鹿屋市議会議員

東ひでや

HIDEYA HIGASHI

東ひでやの活動報告
No.40(令和3年8月)

情報行政課の一部を再編し、デジタル推進課が設置されました!

本年4月、旧情報行政課の一部を再編し、新たにデジタル推進課が設置されました。本市におけるAIやRPAなどの導入に係る技術面でのフォローや、職員のICTスキルの養成、更にこれらの受け皿となる業務改善の推進など、全庁的なスマート化の進行管理を行うことを目的に、体制整備を図るとともに、本年7月、民間企業から知識や経験豊富なデジタル専門人材を参事(課長クラス)職員として2年間の期限付きで登用するとしています。これによって、デジタル化推進に向けて人材・組織体制ともに整ってきます。私は、本市のデジタル化推進の中核となる民間のIT技術者を核とする「デジタル推進室」の設置を昨年12月定例会一般質問で提案しましたが、市長は、「現時点では新たな組織の設置は考えていないが,令和3年度のデジタル化に関する事業メニューが国から示されておらず、今後の国の動向によっては検討することになり得る」と答弁されました。その後、3月定例会冒頭の令和3年度施政方針の中で市長は、「4月からは情報システムの運用と業務改革を一体的に推進するため、情報行政課の一部を再編し、体制整備を図るとともに、民間企業から知識や経験の豊富なデジタル専門人材を登用できるよう調整している」と述べられ、一部再編については、これまで旧情報行政課が所管していた各種統計調査業務は政策推進課へ移管するとされましたが、私は、デジタル推進課にはデジタル推進に特化した業務に専念させる必要があることから、これまで旧情報行政課が所管していた個人情報保護・情報開示業務についても総務課への移管を求めましたが、両業務についてもデジタル化との関連性が高いとして、これまでどおりとされました。私は、こうした経緯からの民間IT技術者の登用を伴ったデジタル推進課の設置は私がこれまでデジタル化推進に係る体制整備と人材登用について一般質問で提案してきたことを実現するものとして歓迎するとともに、意を強くしているところです。デジタル技術を活用した市民サービス・利便性の向上と業務効率化に向けて行政の創造的な取組が図られることを期待したいと思っています。

小中学生の教科書はデジタル化にそぐわないのでは!

2018年5月学校教育法が改正され、翌年4月からデジタル教科書が紙の教科書と併用することが可能となりました。文科省は、当初、子供たちの健康面に配慮し、デジタル教科書の使用を授業時間数の2分の1未満とする基準を設けたものの、この基準の撤廃を決め、早ければ来年度からデジタル教科書を無制限に使えることが可能になります。こうした中、教科書のデジタル化について不安を感じている保護者や教員が多く、小中学校の校長会が紙の教科書との併用を求めたり、基準の撤廃に懸念を表明したりしており、教員が不慣れなうえに、保護者もネット依存などの問題を心配して、現場が不安を抱えている状況にあります。一方で、国は,小中学生に1人1台タブレット端末を配備するなどのGIGAスクール構想を推進するため、コロナ渦もあって急ぎ、本年度中に配備を完了する予定です。教科書が紙でなくなり、インターネットにつながれば、教科書は膨大な情報の一部になってしまい、本を読み、文章を書き、物事について考える力を養う教育の基本がおろそかになるのではと危惧されます。教科書は児童生徒が最低限学ぶべき基礎・基本に基づく厳選された基礎知識を内容とするものであり、情報を収集するための道具ではありません。教科書の内容を絶対身につけるという意識が薄れてしまい、学ぶべき法則や原則が軽視されることにつながりかねません。とは言え、情報通信技術を学習に活用すること自体は有用性が高く、必要なことであるとも考えられます。デジタルの利点は、情報の更新が早く、大量の情報を補充できます。例えば、教科書で1~2行でしか書かれていない事柄でも、タブレット端末で検索すれば、知識を膨らませることができます。情報収集のツールとして活用すべきです。紙の教科書を全面廃止するデメリットは大きすぎるし、教育に関して極端なことは避けるべきです。紙とデジタルの特性を生かすことが大切であり、紙を基本にデジタルは学習効果を高める補完的役割として、相乗効果を高めるべきです。また、現段階では、機種更新やデジタル教科書導入に関する国の財政支援が明確に示されていないため、紙の教科書は、現在国費で無償配布されていますが、法律上、デジタル教科書は教科書に当たりませんので、デジタル教科書移行費用は全額市町村が負担することになります。タブレット端末に要する補修メンテナンス、機種更新に要する経費、時期などと合わせて、デジタル教科書に要する経費など末端自治体が負担する必要があります。これらの経費を鹿屋市当局は、機種更新に6億円、デジタル教科書に要する経費に1億1千万円、総額7億程度に見積もっています。このようにでデジタル教科書への全面移行には課題が多く、拙速な移行は避けるべきであるとの考えから、3月定例会代表質問で、デジタル教科書による学習指導について6項目に亘って教育長の見解を質しました。

