鹿屋市議会議員

東ひでや

HIDEYA HIGASHI

東ひでやの活動報告
No.16(平成21年8月)

21年度一般会計予算1号・2号増額補正で約11億の緊急経済対策予算案可決

6月定例会において、県の雇用創出基金事業を中心とする1号補正と国の経済危機対策臨時交付金に係る事業等の2号補正の合計で10億99百万円の緊急経済対策予算案が、可決されました。

今回の増額補正のほとんどの財源は国・県の補助金で、鹿屋市の一般財源での負担は82百万円程度に留まっています。

また、本市の経済危機対策臨時交付金等の事業については、9月の補正予算での計上も予定しています。

米国のサブプライムローン問題に端を発したリーマンブラザーズ破綻からの世界的な金融危機を背景にした100年に1度といわれるほどの世界同時不況を克服するための経済対策として国が全国の自治体を通じて行うものです。これによって、経済的苦境を一時的には緩和し得ても、地方が抱える経済問題に根本的な解決策を見出せたわけではなく、三位一体改革推進方針のもと、地方の立場には依然として厳しいものが残されております。更なる慎重な財政運営努力が求められます。

議員定数4人削減30人とする定数条例案可決

               

鹿屋市では合併時の在任特例によって旧1市3町の議員76名がそのまま4ヶ月間合併後の議員を務め、合併後の最初の市議選(平成18年4月実施)で法定上限定数34名の議員(欠員2名)が当選し現在に至っています。地方自治体の議員定数は自治法により上限定数が定められておりますが、自治体は議員定数条例を制定することで法定上限定数を下回って任意に議員定数を定めることができます。

議会改革特別委員会では、これまで議会に関する様々な課題について協議し、鹿屋市議会議員政治倫理条例の制定を始めとして成果に繋がる結論を幾つか出してきました。

議員定数についても串良・吾平・輝北それぞれの地域協議会委員や町内会連絡協議会等21の各種団体との意見交換会を通じての様々な意見を参考にしながら7回に亘って協議してまいりました。

議会改革特別委員会で現状維持・削減それぞれに市民の意見を参考に活発な議論がなされましたが、結局、削減する意見が大勢を占め、3月定例会本会議での採決の結果、鹿屋市議会議員の定数を30とする鹿屋市議会議員定数条例案が可決され、本年4月から施行、次の一般選挙から適用されることになりました。

議員定数は、議会が行政執行機関の単なる承認機関であるならば、3人で足りることになりますが、行政の監視・提言機関という役割を考えると多くに超したことはありません。

しかしながら、適切な議員定数についての確かな根拠は法定上限定数以外どこに求めようもなく、議員報酬等の議会経費の軽減を図るためには時節柄削減すべきです。

地方分権が進展していくにつれて地方議会の役割と責任が重要になってくる中で、市民の皆さんの議会・議員への監視が益々大切になってきています。

市民の意思によって選ばれた議員ですから「少数精鋭」の筈ですので、少数精鋭の議員が市民から期待される役割・責任を充分に果たすためには市民の皆さんの個々の議員への監視が不可欠です。

議員は、特に支持者からの直接の叱正・叱責で鍛えられ、育ちます。市民の皆さんの議員に対する手厳しい率直な意見が必要です。

市長・市議会議員の同時選挙は困難

       

平成18年1月1日の合併に伴って、新市の市長選挙は2月5日、議員選挙は4月23日に行われました。それぞれ来年2月と4月の任期満了に伴って市長・議員選挙が予定されます。

本年3月定例会予算委員会で、私と同会派創政クラブの山川議員から、任期満了日が近接していることから、来年予定される市長・市議会議員の同時選挙はできないかとの提言がありました。

投票率の向上と有権者の利便性を図るとともに選挙管理費用の節減に資する観点から、妥当な提言です。公職選挙法上、同一の地方公共団体の議員と首長の任期満了日が90日以内にある場合は、特例で同時選挙が認められています。

しかしながら、同時選挙が可能な期間は、首長の任期満了後50日以内・議員の任期満了前50日以内の規定があり、3月11日から3月26日迄となります。

この期間、市長不在に伴って副市長・教育長も新たな議会で承認されるまで不在となり、不在の中での3月定例会の開会は意味を成さないことから、選挙管理委員会で検討の結果、同時選挙は困難となりました。

市長選挙は来年1月下旬、議員選挙は来年4月下旬の見込みで、正式日程については9月迄に選挙管理委員会で決定されます。

本年10月鹿児島中央駅~鹿屋間直行バス運行開始、「大隅ならでは」の魅力発掘が勝負!

