に自分でもそのように感じるときもあり、これらを乗り越えていかないと、子育てしやすいまちなど到底つくり得ないと思うからです。

◇学校行事や保育園に対する苦情の実態について、以前の私の同様の質問に対する回答を紹介します。 ・小中学校関係に寄せられている苦情の現状は、運動会、体育大会、水泳指導等におけるマイクや太鼓等の騒音、校庭からの砂ぼこりなど、多数あります。対策は、近隣の住民への理解を得るための周知活動、また苦情に来た方への対応等で多くの時間を費やさなければならないことなどに苦慮しています

・続いて、保育施設に関してです。保育園、幼稚園の所管課には月に10件程度の苦情などが寄せられており、内容は、送迎時の保護者や園児、保育活動中の園児の声に対するもの、園舎から漏れる音楽に対するものなどがあり、子どもの安全・安心を守るという観点を第一に考え、地域とのよい関係を継続することで苦情が減少することを願って対応しています。

Q学校や保育施設等の運営に関する近隣とのトラブルの現状について、最近の事例などがありましたら、お示しください。

A(学校)
児童の登下校時のマナーがよくない、生徒が家の近くで騒いでいる、運動会や体育祭の練習や部活動の音がうるさい、自転車での登下校のマナーが悪いといった苦情等がある。それ以外にも、学校の管理職が対応している案件も複数あると聞いている。
(保育施設)
保育園には、送迎時の園児や保護者の声、それから保育活動中の園児の声や、園舎から漏れる音楽など、音が原因となって外遊びの時間を制限することや、園児の声を小さくすることなどを求める近隣住民と保育園との間で問題になった事例があった。この他に、送迎時の近隣道路への路上駐車によって、一般市民の車両の通行に障害が発生したことにより、市に苦情が寄せられる事例もあった。

 

◇保育施設建設に関して

・保育の希望があっても保育施設に入所できない待機児童問題は、全国的な、特に都市部での課題であることは、全国民が理解していることと思います。本市も施設の拡充を進めていますが、毎年待機児童は発生しており、完全に解消することを目指して鋭意取り組んでいるところであると理解しています。

Q保育施設の待機児童解消についてお聞きしますが、現在の待機児童数と、解消に向けて新たに整備が必要と考えている施設数、施設整備の完了時期などの目標値についてお示しください。

A待機児童数については、保育定員の拡充を積極的に進めてきたことで、平成22年度以降7年連続で減少させることができ、平成29年4月1日時点で、平成14年度以降最少となる107人となったところである。
 整備が必要な施設数については、平成29年度に認可保育所5園の施設整備を行うほか、小規模保育施設2園、事業所内保育施設1園を新設することにより、保育定員を新たに177名分確保し、平成30年4月1日は、量的な見込みでは待機児ゼロを目指している。平成30年4月以降についても、待機児ゼロを維持するため、働き方の多様化や、育児休業の延長に伴う新たな保育ニーズに対応した保育定員の確保に努めていきたいと考えている。

Q待機児童は市内全域で均等に発生しているわけではありません。毎年、保育対象児童数などを含めて、担当所管で分析している統計を基に、市内のどのあたりの充実を図るべきか、目標を立てて対応されていると思いますので、その考え方や目標についてお示しください。

A本庁管内、それから由井管内など、待機児童が多い地域を中心に認可保育所の施設整備や、小規模保育事業のさらなる活用により、保育定員の拡大を図っていきたいと考えている。

Q八王子市では、昨年、平成28年度に、住民からの建設反対を受けて保育園の建設が頓挫した例があり、これも第2回定例会でお聞きした回答がありますので、それを紹介します。
 「これまで2件の取り下げがあった。1件は、既存の保育所が近くの土地に移転し、定員を拡充する計画を進めたが、建設説明会において、子どもの声の対策として、自宅の窓を二重にして欲しいなどの要望があったことにより、結果的には既存園での保育を継続することとした。
 もう1件は、新設の保育所の建設に当たり、近隣の方への事前説明、建設説明会を3ヵ月間に3回開催し、いただいた御意見に対する対応策をお示しするなど丁寧に説明を行ったが、理解が得られず、やむなく計画を断念するになった事例があった」という回答でしたが、同様に平成29年度の事例、状況を含めてお示しください。

