都城市議会議員

ひろせ功三

KOZO HIROSE

ひろせ功三の活動報告
VOL.11

●6月議会

6月議会は新型コロナウイルス感染拡大のため一般質問が中止されました。宮崎県内で一般質問を中止した議会は都城市だけです。中止を決定した議会運営委員会の冒頭、市長名の「一般質問の中止要請」文書を議長が配布し一般質問中止の議論の流れを示したことは、議会基本条例で言う議会と当局の対等の関係から問題だと思っています。一般質問の中止は外部からの要請ではなく、議会として判断すべきものではなかったでしょうか?

●広瀬功三の一般質問(令和2年9月議会)

9月議会では「防災対策について」、「地球温暖化対策について」の2点を質問しました。

【質問の背景】

近年、世界各地で大型台風やゲリラ豪雨などによる想定外の災害が多発しています。こうした異常気象の原因に地球温暖化があると言われており、各国の自治体、団体が地球温暖化防止のための取り組みを始めています。
日本においても毎年各地で気象災害が発生しています。本市においても被災の可能性をそれぞれの地域が認識し、平常時から準備しておくことが重要です。

《防災対策について》

Q:7月に発生した人吉市での災害対応等を分析して、本市の避難収容態勢の課題をどう考えているか?

A:指定避難所は体育館が多く、バリアフリー化やトイレなど住環境に課題がある。また、新型コロナ感染症対策も課題である。

Q:新型コロナ感染症の拡大を受けて「分散避難」がクローズアップされている。この「分散避難」とは どういうものか?

A:分散避難は、新型コロナ感染症の拡大防止のため国が検討を推進している。具体的には市が開設する避難所以外に親戚や知人宅、ホテル、車中泊など様々な避難先に避難すること。

Q:山之口町で自治公民館と地区内の葬祭場がホールを避難所として利用する覚書を交わした。こうした民間施設への自主避難や車中避難をどう考えるか?

A:車中での健康障害や車を留める場所の安全確認が必要である。災害の規模にもよるが、避難所への移動や感染リスクの面から一つの有効な避難先と考える。

Q:災害時に支援が必要な方に対し「個別支援計画」を作成し、誰がどのように支援するか明確にしておく必要がある。本市の個別支援計画の策定状況は?

A:市と共有されている個別支援計画数は18である。

Q:昨年6月議会で地区防災計画の策定については「推進するよう取り組む」との答弁があった。どのように推進していくのか?

A:大規模災害時には「公助」に限界があるため「自助」と「共助」が重要になる。その共助の部分で重要な役割を担うのが地域に根ざした自治公民館などである。昨年11月に自主防災ガイドブックを作成したので、地域で活用し地区防災計画の策定を検討いただきたい。

(感想):防災への準備は地域の「自助」「共助」を中心に進めていく必要があると思います。ただ、「自助」「共助」を進めるためには、地域の防災意識を「誰がどのように」高めていくかと言う点が重要になりまし、この点は行政が積極的に関わるべきだと思っています。市はガイドブックを作成するなど一定の取り組みを進めていますが、基本的な「防災意識の高揚」に繋がる取り組みも「共助」の中で進めてほしいとの立場を取っています。こうした点から防災についての市の役割を明確にしていく必要があると感じました。

《地球温暖化防止対策について》

Q:本市の地球温暖化防止に向けた取り組みは?

A:平成29年度に地球温暖化対策実行計画を策定し、市役所の施設の省エネ改修などを行い大幅な二酸化炭素排出量削減や意識啓発に取り組んでいる。

Q:地球環境の悪化が今後の世界の経済活動や社会活動に悪影響を及ぼす恐れがある。地球環境に対する危機感を市民と共有し行動に繋げるための本市の取り組みは?

A:市民、事業者への啓発が重要と考え、小中学校での環境教育や事業者向けのセミナーを実施している。

Q:地球温暖化に対する危機感を共有しひとり一人が行動を起こす契機となるよう各国の自治体や団体が「気候非常事態宣言」を出す事例が増えている。この宣言を出すことについての検討は?