 

平成23年春の九州新幹線の全線開業に伴う観光客やビジネス客等の誘客効果を大隅地域まで導入するために、鹿児島中央駅~鹿屋間で乗換えを要しない利便性の高い2次交通アクセスとして直行バスが本年10月から実証運行されます。

この直行バスは、新幹線の全線開業効果を県内各地に波及させるために、平成20年3月に策定された鹿児島県新幹線効果活用プランに位置付けられ、国の地域公共交通活性化・再生総合事業を活用し、国の補助により平成23年度まで実証運行されます。

これを本市と大隅半島各地を結ぶ定期路線バスとの接続を図ることで、その相乗効果を大隅全域に波及させようとするものです。

直行バス運行については、新幹線全線開業効果を大隅地域全体に波及させるという目論見とは逆に、大隅地域から鹿児島市や福岡市へ交流人口が流出するというストロー現象も懸念されます。これを防ぐためには、鹿屋大隅地域に来なければ味わえない鹿児島市や福岡市にはない「大隅ならでは」の魅力を官民一体となって発掘品揃えし、情報発信する必要があります。

今後、実証運行する中で実施される利用者のアンケート調査を基に既存定期路線バスとの整合性を図りながら利便性を高める等、この直行バス運行の事業効果を最大限高めるための努力が望まれます。

市街地巡回バスはデマンドバスや乗合タクシーの導入を視野に見直しを検討

自家用車の普及と過疎化の進展によって定期路線バスの利用者が年々減り続けることで採算性の悪化を招き、これが路線の廃止や便数の削減となって、利便性の悪化につながり、利用率の低下に一層の拍車をかけるという悪循環に陥っています。

大隅地域の路線バスも平成18年11月に60系統にも及ぶ路線バスが赤字を理由に廃止されました。

鹿屋市では、年間約4000万円弱の財政負担を伴いながらも、市民の利便性の確保や高齢者等のいわゆる「交通弱者」の移動手段を確保するため、廃止路線代替バスやコミュニティバス・市街地巡回バス等の運行を図ってきました。

しかしながら、運行時間帯や便数等の利便性の点で、乗車率の改善に至っていないのが現状です。

そこで、私は、鹿屋市議会総務委員会の県外行政視察で得た結果を基に、6月定例会個人一般質問で、長野県安曇野市の新公共交通システムを紹介しながら、本市でのデマンドバスや乗合タクシーの導入を提言しました。

少し紹介しますと、デマンドバスは、事前に登録された人からの事前予約に基づき予約した人の指定する家や場所を順次回りながらそれぞれの目的地で降ろす「乗合タクシー」方式の運行形態で、路線バスに比べ利用者の多様な要望に対応しやすくなっています。

市内を5つの地域に区分けし、同一地域内や同市中心部へは300円で移動でき、他の地域へも乗換えによって300円で移動できます。

同市の社会福祉協議会が事業主体となって、同施設内に設置された車輌運行指令所から事前に登録された利用者からの事前予約申し込みに応じて、民間事業者から借り上げた14台の車輌にGPSを利用した通信システムで運行指示する仕組みになっています。

本市では、広大な市域を有し、市内全域から直接市中心部へデマンドバスを運行することは財政的な負担が大きくなることから、既存定期路線バスの各地域の主だった停留所迄なら導入できる可能性があります。

市内を幾つかの地域に区分けし、路線によっては既存の廃止路線代替バス・コミュニティバス・市街地巡回バスに替えて、それぞれの地域内でこうしたデマンドバスを運行することにより、市民の利便性が向上し、利用率が高まることから、財政的な負担も軽減される可能性があります。

各地域の拠点停留所で幹線定期路線バスに接続する「バス中継型デマンドバス」の運行によって、幹線となる定期路線バスとの相互補完性が相乗的に高まり、市内全域だけでなく、周辺自治体との連携によっては大隅全域の住民が等しく利便性を享受できる新たな公共交通体系が構築できます。

このことにより、高齢者ドライバーの免許証自主返納が促進され、交通安全対策にも繋がります。

私のこうした提言に、市長は、市内の各地域内に於ける交通弱者などの利便性を向上させるため、実態調査を行い、デマンドバスや乗合タクシーの導入等を視野に入れ、地域の実情に見合った運行内容等の見直しを検討していく、と答弁しました。