A29年度は現時点で本庁管内と由井管内合わせて3件の建設反対の声が生じている。うち本庁管内の1件については、建設場所を移し、現在、建設に向けた準備をしている。その他の2件については、話し合いを継続しているところである。

・先日、議員の机上に、工事名(仮称)愛光大和田保育園(分園)計画新築工事に対する計画中止の嘆願署名が配付されていました。正式に提出され、受け付けているものですので、その内容を簡単に申し上げますが、提出者は大和田町5の3の1、ダイアパレス八王子大和田管理組合で、近隣住民の方の署名も入っているということです。
 この嘆願書にある建設反対理由は、園児や送迎の人、車両などによる騒音。送迎の車両の路上駐車が迷惑。保育園が隣接することで発生する騒音に耐えがたく、賃貸・転売しようとしても、そうなってしまえば売れない。これは資産価値の下落ということになるのでしょうか。それから、自分たちが保育園で迷惑をこうむることは納税者として不公平である。待機児童減少が国や市町村の課題で急務ならば、公の広い土地に施設を建設すべきで、住民に迷惑をかけるべきではない。大体こんなところでした。
 私個人の感想ですが、理解できる項目もありますが、首をかしげたくなる反対理由もあります。この嘆願書に限らず、近年は総論賛成、各論反対とでも言いましょうか、非常に個人の側に偏った意見を言われる人が目立つと感じており、それらは社会そのものが成り立たなくなる類いの考え方であると危機感を持っております。

・愛光大和田保育園以外に、保育施設建設反対の事例が全国的にもあるため、もう少し総合的にお話をしたいと思います。
 保育建設に対する住民の反対運動はどのくらい発生しているのだろうかと、少し調べてみました。インターネットで検索すると、全国的に建設反対は多くありました。特に東京、関東地区が多いようです。保育園建設反対が目立ち始めたのは2014年ごろからで、ここ5年くらいです。2016年6月の朝日新聞の記事によると、2016年4月に開園予定であった認可保育園のうち、13園が地域住民の反対によって中止や延期となっています。同じく2017年3月の朝日新聞では、東京都に限定した数値が掲載されており、同年4月の開園予定が、地域住民の建設反対運動により中止、延期、定員減となったケースは、区部で13件、市部で4件ということで、この中に八王子市の例も入っています。
 全国的な保育園建設に反対する人たちの反対理由は、次のようなものです。
 子どもたちの声がうるさい。楽器や音楽の音がうるさい。送迎の車の騒音、人の立ち話などの声が迷惑といったもので、これは静かだった地域がうるさくなるといったようなもの。それから、送迎の車や自転車が危険、それらの路上駐車が迷惑など、送迎時のマナーや交通事情に関するもの。さらに、隣に保育園ができることで資産価値が下がる、静かだから買った家なのに住環境が劣悪になるなど、資産価値や住環境に関するもの、このあたりの理由が多いようです。

Q全国的に多い、子どもたちの声がうるさい、同じく送迎の車や自転車が迷惑、同じく資産価値が下がるといった反対理由についてのご所見をお答えください。

A子どもの声について、東京都は、乳幼児期の成長過程において遊びは欠かせず、楽しく身体を動かし、声を出せる環境を確保する必要があることから、子どもの声に対して騒音の規制基準値を適用して子どもの遊びを抑制することは望ましくないとして、条例において規制の対象外としており、本市においても同様である認識している。
 また、送迎の車や自動車等については、本市は事業者が建設計画を策定する際に、駐車場を確保することとしている。近隣住民への配慮として、交通整理員などの配置や、保護者への協力を得るよう事業者へ依頼するなど、事業者、保護者と行政側が協力して近隣住民の理解を得ることが必要と考えている。
 資産価値の下落については、客観的な根拠はないと認識している。

