八王子市議会議員

相沢こうた

KOHTA AIZAWA

相沢こうたNEWS
VOL.11 「議会報告」

◇平成23年6月議会の報告 ~一般質問~◇

1.企業の電力需要対策への協力体制について

Q:3月11日の東日本大震災以降、福島第一原子力発電所や太平洋側の数カ所の火力発電所などが甚大な被害を受けたことにより、東日本の電力不足が発生しています。東京電力管内の近年夏の想定最大電力需要は6000万キロワットですが、猛暑だった昨年は6000万キロワット近くまでを記録する日が多くありました。それに対して今夏の供給力の見通しは最大で5380万キロワットと想定電力需要に対して10%足りない予想となっています。また東北電力管内では1480万キロワットに対して1370万キロワットとこちらも7.4%足りない予想です。この状況を乗り越えるために本格的な夏を前にして各企業、行政や一般家庭への節電への協力が叫ばれていますが、節電対策の一つとして各企業を中心とした需給調整が積極的に検討され、具体的な対策の実施を控えています。自動車業界は7月から9月末までの3ヶ月間は通常勤務日と休日を見直し、通常土日休業であったものを木金休業、土日出勤のカレンダーに変更します。これにより月曜日から金曜日の平日に多い事業所の電力消費を土日にシフトすることになります。また、ある電機業界の企業では秋以降の祝祭日を夏に方寄せして連続20日近い夏休みを取得することとして夏期の操業そのものの日数を減少させる対策を取ります。また、工場の操業時間を昼間から夜間に変更するところ、親会社の対策に合わせて休日をシフトするところ、部門によって休日や時間を変更するところなど、その業種形態に合わせた様々な電力消費調整策が実施される予定となっています。また、サマータイム制の導入をする企業や行政も多くあるようです。朝の涼しい時間帯に仕事を開始することで少しでも冷房や照明需要を抑え分散させる効果を狙って、そもそもは地球温暖化防止の観点から検討をされたもので、欧米では数多くの国で導入されています。日本では過去に働き方の検証の中で試験実施をしましたが反対意見も多くなかなか実用化されませんでしたが、今夏の対策は待ったなしのため、とりあえず今夏限定で導入に踏み切る企業や行政が多くあるようです。 企業が様々に施策を進めるなかで、子育ての面で早急に対策が必要となることがあります。保育園、学童保育といった子どもをあずかる施設の運営方法です。現在八王子市の保育園は、基本的に日曜祝日は休みで、市内2カ所で臨時保育を実施しているのみです。夏の節電対策に対応する策としてこの2保育園以外の対応など、現在市で考えている対策についてお答えください。
また、サマータイム制、同様に学童保育についても合わせてお答えください。

A:現在、保育園を利用している方々にアンケート調査を実施しており、どの程度の方が勤務体制見直しになるのかを調査している。調査結果に基づき日祝日対応の園数などを決定して対応したいと考えている。サマータイム制や学童保育についても同様で柔軟に対応したい。

Q:勤務体制が未だ決まっていないが検討中の企業もあるため、今回のアンケート結果にとらわれることなく柔軟な対応をお願いします。また、10月以降も電力不足が解消するとは限らないが、その対応についてはどのように対応されるか。

A:9月になった段階で再度保護者へのアンケートを実施して状況を把握して対応していきたい。

☆その後6月22日に保育園、学童保育に対する市の見解が示されました。
多摩地区すべてで実施かと思いましたが、7月3日から対応をされるのは八王子、町田、小平あたりだけのようです。他市でも速やかに実施されることを願います。

《①保育園について》

・実施対象保育園・・・4園
市立千人保育園、京王キッズプラッツ南大沢、市立富士見保育園、市立みなみ野保育園

・実施時間
7月から9月までの日祝日、7時30分~18時30分

・申込み
預けたい対象日の2日以上前日に各園へ直接申込む(会社の勤務証明が必要)

・費用
電力需給調整による勤務日変更の会社証明があれば費用はかかりません。
尚、弁当持参。その他直接園に確認。

・確認事項
対象者が偏ってしまっても園は全て受け入れるとのことです。
また、千人保育園と京王キッズプラッツ南大沢は従来通り、日祝日の一時利用も受付けます
(今までどおり有料です)
詳細確認先・子育て支援課 042-620-7248

《②学童保育》

・学童保育所は開園せず、浅川児童館、北野児童館、由木児童館の三カ所で対応します。
・期間、申込みについては保育園と同様になります。
詳細確認先・児童青少年課 042-620-7246

2.防犯灯、街路灯の管理・運営方法について

Q:八王子市では防犯灯は各町会、街路灯は商店街管理の物、市の管理の物、都道国道に関してはそれぞれ東京都や国が管理の物があり、公園灯は市となっています。今回の質問は特に防犯灯、それに付随して市が管理している街路灯と公園灯についてです。
防犯灯の状況ですが、防犯灯は八王子市内に約28000灯あり、その内訳は10000灯が水銀灯、5000灯が32Wの高照度タイプ、残りの13000灯が20Wの従来タイプとなっており、これについては500灯程度がLEDタイプに変更されてきています。防犯灯の管理は各町会が実施しており、八王子市においてはこの体制は昭和30年代から一貫しており50年以上町会管理で実施してきた歴史があります。管理方法は、電気使用量は100%が市の負担、修繕費として一灯あたり年間一律700円の補助を市が支給、設備取替えや新設といった設備関係は町会の判断で実施しており、この費用に関しては半額を市が負担して残りを町会が負担となっています。防犯灯の設備管理は全て町会が実施となっています。
町会で管理している優位性について市の考え方をお聞きしたい。