2つ意見書を提案可決、関係機関送付となりました!

私は、6月定例会で以下の2つの意見書案を松本辰二議員、西薗美恵子議員、新保秀美議員の賛同を得て提案し、意見書案第2号は賛成多数、意見書案第3号は全会一致で可決し、関係機関送付となりました。

意見書案第2号

オンライン本会議の実現に必要となる地方自治法の改正を求める意見書(案)
新型コロナウイルス感染症が長期化している現在の状況や、大型台風による集中豪雨、地震等の 不測の緊急事態を踏まえると、相当数の議員が隔離された状況において、急を要する議案の審議や議決が求められる事態が生じた場合、定足数を満たす人数の議員が議場に参集できない状況下においても、審議、表決等を可能とする議会運営方法を確立しておかなければ、二元代表制の一翼を担う議会の権能を発揮できず、議会そのものが形骸化し、市民の付託に応えることができないことが 懸念される。このことは、緊急事態時の事業継続計画(BCP)の観点からも当然に要請されるものである。我が国では、地方自治法第113条及び第116条第1項における出席の概念が現に議場にいることを前提としており、オンラインによる本会議運営は現行法上できないものと解される。
よって、国においては、緊急事態時の本会議においてオンラインを活用して開催できるよう、地方自治法における定足数の規定や表決のあり方等の本会議運営方法等について必要な法改正を強く求めるものである。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和3年6月30日
鹿児島県鹿屋市議会
衆議院議長殿 参議院議長殿 内閣総理大臣殿 総務大臣殿 内閣官房長官殿 デジタル改革担当大臣殿

意見書案第3号

筋痛性脳脊髄炎(ME)/慢性疲労症候群(CFS)患者の支援を求める意見書
筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(以下ME/CFS)は、健康に生活していた人が、ある日突然、原因不明の激しい倦怠感に襲われ、以降、強度の疲労感とともに、微熱や頭痛、筋肉痛、脱力感や、思考力の障害、抑うつ等の精神神経症状などが長期にわたって続くため、健全な社会生活が送れなくなる疾患であり、医療機関受診時においても自覚症状のみで医師による多角的所見が見られず、詐病との誤解や偏見に悩ませられる未解明の疾病である。1988年に米国疾病対策センターによりその報告がなされて以降、多くの国々で症例の存在が報告されている。
日本においても、1999年の旧厚生省研究班による疫学調査に続き、2012年、厚生労働省CFS研究班が同一地域において再度疫学調査を実施したところ、CFS患者は0.1%という結果であった。このことにより、日本における患者数は10万人から30万人(人口の0.1から0.3%)と推定されており、指定難病の指定に向けた取組も始まっている。こうした中、日本医療研究開発機構(AMED))研究班により、2016年に臨床診断基準(案)が示されるなど、病因・病態の解明や治療法の開発が進められているが、今なお病因が特定されず、治療法も確立されていないため、患者は十分な治療が受けられない状況にあり、社会からの偏見や理解不足に苦しんでいある。介護や就労支援等が必要であるにもかかわらず、障害者手帳取得のための指定医、認定機関に当該疾病への理解が不十分であることで障害認定を受けられないことも多く、福祉の谷間に於かれ、必要な福祉サービスや就労支援を受けられないのが現状である。また、若年者では学校生活を送ることが困難となり、教育を受けることが制限されてしまう深刻な状況も懸念される。
よって、国におかれては、ME/CFS患者の支援に向け、次に事項に取り組まれるよう強う要望する。
1.国の厚生労働省CFS研究班において、病因・病態を研究し、治療法を確立すること
2.指定難病の認定に向けた取組を加速させること
3.ME/CFSの実態を医療・福祉・教育関係者や国民に周知するとともに、患者が全国どこでも診療及び治療を受けられる環境を整えること
4.日常生活や社会生活上制限があり、支援の必要性が認められる重症患者の実態に即した制度を確立すること
5.ME/CFS患者の社会復帰に向けた就労支援事業を整備すること
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和3年6月30日
鹿児島県鹿屋市議会
衆議院議長殿 参議院議長殿 内閣総理大臣殿 文部科学大臣殿 厚生労働大臣殿