Q八王子市で直近2年の間に複数の建設反対があったとの回答をいただきましたが、八王子市の場合はどういった理由であったかについて具体的にお示しください。

A主な理由としては、子どもの声の心配、送迎車両による交通状況に対する不安、家屋等の資産価値の下落への心配などがある。

・では現代社会は子どもたちや保育園という施設について、理解されない風潮に変わってしまっているのかというと、実はそうではないのです。2016年に実施された朝日新聞の、あなたの家の近所に保育園ができることになったら、どう感じますかというアンケートに対し、結果は、歓迎する61%、騒音対策などを適切に対処してくれれば構わない35%、好ましくない4%という結果が出ており、条件さえ整えられれば、賛成側は96%という数値が出されており、反対する人数はわずかであるということになります。また、反対運動が目立ちますが、一般的に反対運動は起こりますが、賛成運動は起こりませんから、反対されていることばかり目立つといえるのかもしれません。

Q八王子市の建設反対の人数についてお尋ねしますが、1件当たりの反対する人数は何人くらいでしたか、お示しください。また、反対する人の年齢層について、わかればお示しください。

A平成29年度の状況では、5人程度から、多い場合には100人程度の反対の声が生じている。
 尚、年齢については把握していない。

・資産価値の下落の心配について、一般的な見地の意見をお聞きしてきましたのでお話をしておきますと、隣に保育園ができると資産価値が下がるということに関して、これは全国的に保育園反対の理由の1つになっているものですが、弁護士の先生の見解では、保育園が隣接することが直接資産価値の下落につながるものではなく、逆に若い子育て世代からは歓迎材料となることが考えられるため、受忍限度を超えた施設でない限り、資産価値は下がらないし、資産価値は建設物そのものというよりは、便利な周辺環境が大きくかかわってくるため、有利になることも考えられるということでした。

・また、全国の反対理由と事例の中で、こういったものがありました。高齢者が多い地域で、ここには保育を必要とする若い世代は少なく、なぜ他の地域の人のために迷惑を受けなくてはならないのかといった趣旨の反対理由があったそうです。しかし、社会の仕組み全体を考えると、その高齢者たちが必要とし、若い世代には関係のない介護施設や病院で働くスタッフは若い世代であり、その人たちの多くには、子どもを預けられる保育園が必要だということになります。

☆こういった社会的なつながりを持っていることを理解しないで、自分たちのことだけを発信してくる人が増加するということは、社会的に病んでいるということになる、そちらのほうが心配だということです。

・反対を受けた地域で施設を建設した場合、そこに通う子どもたちは、日々伸び伸びと生活できるか、ということが非常に大きな課題となります。子どもたちは毎日そこで過ごすのですから、地域の方々に理解していただかないと、子どもたちは散歩にも出られません。子どもたちのみならず、近隣とのトラブルを抱えたままでは、園児や、通わせる親、働く職員にもプレッシャーやストレスになってしまい、健全な運営ができなくなります。ですから、工場やマンションを建設するときのように、多少の地元反対があっても、強行に建設するわけにはいかないところが難しいところだと思います。

Q建設時に万人の賛成は取りつけられないとしても、建設した後の運営で、車や自転車の運転、駐車、大声での立ち話、ごみを出さないなど、通わせる親が近隣に迷惑をかけない、開園後の地域とのコミュニケーションを図り、要望などがあれば協議する姿勢を持ち続けるなどによって、徐々に地域から愛される施設に成長させることは重要なことだと思いますが、ご所見をお示しください。

A認可保育所の運営は、近隣住民の理解と協力があって成り立つものと認識している。園の運営に当たっては、駐車問題等の近隣住民の迷惑となるような行為をしないよう保護者へお願いするとともに、地域の未就園世帯の子育て相談や、近隣住民を園の行事へお誘いするなど交流を図り、地域の子育て拠点としての役割を果たしていくことが必要であると考える。