新たなバス待合施設は整備せず、リナシティかのやの既存施設を活用

鹿屋市は、「大隅地域の表玄関」・「鹿屋市の顔」にふさわしい交通の要衝・大隅地域の交通結節点としての機能・施設の整備を行うとして、ローソン裏の現バス停留所と城山公園駐車場をバス待合施設(バスセンター)の整備場所の候補として挙げ、休憩所やトイレ等待合施設としての機能の他に、公共交通の案内や駐車場・駐輪場等交通結節点としての機能の整備を図る、としておりました。

屋内トイレ等の待合施設としての機能は、リナシティかのやの施設で充分確保できるし、休憩所については、鹿屋中央サービスセンターが入居している鹿屋市の業務施設の提供も考えられます。

待合施設としての要望を全て叶えることには無理があり、駐車場・駐輪場については必要な施設として疑問を抱きます。

元々、北田大手町市街地再開発事業として建設されたリナシティビルは、大隅の中核都市である鹿屋市の複合交流拠点として位置づけされ、いわば、「鹿屋市の表玄関」としての機能を期待されたものでした。

本来の趣旨に則ったこのビルの機能を最大限利活用できるよう工夫することが、中心市街地の活性化に繋がりますし、そうしなければなりません。

こうした理由から、私は、6月定例会個人一般質問で、リナシティビルの既存施設を有効活用する工夫をすべきであって、新たなバス待合施設(バスセンター)の整備は不要である旨訴え、当局を質しました。

市長は、バス待合施設についてはパブリックコメント等の結果を踏まえ、リナシティかのやの既存施設等を活用し、バスベイと鹿屋停留所を併用することを基本的な整備方針とする旨、答弁しました。

鹿屋市がかかえる解決すべき課題について、既存施設の有効活用に目を向けず、直ぐに安易に「新たな箱物」に頼ろうとする行政の姿勢には、今後とも議会・議員の「厳しい監視の目」が必要です。

道の駅には視覚に訴える「鹿屋ならでは」のビューポイントが不可欠

鹿屋市は、道の駅について、人や物の交流・流通の促進という観点から地域活性化に資するものであり、大隅縦貫道と国道220号線が交差する付近での整備が考えられ、大隅地域の拠点都市にふさわしい充実した規模・機能を有する施設の整備が必要であることや地域のイメージを域外に広くPRし情報発進していく新たな機能を持たせることが重要であることなどから、鹿屋市のイメージを確立し地域経済の活性化を図ることを目的に策定している「地域ブランド創出プラン」の中で、道の駅の整備構想について整理検討を進めている、としています。

道の駅は、観光施設としての位置づけを最優先すべきで、整備場所の選定が成否の鍵を握ることは誰の目から見ても明らかです。

人が集まってこそ情報の発信も地域活性化も産業振興も期待できます。人を集めるためには、そこを訪れる人の視覚に訴える観光資源の存在が不可欠であるし、それがなければ何の変哲もない単なる物販施設としかなりえません。

私は、鹿屋市が考える大隅縦貫道と国道220号線が交差する付近に「鹿屋ならでは」の視覚に訴える観光資源が存在しないことから、古江バイパスの花岡・古里間が事業着手となった今、「鹿屋ならでは」のビューポイントを持つ古江バイパス沿線となる高千穂公園近辺が最適である、と考えます。

この辺りには、眼下にかんぱちで有名な古江港と錦江湾を一望でき、右に櫻島、左に開聞岳、遠くには佐多岬を眺望できる絶好のビューポイントが存在します。

まさに「鹿屋ならでは」の天然の観光資源があり、これをベースに観光施設としてソフト・ハード両面から思う存分に鹿屋市が示す整備目的に適ったコーディネイトが図れます。

こうした理由から、私は、6月定例会個人一般質問で、整備場所は高千穂公園近辺とし、早急に国土交通省を初めとする関係機関と協議すべきである旨訴え、当局の見解を質しました。

答弁では、国との一体的な整備を含めた整備手法や施設の機能・規模さらには財源対策等の基本的な方向性を本年12月迄に整理するとともに、国土交通省大隅河川国道事務所と早急に協議すると述べましたが、整備場所については、今後検討するとして、明らかにしませんでした。

