大垣市議会議員

田中たかのり

TAKANORI TANAKA

令和4年3月議会

一般質問表題

・高齢者の孤独死を防ぐ施策の充実・強化について
・ゴミ袋の有料化について

一般質問詳細

◯副議長(中田ゆみこ君)
 13番 田中孝典君。
〔第13番 田中孝典君 登壇〕

◯第13番(田中孝典君)
 自民党緑風会の田中孝典でございます。緑風会から、本日7名の質問で登壇させていただいておりますが、私からも、3.11の東北の大震災で被害がなお続いておられる苦難の方々、そして、コロナ禍で苦しんでおられる方々、さらにウクライナで苦しんでおられる方々に心から哀悼と一日も早い回復をお祈りいたします。また今回大雪で、非常に全国的に数十年に一度という大雪で、多くの被害が出ております。この被害が無事に回復されることを重ねて心からお祈り申し上げます。
 それでは、通告に従いまして、2件の質問、提言をさせていただきます。
 1件目、高齢者の孤独死を防ぐ施策の充実・強化について。
 この冬の大雪警報で、今年は厳しい冬から始まりました。僅か2ヵ月の間に、高齢の方の悲しい孤独死が私の周りで2件ありました。お一人はお墓参りに行く途中で雪に足を滑らせ、翌日まで発見されませんでした。もう一人は自宅のお布団の上でふだん着のまま息を引き取られ、たまっていた新聞を不審に思って1週間後に発見されました。いずれも元気な方ばかりで、逆に高齢の方を見舞ったり、声かけをしてくださったりしておられました。残念でなりません。本当に御冥福をお祈りいたします。
 私が懸念するこうした孤独死について、まだ全国的に詳細なデータはありませんが、二つの調査を報告させていただきます。一つ目は、東京都区部で発生した孤独死のデータでございます。増加傾向にあり2018年は5,513件で、うち65歳以上は3,867件、約7割となっています。二つ目、大阪府警の調査では、2019年の1年間に2,996人の孤独死があり、そのうち1ヵ月以上経過して見つかったケースが382件あるとのことです。また、孤独死をした人の7割以上が高齢者です。さらに私が注目するのは、孤独死2,996人のうち、高齢者という区分ではありませんが、60代22.8%、50代でも13.1%となっていることです。大都市では、孤独死は高齢者だけの課題ではなくなりつつあるようです。なお、孤独死の法律上の定義は現在ありません。今述べた2019年の大阪府警の調査では、孤独死の定義を事件性がなく、誰にもみとられることなく屋内で死亡し、死後2日以上経過してから発見されることとしています。堤防や畑、くぼ地等の屋外での発見は定義に入っていないようです。本市の65歳以上の独り暮らし高齢者登録者数は、本年1月1日現在で男性628人、女性2,159人の合計2,787人です。本市が見守りの切り札とする緊急通報システムの設置者数は819人、約29%です。夫婦ともに65歳以上の高齢者世帯は、令和2年調査で6,602人です。3年後の2025年には団塊の世代が全て75歳以上となり、日本は文字どおり超高齢社会となります。また、80歳の親にすがる50歳の単身の子供、子供と呼んでいいのか、大人と呼んでいいのか、いわゆる8050世代が、親が死亡し、身寄りのない準高齢者単身世帯となりつつあります。さらに、家族の生活時間の変化から、日中のみ独り暮らしとなる高齢者の方々が、実数は分かりませんが、かなりの数に上ると推察されます。高齢から超高齢社会へ移行する中で、大きな課題が二つあります。一つ目は心身の健康の維持、二つ目は孤独死の防止です。この社会を支えてくださった方々の最期が白骨死体だとは、そんな悲しいことはありません。こうしたことを踏まえて、次の点について質問させていただきます。
 本市では、孤独死、特に高齢者の孤独死をどのように把握しておられるでしょうか。国の定義が定まっていない中での独自の調査は困難とは存じますが、対策を立てるには現状の把握とデータ化、分析が必須となります。本市の取組の現状と方針をお伺いします。
 現在の緊急通報システムは、肌身離さず身につけて、何か起きたら自力で通報する装置であり、普及率も低く、孤独死の実態にも即していません。そこで、高齢者の孤独死を防ぐ施策の充実・強化のため、次の3点を提案いたします。1、情報都市大垣の面目躍如となるICTを活用した見守り機器の導入・拡充、2、従来のマンパワーによる見守りに加えて、民間企業と行政が一体となった事業型見守りシステムの構築、3、遠隔地で別世帯として暮らす家族への民間事業者による見守りサービスの紹介・奨励、本市の考えをお伺いいたします。
 次の質問に移ります。ごみ袋の有料化について、来年1月1日から、可燃ごみ、不燃ごみを有料のごみ袋にて排出という施策についてお伺いします。
 ごみ減量化のために、排出者それぞれが責任を持つために、ごみ袋の有料化を進めることは一定の効果があり、全国の自治体が採用しているので、その方針に間違いはないと考えます。ただ、本市の場合、そのことだけが唐突に出されていることに市民が困惑や不安、違和感を覚えています。この件は市民生活に直結しており、私ども緑風会からも3人の議員がそれぞれの角度から質問・提言をさせていただいております。私は次の2点を質問させていただきます。
 1、ごみの減量化は、ごみ袋の有料化だけが施策ではありません。リサイクル、リユース、リデュースの3Rをそろえることが肝要です。特にリサイクルは必須であります。しかし、本市では、資源回収の自治会等への助成金が3分の2に下げられたままになっています。当時の所管委員会では、業者の回収価格が高くなっているので助成金は減額するとの説明があり、それを基に提案を了としたと私は理解しております。現在、業者の回収価格の低下が続いており、本来なら資源回収の助成金を元に戻すのがリサイクル促進の一丁目一番地と考えます。そちらを果たさずに、新たに市民の負担だけを増やすというのは筋が通りません。むしろ、行政不信、議会不信を招来するのではないかとまで考えております。ごみ減量化のための順番は、まず、この資源回収助成金を元に戻すところからと考えます。本市の方針をお伺いします。
 2、現行のごみシールは自治会組織を通じて各世帯に配られています。市販の45lのごみ袋は、様々な機会を通じて人から頂いたり、運動会や文化祭の行事記念品として頂いたりして、弱者でも手元に持つことができました。今度はごみ袋そのものが有料になり、自ら購入に行かなくてはなりません。超高齢化が進み、運転免許を持たない高齢者世帯等では、有料化は受け入れるとしても、そもそも有料ごみ袋をどうやって購入したらよいか不安が生じています。地区センターや支所で買えるのでしょうか。公共施設ならどこでも買えるようになるのでしょうか。郵便局や農協、銀行、これらは店舗減少が続いていますが、こうしたところで買えるのでしょうか。通信販売で買えるのでしょうか。誰かに頼めば届けてもらえるのでしょうか。注文を自治会や福祉施設で取りまとめてもらえるのでしょうか。こうしたいわゆる買物難民の方々の不安に対して、本市はどのような施策を考えておられるか、お伺いします。
 これで1回目の質問を終わります。