・すべての方の賛成をいただくことは大変な労力が必要ですが、例えば、予算には限界があるものの、その範囲内で住民理解が得られるよう、多くの設計変更を行い、要望に近づけたもの、じっくりと数年間の時間をかけて説得したものなど、成功事例もあります。
 東京都江東区は、これまで区内に予定した保育園建設がおくれたり、断念に追い込まれたりしたケースはないという記事がありましたので、紹介します。区の担当者は、計画発表の段階でつまずかないようにと、開園の計画が固まると、地域に長く貢献している自治会長や町会長への自宅訪問をします。全員と会えるまで何度も足を運んだこともあるそうです。町会に入っていないマンションでは個別の説明会を実施し、地域の合意形成を進めてきました。住民の中には、定員200人の保育園と聞くと、毎朝自宅の前に200台の車が並ぶのかと心配する人もいます。すべての保護者が車で来るわけではなく、園に連れてくる時間もばらばらだと説明すると、そうなのかとわかってもらえます。丁寧に話して一つ一つ御理解いただくしかないと話します。
 江東区を含め、首都圏を中心に保育施設を運営する都内の保育事業者の開園担当者は、その土地を一番知っている自治体との連携は、地域の合意形成を進める上で不可欠と言います。保育園の施設を開放したり、開園前に見学してもらったりすれば、園への理解が深まるとの見解もありました。

Qこのお話から、江東区は建設計画から実施までの期間に、ある程度の猶予を持って対応しているのだと感じます。子どもたちの幸せのためには、反対する人を反転させる努力が必要です。待機児童対策という一面があり、保育園新設工事にはどうもリードタイムといいますか、地域との対話などの準備期間が短いように思いますが、八王子市の現状と見解をお答えください。

A認可保育所の新設工事については、原則公募を行っており、事業者申し込みに当たり、近隣住民に対して説明を行うこととしている。今後は、予算補助金等の事務手続に要する期間を考慮しながら、事業者と協力し、近隣住民に対して説明や話し合いの時期を十分とれるよう努め、着実に整備に努めていきたい。

・反対されたから断念したということは、反対すれば断念するのだろうという前例となり、反対を安易に受け入れることになり、これはよくないことです。粘り強い対応を行い、御理解を得ていくことは、市全体の子育て政策の前進にもつながることです。私は家に子どもが複数いるせいかもしれませんけれども、子どもの声を騒音だと感じませんが、そもそも子どもの声を騒音と感じるような世の中にしてはいけないのだと思いますし、さまざまな施策展開の中で、逃げずに御理解をいただく活動を重ねていくことで、真に子育てしやすいまち八王子となっていく、していかなくてはならないと思います。このことに対する御見解をいただきたいと思います。

A事業者と協力して地域に子育て施設が必要であることを地域住民に理解してもらえるよう、丁寧な説明に努めたいと考える。

2. 八王子駅周辺の安心・安全について

・2008年7月22日、京王八王子駅の駅ビル9階の書店で、女性2名が死傷する無差別殺人事件が起こりました。33歳の容疑者、男性、自称・会社員が包丁で無差別に人を刺し、駅ビルの書店でアルバイトをしていた22歳の中央大学3年生の女性が死亡。ほかに女性1名が切りつけられてけがをするという痛ましい事件です。この年の6月には秋葉原でも無差別殺人事件が発生しており、東京で2ヵ月の間に残酷な事件が続けて起こったことが、社会を震撼させました。
 当時、私は市議会議員新人でした。京王八王子駅ビル前に置かれた献花台に手を合わせ、今回の事件を決して風化させることなく、社会を見直す糧にすることを約束したことを今でも鮮明に記憶しています。(活動報告Vol・1に掲載)
まちの安心・安全を守る取り組みには、これで完了という終着点はなく、常に変化する社会情勢を敏感に感じ取り、向き合っていかなくてはならない重要な課題です。

・本年4月に八王子警察署が、八王子駅にほど近い元横山町から元本郷町に移転しました。過去に京王八王子駅付近に交番を設置してほしいという要望、意見が他の議員から出されたときの市の見解は「八王子警察署が中心市街地にほど近い場所に位置しており、パトロールの実施強化なども容易に対応できる状況であることから、設置については調査研究」するという見解であったと思います。