協同労働の協同組合法制化、共生・協働による地域社会推進に有用

世界同時不況の中で、労働環境にも劇的な変化の波が押し寄せ、新たな貧困と労働の商品化が広がり、社会不安が深刻さを増してきております。

労働のあり方は、自営・雇用・被雇用のいずれかの労働形態しかこれまで考えられませんでしたが、新たな「協同労働」の労働形態が注目されています。

協同労働は、働く意思のある人が協同で事業を行うために出資・経営し、その事業の利用者と協同して地域社会の発展に寄与する働き方です。

既に、欧米では協同労働についての法制度が整備され、社会的認知を得て、地域社会の発展に寄与しています。

しかしながら、我が国では、この「協同労働の協同組合」に法整備がなされていないために、社会的理解が不充分で団体として入札・契約ができないことや、社会保障の負担が働く個人に掛かる等の問題が指摘されています。こうしたことから、国会に於いて超党派でこの法制化を求める議員連盟が結成され、関係省庁への働きかけがなされています。

こうした働き方とこれに基づく協同組合は、市民事業による市民主体のまちづくりを創造するもので、働くこと・生きることに困難を抱える人々自身が、社会連帯の中で仕事を自ら起こし、社会参加に道を開くものです。

鹿屋市議会でもこの法制化を求める意見書を採択し、関係機関へ送付しました。

3月・6月定例会での「創政クラブ」の代表質問並びに私の個人質問の項目を掲載します。

【3月定例会一般代表質問(質問者:山川耕夫、会派構成員:東秀哉・米永淳子)】

《1、平成21年度施政方針について》
①東九州自動車道の開通を視野に置いた新たな工業団地の整備について概要を示せ
②鹿児島中央駅から鹿屋間の直行バス運行は鹿屋経済の疲弊に繋がりはしないか
③鹿屋市一般廃棄物処理基本計画を作成し、循環型社会の形成を図るとのことであるが、生活雑排水対策などはどのように考えるか
        ④7月22日の皆既日食に合わせて「輝北天球館」を観光浮揚に活用できないか

《2、地域ブランド創出プランについて》
①バイオマスタウン構想案がまとまったと聞くが、その概要と具体化に向けて年次計画・取組み施策を示せ
②予想される投資額とその財源、期待される投資効果についてはどうか
  ③産・官・学の連携についてはどうか
      ④産業振興部を農政部と商工観光部に分野別に再編、従来の主管課である産業政策課は廃止とする。今回の行政組織機構見直し方針は、推進体制上奇異に感じるが、今後の中核的役割を担う組織体制についての考え方を示せ

        

《3、政治倫理条例について》
     ①行政組織において「法令遵守等の推進に関する条例」を制定し、議会において「鹿屋市議会議員政治倫理条例」を制定しようとしているが、市長・副市長・教育長の政治倫理条例を制定しないか

《4、協同労働の協同組合について》
       ①協同労働の協同組合に法人格を認める法整備を求める動きがあるが、どう受け止めているか
②本市で先行事例又は類似事例があるか
   ③共生・協働社会の構築に資すると思うが、本市ではどのような取組みができるか

 

《5、学校教育について》
       ①生育が早く、回復力も強い安価なティフトン芝を校庭や運動場等に植えつけて、学校緑化の推進はできないか

【6月定例会個人一般質問】

《1、地域公共交通体系の構築について》
①地域公共交通体系構築にあたっての課題を示せ
    ②九州新幹線全線開業効果を鹿屋・大隅地域に導入するための公共交通ネットワークをどう構築するのか
        ③鹿屋市地域公共交通活性化協議会では、市街地巡回バス「かのやくるりんバス」やコミュニティバスの見直しなどを検討しているが、定住自立圏構想の視点から広域的に既存の定期路線バスとの相互補完性を前提とすべきであるが、どうか
    ④地域公共交通体系の構築は、市内全域の市民が等しく利便性を享受できることも併せて前提とすべきであるが、そうした視点に立っているか
          ⑤大隅の中核都市鹿屋の表玄関はリナシティかのやとすべきであることから新たなバス待合施設の整備は不要であると考えるが、どうか

    

《2、道の駅について》
         ①地域ブランド創出プロジェクトに複合交流拠点の形成として明確に位置づけし、大隅縦貫道と国道220号線の交差する付近を考えているとのことであるが、この付近に「鹿屋ならでは」の視覚に訴える観光資源が存在するのか
            ②古江バイパスの花岡・古里間が事業着手となったことを考え合わせると、「鹿屋ならでは」のビューポイントを持つ古江バイパス沿線となる高千穂公園近辺が最適と考えるが、どうか
      ③事業着手となった今、国道交通省を初めとする関係機関との協議を急ぐべきではないか

 

*議会の会議録は議会事務局又は市立図書館のほか、鹿屋市のホームページでもご覧になれます

東ひでや
鹿屋市議会議員