鹿屋市議会では、令和3年度のタブレット端末の導入に向けて、議会のICT化を推進することが第3次鹿屋市議会改革特別委員会で了承されています。今後。この議会ICT化によってペーパーレス化に伴う経費節減に留まらず、様々な利活用が発展的に広がっていくことが期待されます。リモート議会もその1つです。近年多発する大型台風による集中豪雨や地震などの自然災害、一向に収束の兆しが見えず長期化する新型コロナ感染症等の状況下、急を要する議案の審議や議決が求められる事態が生じた場合にあっても定足数を満たす議員が議場に参集できない場合が想定されます。こうした緊急事態時にICT機器を活用したリモート議会の開会が有用となります。総務省自治行政局は、緊急事態時の委員会の開催については、映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることができる方法を活用することで可能との見解を示しています。しましながら、本会議の開催については、自治法第113条及び第116条第1項における本会議への「出席」については、現に議場にいることとされており、現行法での本会議開催はできないものと解されます。鹿屋市議会でも緊急事態時にも対応可能なICT化というハード面での整備が整いつつありますが、ソフト面、つまり、緊急事態時にこれらのICT機器を活用した本会議の開催を可能とする法整備が整っていません。議会の意思決定には本会議の開催が不可欠であり、意見書案第2号は、緊急時の本会議に於いてはオンラインを活用して開催できるよう地方自治法の改正を求めるものです。意見書案第3号は、難病である筋痛性脳脊髄炎(ME)/慢性疲労症候群(CFS)について、病因・病態の解明や治療法の開発が進められ、臨床診断基準案も示されていますが、未だ難病の指定に至っていないことで医療費は自己負担となり、十分な治療や必要な福祉サービス・就労支援が受けられないなど、患者本人に留まらず、そのご家族も塗炭の苦しみに苛まれている現状にあることから、ME/CFS患者の支援に向け、5つの事項に取り組まれるよう強く国に要望するものです。

3月定例会政伸クラブ代表質問

(質問者:西薗美恵子、会派構成員:東秀哉・松本辰二・新保秀美)

1.市長の市政方針及び予算編成について
(1)情報行政課の一部を再編し、デジタル専門人材を登用するとしているが、具体的な構想を示されたい。
(2)「行かない」市役所、「書かない・待たない」窓口の実現と、基盤となるマイナンバーカードの市民への普及を促進する具体策についてどう考えるか。
(3)今回のウィズコロナ事業としての事業者支援、市民生活支援、感染防止対策の各事業を評価し、歓迎する。特に、緊急経営支援については、今後予算規模を拡大する必要があると思うが、どうか。

2.女性視点からの防災行政について
(1)本市の防災会議委員における女性構成員の現状と今後の課題について示されたい。
(2)避難所での妊産婦や乳幼児への対応及び配慮はどのようなものがあるのか示されたい。
(3)本市の防災備品について、市民のニーズの把握と対応はどのようにされているか示されたい。
(4)内閣府から出ている「災害対応力を強化する女性の視点」というガイドラインを活用した本市の取組と課題について示されたい。
(5)国の「防災基本計画」の修正を受け、男女共同参画推進室の役割と連携についてどう考えるか示されたい。

3.かのや移住サポートセンターについて
(1)開設後の取組状況、成果及び課題について示されたい。
(2)Facebook、Instagram、Twitter、Youtubeを開設しているが、「いいね」の数やフォロワー数などの感触について示されたい。
(3)ワーケーションの取組を検討すべきと提案するが、どのように考えるか。