A:気候変動に対する対策は必要だと考えており、今後対策を検討する中で議論していきたい。

Q:「気候非常事態宣言」に代わる取り組みは?

A:省エネ改修、省エネセミナーなどの取り組みをはじめ、市民、事業者との連携を進めていきたい。

(感想):環境施策は、「環境問題に対する意識付け・きっかけづくり」、「具体的な行動提起・行動検証」、「市民・事業者の自律的な活動促進」といったレベルで進めて行く必要があると考えています。残念ながら、本市の環境施策は「啓発」中心の取り組みから次のステージに向かう道筋を示せていないと思います。
今後、地球温暖化防止対策に限らず、廃棄物の減量、省エネルギーなどについて、どのように市民や事業者をどう巻き込んでいくかを具体的に市に問いかけていく必要があると感じました。

●令和2年9月議会のトピック

《がんばろう都城!ふるさと応援券事業》

本来、補正予算は議会の議決を経なければ予算を執行することができません。しかし、この事業は7月に議会の議決を経ず「市長専決」として執行され、今回承認議案として提案されました。
市民一人あたり5千円の応援券と子ども一人あたり5千円の応援券を上乗せ配布する予算約10億5000万円は「ふるさと応援基金」を充てることになっています。内訳として印刷製本費に約1900万円、通信運搬費に約4000万円、委託料に約2000万円、応援券が使用される市内の登録店への交付金が9億6700万円です。
この事業はコロナ禍で落ち込んだ地域経済に対して消費を喚起し下支えすることを目的としています。市民全てに応援券を配布するために10億を超える市の単独財源が使われることについて反対意見を聞くことはありませんでした。
ただ、この事業のように広く薄く公金を投資した方がよかったのでしょうか。圏域経済の弱っている所に集中して投資する方策の検討は必要なかったのでしょうか。専決議案であったため議会として事業の根拠を議会として事業の根拠を求めなかったことなど議論が低調だったことは反省点だったと思っています。

《議員提出議案「被災者生活再建支援法の改正を求める意見書」》

(提案内容)「被災者生活再建支援法」により被災された方の生活再建支援の仕組みがあります。しかし、現在の支援の在り方では経済的な理由などから住宅再建が進まないなどの課題が出てきています。このため、被災地の速やかな復興、特に住宅再建が進むよう今以上の手厚い支援をするために支援法の改正を求めたものです。

(表決結果)3名の反対討論、2名の賛成討論があり、表決は賛成13名、反対15名で否決されました。

(広瀬功三の考え) この意見書に賛成し、賛成討論を行いました。一般質問でも触れましたが、今後気象災害は増加、激甚化してくる可能性が高くなります。本市においても大規模災害は他人事ではなく、多くの市民が被災することも想定しておく必要があると考えます。被災からの生活再建は「自助」で行うべきとの反対討論がありましたが、「自助」による再建だけでは被災した地域自体の復興も難しくなると考えます。
「最後には国の公助がある」という安心感を国民は求めているのではないでしょうか?

●議会あれこれ

都城市では議員一人当たり年額36万円の「政務活動費」が交付されます。この活動費は議員の調査研究などの活動に充て、年度末に残額があれば返還することになっています

▼この活動費は『議会の様子を伝え、市民の声を聞き、調査する』議員の基本的活動を保証するものだと考えています。特に議会の様子を伝える活動に経費が充てられることは重要です

▼活動費の使い方を見ると過去4年間で使われた活動費は議員全体で約3260万円。うち調査旅費と資料作成費が約3割ずつで広報費が約2割。市民に活動を知ってもらうためには、もっと広報に使う割合を増やす必要があるのではないでしょうか

▼また、都城市では会派に所属しない議員が単独で行う調査や議会だよりの発行、市民の意見を聴取する活動に活動費を充てることができません。基本的な議員活動に活動費を使えないよう制限していることは、市民と議会の距離を縮めることに影響があると考えています。

ひろせ功三
都城市議会議員