Q以前、要望で出されていた京王八王子駅付近への交番の設置については、どのような対応をされたのか、お答えください。

A平成22年、警視総監に、27年には八王子警察署長に交番設置の要望書を提出した。また、平成27年及び29年には、八王子警察署移転に伴う中心市街地の警察施設の充実について、警視総監に要望書を提出した。なお、八王子警察署跡地については、今後、具体的な警察施設の建設を検討すると聞いている。

・現在、中心市街地には、JR八王子駅の南側と北側にそれぞれ1つずつ派出所があります。京王八王子駅側については、大和田橋北詰め交差点に交番があり、ここが京王八王子駅に近いという見解もお聞きした記憶がありますが、この交番の位置は中心市街地ではないと思っています。地図上では微妙な距離ですが、現状では、京王八王子駅付近は手薄な状況下にあると感じています。

Q一般的な派出所の設置の考え方に関してお聞きしますが、派出所の設置条件、出張所の設置条件などは決まりがあるのかについてお答えください。

A国家公安委員会の地域警察運営規則によると、交番または駐在所は昼夜の人口、世帯数、面積、行政区画、及び事件または事故の発生の状況等の治安情勢に応じ、設置されることとなっている。

・最近、夜の中心市街地に出かけたことはありますか。出かけると、少し以前とは違った雰囲気を感じます。夕方から夜にかけて歩いている人に外国人が増えました。市内のビジネスホテルに大型バスが横づけされ、アジア系の団体客が乗降する様子もよく目にします。
 八王子市は都心から近く、都心に比較し、宿泊料は安価で、そこそこ外食できるお店の種類があり、ツアーで、翌日に富士山方面などを組むにも便利である。そういった条件がそろっているため、外国人ツアーの宿泊場所として重宝されていると聞きました。
 こういった大型バスの対応のために、市は旧市民会館跡地の空き地を大型バスの駐車場として提供していますので、まちなかの状況の変化は見なくても予想できていると思います。これは冒頭に申し上げましたが、安心・安全を築くための環境が変化しているということになります。現在のところ、表立ってこういった方々にかかわるトラブルや事件は発生していないようですが、市街地の中に交番がないということについて、必要性を検討する余地があるように思っています。

☆深夜帯に客引きが横行し、23時ごろは、日によっては、通行する人よりも客引きのほうが多くなってしまうドン・キホーテ付近の一角に交番があり、警察官の制服が見えているだけで随分違ってくると思いますが、いかがでしょうか。
 状況変化という観点から見れば、今後、産業交流拠点整備が進展します。他の地域からの来訪者の増加や、イベント開催時の対応、通常時でも交通状況を含めて様相が大きく変わることが容易に想像できます。旭町・明神町の開発が進む現実と、八王子警察署移転の事実を合わせて考えると、以前、交番設置が話題になっていたときの条件と大きく変化していることになります。さらに、お答えいただいた警察施設の設置条件から判断すると、中心市街地を含めた来訪者の変化などに対する治安の向上や、旭町・明神町地区開発による来訪者の増加などが、警察の運営規則において合致させられる可能性があるのではないかと思います。

Q以上のことについて、まとめてお聞きしますが、中心市街地や京王八王子駅付近への交番の設置に関して、現状と将来を十分に踏まえた検討をしていただけるよう、警察に働きかけていただきたいと考えますが、御所見をお答えください。

AJR八王子駅や京王八王子駅は市の玄関口であり、こうした中心市街地での防犯対策は大変重要であるという認識はしている。地元町会や商店街の協力を得ながら、さまざまな対策を講じているところだが、市民生活の安全で安心な暮らしをさらに確保していくためには、引き続き八王子警察署の跡地の活用とともに、交番など警察施設の設置についても警視庁に働きかけを行っていきたいと考える。

※八王子駅周辺の安心・安全については、交番の設置、現在、地元での署名活動も行われています。 産業交流拠点の一角に交番を設置できるのではないかと思いますが、今後も交番設置に向けて要望を続けていきます。

