皆様、おはようございます。今議会1番というトップバッターのくじを我が幹事長が引いていただきまして、1番ということで緊張いたしておりますけれども、所見を述べさせていただいて、市長あるいは担当部長の見解をお聞きしたいと思います。
ただ、その前に、きょう、11日、本当にあの大震災から1年3ヵ月がたった今、本当に阪神・淡路と比べていかにも対策が遅いということに心を痛める次第であります。
さらに、1点だけ冒頭に申し述べさせていただきたいのは、本市は文教のまちということを掲げて、少年の主張大会が先日行われ、そしてまた昨日はかがやき教育週間ということで、特にPTAの人たちが子供たちの育成を願って非常に多くの方々が集まっていただきました。その中で私が考えたのは、子供たちはしっかりと大人の行動を見ている。震災瓦れきの受け入れ等についても、きずなという言葉を大人たちは一生懸命叫んでいるけれども、今、そのきずなをどう行動であらわそうとしているのか、子供たちはしっかり見ています。我が子さえよければいい、あるいは大垣さえよければいいという態度でもし臨んだなら、同じ日本人としてきずなをお父さん、お母さんはどう示したのと子供たちが大人になったときに聞かれる、私は心底そう思いました。私たち政治家は、いたずらに風評、あるいは一方的な知見を披露するだけではなくて、しっかりとした科学的根拠に基づいて政府に説明を求め、また、きずなを示していく、そういう着実な行動が問われていると本当に子供たちの姿を見ていて私は思いました。
さて、本日は、しかし、私のほうはそうした震災のことではなく、切実に起きている問題について1件質問をさせていただきます。
平成23年3月議会に獣害対策について一般質問をさせていただきました。そのときにいろいろな事例を挙げて、今一番大切なのはスピードですと述べさせていただきました。その後1年以上を経過しましたが、それが生かされているのか疑問に感じざるを得ません。イノシシ、猿、ニホンジカ等による生活被害、いわゆる獣害が農作物への被害と言われていたのはもうはるか昔のこととなっています。国道、県道では、イノシシやニホンジカなど、100kgを優に超える大型動物との衝突が頻繁に発生するようになりました。30万円や40万円の車両損害は当たり前となっており、軽車両がシカと衝突して全損となり、80万円の損害を市民が自損事故として負担する事例も発生しています。一方、車両損壊だけでなく、急ブレーキや突然の車線変更による車同士の大型事故の危険性も当初から指摘されています。また、先日はゴルフ場経営者の方とお話をさせていただく機会があり、その中でこんなお話がありました。この数年の間にニホンジカが急速にふえている。最初のころは10頭程度の群れだったのが、今や30頭が当たり前になった。早朝からふんの除去やバンカーの整備などに人手を集めて繰り出さなくてはならない。そのコストが経営に負担となっており、頭を悩ませているとのことでした。獣害は既に農業被害の域を超え、交通安全やサービス産業に被害を拡大させつつあります。
本日は、この獣害の中でも近年急速に被害が拡大しているニホンジカについて述べさせていただきます。
先ほどゴルフ場経営者の方のお話を紹介させていただきましたが、この道40年以上というベテラン猟師さんのヒアリング内容とも一致するもので、前回の質問でも述べさせていただきましたが、再度紹介をさせていただきます。それは、昔は、ニホンジカは山にすんでいるときは2年に一度1頭の子供を産むのが普通だった。里へおり出して少し栄養がよくなり、1年に1頭子供を産むようになった。さらに、里でほとんど暮らすようになって非常に栄養がよくなり、1年に2頭の子供を産むようになった。ここ数年の間に倍々ゲームでニホンジカがふえ、猟師がとる以上にふえ続けているというお話でした。過去6年間のニホンジカの捕獲実績によれば、中山間地の上石津地域では平成18年度には52頭であったのが、平成23年度では343頭になっています。猟師さんたちには実に6倍強を駆除していただいておりますが、それを大きく超えて被害が拡大しています。また、大垣地域に目を転じれば、ニホンジカの過去6年間の1年当たりの平均捕獲頭数は5頭ですが、平成22年度には14頭が大垣地域で捕獲されています。また、これまで夜行性と言われていたニホンジカが既に白昼に出没するようになっています。獣害は、中山間地、あるいは農村部で食いとめなくては、やがて都心部に被害が及ぶようになります。既に赤坂地域からも獣害対策を求める声、被害の声が寄せられています。猿やイノシシ、ニホンジカが白昼住宅街に出没し、警察や消防が発砲することができずに苦心惨たんして捕獲するといったことが日常的に発生することになるかもしれません。被害は必ず高齢者、子供、女性といった社会的弱者から始まります。子供たちの通学路に野生動物に注意といった看板が設置されるのが当たり前になるような事態は何としても避けなくてはなりません。
さて、もう一昨年になりますが、2010年のこと、暮れも押し迫ろうという12月16日、独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構の井上雅央氏を招いて学習会が開かれました。そのときのお話は目からうろこの連続でしたが、あえて3点に要約させていただくと、1、冬のえさとなるものを絶つ、2、身を隠す茂みを絶つ、特に河川、3、見つけたら脅しまくるの3点でした。この中で第2点目の身を隠す茂みを絶つ、特に河川という指摘こそ行政が率先して実施する分野だと私は考えます。上石津地域を南北に貫く牧田川は、今やアシ、ススキだけでなく、雑木や竹が生え放題の状況になって久しく、とても市民のボランティアで何とかなるという状況ではありません。また、県管理の河川維持事業として位置づけられ、岐阜県の厳しい財政状況の中でなかなか手がつけられる状況にありません。しかし、獣害の拡大はそんなことはお構いなしに拡大の一途をたどっています。手をこまねいていれば野生生物は倍々ゲームでふえていき、夜行性だと考えられていた動物が白昼堂々とまちに出没するようになります。
だから、私は、平成23年3月議会で今一番大切なのはスピードですと述べさせていただきました。この2ヵ年の市の対応を見ると、従来からある電気さくや防獣ネットの購入支援のほかは耕作者の先進地視察や学習会の支援、あるいは耕作者がみずから集団を形成して獣害対策に取り組むモデル事業への支援など、獣害対策がこれほど社会問題化しつつあるのに、耕作者、すなわち市民だけに具体的な対応を丸投げしているような気がしてなりません。本市は、あらゆる機会を通じて市民協働を強調されていますが、市民協働とは、すなわち市と市民の協働であり、それは市が率先して実践すること、市と市民が力を合わせて実践すること、市民が率先して実践することの三つをそろえることにあります。市民協働の名のもとに、市民の皆さん、頑張ってください、行政は支援に努めますというのは、行政の責任放棄にほかなりません。
そこで、私は、本市が率先して実施する獣害対策事業として、河川内の草竹木の除去を提案いたします。難しい事業ではありません。道路の除草や除雪のように、民間企業と委託提携を結び、河川を区分けして定期的に計画的に草竹木の除去を行うだけです。早くすれば早く効果があらわれ、遅ければそれだけ被害も拡大します。今すぐ着手できる全く単純な獣害対策事業です。本市の考えをお聞かせください。