A:防犯灯を地域で管理することで、町会での地域防犯意識の醸成や、地域を守る、明るくするという意識を持ってもらうことなど町会の意識付け向上など、十分に価値があると考えている。

Q:私は防犯灯を町会が管理していることについていくつかの問題意識を持っています。
1つ目は町会の範囲と市民の生活範囲が一致しないことです。例えば最寄駅から自宅まで帰宅する際にいくつかの町会を通って帰る場合、暗い場所があったり球切れがあったりしても町会が違うときは自分たちでは改善が出来ないことになります。該当する町会にお話しをしても、他の町会の費用になりますからそれ以上の改善は自分の所属している以外の町会任せになります。現実に防犯灯の電気料金、修繕費用、設置費用の半額と市で負担している額が大半ですから、市民に公平に安心安全施策を展開するのであれば市で一元管理することの方が防犯灯の適正運用が出来ると考えます。
2つ目に費用面ですが、管理方法から補修方法、新設工事まで町会任せであることに不透明感を感じます。お聞きするところによると例えば新設工事費については市の負担額は半分ですが、申請工事費に規準はなく、町会の積算した金額で受付けをして半額補助をしているとのことで、積算方法や工事方法に統一性を持たせたりすることはしていません。今の方法では、ほぼ同様の仕事をするのに町会によって価格差があることになりますが、果たしてそれが適正な税金の使われ方かと疑問があります。 また、町会に対して一律1灯当たり700円で支給している修繕費については、電灯の種類や年式などに係わらず一律です。この単価に妥当性があるのかも疑問です。修繕費一律一灯700円を毎年支給している根拠についてお聞きします。合わせて先ほど申し上げました「防犯灯の新設工事費の妥当性と市が補助するにあたって何を規準に判断をしているのか」について現状の仕事の進め方からお答えください。

A:修繕費用については全体の費用バランスから決定している。新設工事費用など様々に提出される見積もりから突出している金額については戸別に指導している。

Q:私が、一元管理がふさわしい、と考える理由は他にもあります。
  一回目の質問でお聞きしましたが、技術革新対応です。市ではそれぞれの担当部署で新製品や新技術について判断しているということでしたが、技術革新のスピードが早く次々に新たな製品が出てくる現代においては、価格や機能性だけではなく、互換性や安全性など様々な要素を一律の判断基準のもとに製品を吟味する必要があり、これを実施するにはある程度の専門性が必要になり、判断基準の目安など専門知識が必要になります。これらを各課担当で実施をしている現状は技術的にも仕事の効率的にも的確だとはいえません。防犯灯の新設工事は基本的に町会判断のとおり承認をしている現状でありますが、町会に技術的なことは無理だと思います。一昔前の「道路照明といえばこれ」という選択肢のない時代とは様変わりをしているのです。もうひとつ節電対応に関しても同様です。節電はCO2削減という環境対策の観点からも半永久的な課題です。一元管理の元で実施をすることが出来れば、今回の節電対策のように行政で何パーセントという目標達成のために防犯灯、街路灯、公園灯などを地域ごとに総合的な判断の元で節電を実施することが可能です。また設置器具に関しても一律の基準の元に計画的にCO2発生を抑える目的に向けての取組みに生かすことが容易に出来ます。
他に防犯灯の管理について、町会によってはきちんと台帳まで作成して管理をしているところがある半面、おおらかな管理をしているところもあり、これは管理規準などが定められていないでしょうし、そもそも町会にそこまでの細かい仕事を指示することに無理があると思いますので温度差があるのは仕方のないことです。しかし、管理がきちんとされていないとこれが電気料金に影響してきます。防犯灯には電気メーターは無く定額・一律一基いくらの契約ですから、撤去されたり朽ち果てたりした物が申請をしたままになっていれば払い続けていることになりますので、厳正管理をすることは細かいことですが税金の無駄遣いを無くすことにつながります。
防犯灯の町会管理についての歴史や市が考えている有利点も理解しますが、私は八王子市の照明に関しての管理は市がひとつの部署で直接行うことが相応しいと考えます。市のお考えをお聞かせください。

(田中副市長)
A:町会の防犯意識の向上に役立っている現在の管理方法は、単純に金銭面で判断しきれない効力があると考えている。今後も防犯灯に関しては基本的に従来の方法で実施していきたい。

☆【私の見解】

今回の防犯灯に関する切り口は、専門的な部分から入ったため、理解していただけなかったかと少々反省していますが、私は節電、CO2削減、迅速・公平な対応、新技術導入対応など、様々な視点から防犯灯は市での一括管理が相応しいと思います。今回の一般質問を終えた後、数人の町会長さんからご意見をいただきました。「一生懸命やっている町会としてはこういう質問は気分が悪い」「全ての町会の状況を把握した上で意見を述べるべきだ」といったお叱りを受けた半面、「新設工事費の町会負担を無くして全て市で実施してもらえたらありがたい」「市の担当課が迅速な対応をしてくれたら、その方がよいのかも」「設備管理に苦慮している」など改善にNOではないご意見もありました。また、その後市民の方から破損していたり点灯状況が悪いのに対応が遅いというご意見もいただきましたし、そのご連絡を受けて市の担当課に対応をしてもらったところ、一ヶ月近く点灯状況が改善されない事象もありました。こういったことを再度整理して、次回以降の機会に再度取り上げて議論してみたいと思っています。

相沢こうた
八王子市議会議員