Q次に、中心市街地の客引きについてお伺いします。
 平成26年6月に、いわゆる客引き行為等禁止条例を制定しました。まずは、制定から3年と少々が経過しているこの条例の効力と現状について、どのように認識されているのか、お示しください。

A八王子市生活の安全・安心に関する条例の改正施行により、平成26年6月から、客引き等の行為を禁止して以降、八王子駅周辺の町会や商店街の皆様、警察、市が連携して、健全なまちづくりのため取り組みを行ってきた結果、客引きやスカウトの数は減少傾向にあると、認識している。

Q私個人の感覚では、特に22時以降においては、客引きなどの状況が劇的に変化したと言うには至っていないと感じます。パトロールなどの対応時間が早過ぎるのではないかと以前も言わせていただいたと記憶していますが、深夜帯などでも効力を発揮する方法を模索するべきだと思います。客引きに対しての現在の取り組み状況について、具体的にお示しください。

A現在、警察官OBの嘱託員により、昼間及び夜間帯のパトロールを行うとともに、八王子駅周辺の町会や商店街から推薦された市民指導員の皆様と、八王子警察署、八王子市が合同で客引き等防止パトロールを夜間帯に行っている。合同パトロールについては、平成26年6月以降、29年10月末現在で238回を数えたところである。また、違反店舗に対する指導も随時行っている。

3. 旭町・明神町地域について

・本年第2回定例会の議案、八王子市地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の一部改正において、禁止地区の追加及び既存地区の変更を行い、その禁止地区の1つに、旭町・明神町地区地区計画の追加がありました。旭町・明神町地区は、平成27年改定の八王子市都市計画マスタープランで、中心商業・業務複合地として位置づけており、平成28年策定の中心市街地まちづくり方針では、東京都の産業交流拠点の整備に合わせて土地利用の転換を促進し、魅力的な施設の誘導や、都市基盤の改善を図るとしています。この地区計画により、中心市街地の新たな広域交流の場として、ゆとりのある快適な都市空間の形成を図るとしており、産業交流拠点の整備推進のため、明神町公共地区の建築物等に関する制限事項を定めました。
 この地区計画は、あくまでも産業交流拠点整備と、旭町再開発事業の対象となる区域のみであり、周辺部の規制事項は、整備の進捗に合わせて検討していくものとしており、含まれません。地区計画は、地権者などとの協議により決定するもので、協議が成立した土地限定となるのは仕方のないことのようです。

・さて、第2回定例会が終わってすぐに、旭町12番地先においてマンション建設が動き出しました。ヨドバシカメラ八王子店の近くで、産業交流拠点かられんが通りを徒歩で1分くらいに位置する、しばらく駐車場になっていた場所です。商業地域でありますので、地元の意見でも、マンション建設に当たり、低層階は極力商業施設にしていただけないかとの要望があり、JR八王子駅にも直近の場所のため、私も極力そのような形が理想であると考え、施主と協議しましたが、結局、1階部分の隅っこに小さな商店が1つ入る程度の商業スペースだけという当初からの設計を覆すことはできませんでした。

Qこの旭町12番地先のマンション建設事業について、市は指導要綱に基づき事前協議を完了しているとのことですが、指導要綱の手続、及び事業者への指導内容についてお答えください。

A当該事業については、中心市街地環境整備事業に関する指導要綱、及び集合住宅等建築指導要綱に基づき、事業者との事前協議を行っている。事業内容は、主に低層部に商業施設を導入すること、壁面後退、公共公益施設に関すること、それらについて協力を要請している。また、事業計画について、引き続き近隣住民や町会等への説明、周知対応に努めるよう指導している。

・改めて旭町・明神町地区を、産業交流拠点建設予定地を中心として見てみると、建築しようと思えば、大きな建物が建てられそうな場所が散見されます。JR八王子駅前で京王プラザホテルの北側正面の現在駐車場となっている空き地があり600平米程度の面積があります。京王プラザホテルの南側には、JRの線路敷まで京王プラザホテルの駐車場と、セレオの第1駐車場と、幾つかの小さ目のビルが建っていますが、これといって目立った建物はなく、この一角は区画全体ではおおよそ3,500平米から4,000平米ぐらいありそうです。クリエイトホールの東側の道向かいには、現在駐車場となっている800平米ほどの土地があります。その他に、釣り具上州屋が店舗を閉店した跡地、八王子労政会館付近の1,000平米を超える建物が建設されていない土地などがあります。