4.デジタル教科書による学習指導について
(1)紙の教科書からデジタル教科書による学習指導に移行した場合の児童生徒への教育的メリット・デメリット及び健康に与える影響についてどのように考え、どう対応するのか。
(2)本を読み、文章を書き、物事について考える力を養う教育の基本がおろそかになるおそれはないか。また、その対策をどう考えるか。
(3)教科書は児童生徒が最低限学ぶべき基礎・基本に基づく厳選された基本知識を内容とするものであり、デジタル化にそぐわないとする意見もあるが、どう考えるか。
(4)紙とデジタルの特性をそれぞれ生かすことが大切である。紙を基本に、デジタルは学習効果を高める補完的な役割として、相乗効果を計るべきと考えるが、どうか。
(5)教員の指導力育成と学習スタイルの確立について、どう検討されているか。
(6)タブレット端末に要する保守メンテナンス、機種更新に係る時期・経費等はどう試算し、どのように対応するのか。

5.学校再編・規模適正化について
(1)「鹿屋市学校再編実施計画」策定から10年経過しようとする中、過小規模校の児童生徒数の減少が更に加速していると思われる。過小規模校の保護者や町内会等との意見交換会に於ける現在の状況や地域の実情を示されたい。
(2)過小規模校、小規模校の卒業生を対象とした意向調査は実施されているのか。また、その結果はどうか。
(3)学校再編・規模適正化の目的は、児童生徒の教育環境の整備にあり、過小規模校・小規模校での児童  生徒の教育環境における不利益は早急に解消されるべきである。これまでの議論を踏まえ、更に一歩  踏み込んだ展開を図るべきと考えるが、どうか。

12月定例会個人質問

(質問者:東 秀哉)

1.ヤングケアラーの救済について
(1)中高生を対象としたに関する全国実態調査が厚生労働省と文部科学省により行われ、生で約17人に1人、高校生では24人に1人という実態が明らかになった。本市でも実態調査を急ぐべきと思うが、どうか。
(2)実態把握とその対応にあたっては教育と福祉の連携が不可欠である。そのあり方についてどう考え、どう連携されるのか。
(3)ヤングケアラーの救済に向けて行政の関わり方についてどのように考えるか。

2.指定難病並びに特定疾患の患者及びその家族の支援について
(1)本市に於ける指定難病患者数と指定難病の種類を示されたい。また、本地域での難病傾向があれば、示されたい。
(2)指定難病患者及びその家族の生活・福祉・就労の相談について関係機関とどう連携し、対応しているか。
(3)指定難病に至らない特定疾患の患者及びその家族の生活・福祉・就労相談については、どうか。
(4)指定難病や特定疾患、これに起因する生活困窮や福祉の支援制度・体制、就労支援制度・体制はどのようになっているか。
(5)特定疾患患者及びその家族に対する本市独自の支援策は考えられないか。

3.デジタル推進課について
(1)デジタル化の推進はもとより、業務改善、進行管理を一体的に管理する体制を構築するために旧情報行政課の一部を再編し、新たにデジタル推進課が設置された。再編の詳細について示されたい。
(2)本市のデジタル化を推進するために令和3年度の早い時期でのデジタル専門人材の登用に向け、民間企業と調整中とのことであるが、その見通しはどうか。また、どのようなことをこの人材に期待しているか。
(3)デジタル化を推進するうえで、課内の再編についても新たな人材に意見を求めてはどうか。

4.「拾い箱」設置について
(1)4年前に与論町で始まった「拾い箱」が全国的広がりを見せ、成果を挙げている。本市でも設置を検討すべきと思うが、どうか。
(2)特定の「誰か」ではなく「みんな」で、「1人の100歩より100人の1歩」、人が来れば来るほどきれいになる海辺等、環境保全意識を醸成するためにも有効であり、運動を強く広く展開すべきと考えるが、どうか。

*議会の会議録は議会事務局又は市立図書館のほか、鹿屋市のホームページでもご覧になれます。また、 議会本会議の生中継及び録画中継もご覧になれます。
*この議会報告について皆さんのご意見・ご批判をお聞かせ下さい。

東ひでや
鹿屋市議会議員