Qこれらの敷地に建物の建築計画が出た場合については、法律に基づいた各種指導要綱により協議を進めていくことになると考えますが、指導要綱に強制力がない中で、市としてどのようにまちづくりを誘導していくつもりでおられるのか。個人所有地への建築物については、法律に基づいた各種指導要綱に沿った協議しかできず、その建築物に対しては、市のまちづくりに対する考え方により誘導するしかないという方法論になるのかについてお答えください。

A平成28年3月に策定した八王子市中心市街地まちづくり方針では、旭町・明神町地区周辺について、商業・業務機能等が集積する中心市街地のにぎわいの中心となる地区、及びそのにぎわいを支える人口集積が共存する地区と位置づけている。現在、この方針に基づき、市では事業者に対し、低層部には商業・業務系などの機能を誘導している。その上で現時点においては、引き続き八王子市中心市街地環境整備事業に関する指導要綱に基づき、建物用途に関する基準により、商業機能や業務機能の導入について協議、調整を行う中で、本市のまちづくりへの理解を求め、協力を要請していく考えである。

Q次に、産業交流拠点整備を生かしたまちづくりについて、どのような構想を描いているかについてお聞きします。
 先ほど挙げた産業交流拠点から徒歩数分に位置する土地、そこに何がつくられるのかということは、市のまちづくり構想により誘導していくしか方法がないということであれば、産業交流拠点整備を生かしたまちづくり構想や範囲を明確にして、大いにアピールしておく必要があると考えます。産業交流拠点整備を生かしたまちづくりの構想をどのように描いていらっしゃるのか、その範囲も含めてお示しください。

A平成23年3月、旭町・明神町地区とその周辺地区を含む、12ヘクタールを対象とした旭町・明神町地区周辺まちづくり構想の中で、商業・業務、居住機能等の集積を図るとともに、全体のコンセプトとして、にぎわい、交流、憩いのまちを掲げている。また、平成28年3月に策定した八王子市中心市街地まちづくり方針では、産業交流拠点の整備により新たに生まれる効果を生かし、周辺においても八王子の新しい顔にふさわしい魅力的な施設の誘導や、都市基盤の改善、老朽化した建物の更新等を促進することを目標として掲げている。
 これらの方針に基づき、産業交流拠点を人口集積における東側の核となる施設として、その整備効果と考え方を広く中心市街地全体に波及させ、新たなにぎわいを今後の本市の活性化の起爆剤とし、構想の実現に向け、まちづくりをしっかり進めていきたいと考えている。

※市の回答を整理すると、産業交流拠点整備を生かしたまちづくり方針は確立されており、それらに沿って民間も誘導していきたいと考えるが、個人の建築物に関しては、各種指導要綱に基づいた協議、指導までしか不可能であるため、その範囲内での対応とならざるを得ないということになるかと思います。

近年は23区内の、例えば、八王子とは比較にならないような池袋などの巨大商業地域でも、商業施設だけのビルでは採算が合わず、低層階が商業施設で、それ以上は住宅という建物が多く見られます。また同様に、低層階が商業で、上はオフィスというビルも多くあります。ですから、マンションがだめということではないのですが、マンションだけで他の機能がない建物などは、まちづくり構想と一致しないと思うのです。この地域に中心商業・業務複合地域と銘打った産業交流拠点が整備されるのであれば、その周辺地域もあわせて同じ方向に進んでいく方法を考えないと、産業交流拠点整備の整備効果を真に発揮することができないと考えます。

Q産業交流拠点整備をまちづくりに最大限に生かす方策として、例えば、何か民間の新たな建築物に対して、中心商業・業務複合地周辺建築物として、こういったものを望むといったような網をかける方法はないものだろうかと思うのですが、そういった手法の有無と可能性についてお答えください。

A本市の中心市街地における商業・業務などの機能集積の促進に当たっては、指導要綱による誘導とあわせて、用途地域や地区計画等、都市計画法に基づくさまざまな土地利用制度を複合的に選択、活用していくことが合理的であると考える。
 御提案の立地規制の網をかけることについては、社会経済情勢の動向を踏まえ、土地活用や誘導性などあらゆる角度から分析する必要があるため、慎重に対応すべきものと考える。

◇同地区への地域熱供給の現状の取り組み状況について

・現在、この地域には、旭町の八王子市まちづくり公社が事務所にしている場所に、東京都市サービスという会社が管理運営している地域熱供給のプラントがあり、京王プラザホテルと東急スクエアビルに、温水と冷水による熱交換による冷暖房システムの供給を行っています。旭町・明神町地区開発に当たっては、環境に優しいこの方式を拡張し、産業交流拠点整備や、旭町再開発によるビルなどに供給することで方針が決定しており、平成28年8月策定の八王子市低炭素都市づくり計画に重点促進地域の施策として明記されました。
 こういった方針が示されている以上、実施に向けて進んでいるものと思っていましたが、先日実施された地元説明会で新たな資料として配布された、産業交流拠点周辺の水道、下水、ガスの施設内への引き込みの動線が描かれた図面には、地域熱供給の導管が描かれておらず、地域熱供給の構想に関しての説明もありませんでした。

Q基本的な方針についてお聞きしますが、産業交流拠点への地域熱供給の計画はどのようになっているのか、この施設への供給計画についてお答えください。

A産業交流拠点については、現在、東京都が同施設の実施設計を行っているところであり、その中で具体的な検討を行っている。東京都からは、その施設の一部を、地域冷暖房施設により熱供給を受ける計画であると聞いている。

Q八王子市低炭素都市づくり計画に掲げた考え方に変更はないのかについてお答えください。

A低炭素都市実現のためには、都市構造、緑、エネルギーの各分野で、市民や民間事業者と一体となった取り組みが求められるところであり、その上で、本計画が掲げる低炭素関連施策には引き続き取り組んで行きたいと考える。

 

・地域熱供給の熱移動の媒体は水ですので、プラントの形に関してはある程度の裕度はあります。しかし、現在も京王プラザホテルと東急スクエアビルに熱供給しているシステムを生かしながら、新たな供給先への検討や、供給先がふえることによるプラントの増強などを実施しなくてはなりません。  産業交流拠点整備と旭町再開発事業にタイムラグが発生することや、施主を初め当該地の土地権利者や工事発注者などが複数にわたることなども、プラント位置を検討する上で課題になっていると推測します。これまでもプラントの位置は二転三転しており、供給ラインが図面に反映されない状況を見ると、恐らく具体的な形は結論が出ていないのだと思います。これまでは、この地区計画の完了時期等を含めて、工程が流動的だったと思いますが、ここで産業交流拠点整備の完成期日がおおよそ明らかになってきましたので、地域熱供給に関しても、もう少し具体的な進め方が求められる時期になったと思います。
 プラントの増設、供給管路などを敷設整備する期間が必要であることはもとより、そういった特殊な資機材の手配などのリードタイムを考慮すると、いつまでも先延ばしにしている類いの課題ではありません。さらに、地域全体の低炭素のまちづくり計画として進めるのであれば、他のビルや施設への導入なども視野に入れた取り組みを熱供給事業者に期待するものであり、そういった構想のためにも、プラントの場所という基本的な課題は早急にクリアしなくてはならないと考えます。

Q地域熱供給施設のプラント位置はいつまでに決めるつもりなのか、その考え方を含めてお答えください。

A旭町・明神町地区については、旭町・明神町地区周辺まちづくり構想のもと、計画された区域の中で商業・業務、広場等の多様な機能を配置する必要があります。その上で、事業性をしっかり把握して、権利者の判断を踏まえ、なるべく早い時期に合意形成を図り、決定していくものと考えている。

相沢こうた
八王子市議会議員