◯副議長(中田ゆみこ君)
 市長。
〔市長 石田 仁君 登壇〕

◯市長(石田 仁君)
 ごみ袋の有料化について御答弁申し上げます。
 初めに、資源分別回収事業の奨励金につきましては、近年、中国で始まった鉄やプラスチック廃棄物の輸入制限が東南アジアに波及し、現在は新聞紙や段ボール等の古紙類までも輸入制限の対象となり、国内に古紙等が滞留するなど市場価格が大幅に下落しております。
 こうした中、本市におきましては、ごみの減量、そして資源の有効利用を目的として、自治会をはじめ、PTAや少年団などが実施する資源分別回収事業に対しまして、回収量1kgにつき4円の奨励金、当初からこれを基本として交付をいたし、資源分別回収事業奨励金交付事業を実施いたしております。昨年度は、365団体において、新聞紙や段ボール、アルミ缶など約2,150tの回収を行っていただき、約1,000万円の奨励金を交付いたしております。近年の市況の影響を受けて、資源回収事業者から実施団体に支払われる引取価格も下がってきており、また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が続き、地域での資源分別回収事業の実施が難しかったことなどから、実施団体数も減少傾向にございます。さらには、マンパワー不足を補うために、既存のごみステーションを活用して資源分別回収事業を実施する自治会や、民間事業者による資源回収ボックスの利用も増加するなど、資源分別回収事業の多様化が進んできております。しかしながら、現行の資源分別回収事業は、リサイクル意識の高揚や市民の連帯意識の醸成等にも有効な手段であると認識いたしておりますので、引き続き実施団体の活動を支援してまいりたいと存じます。
 次に、有料ごみ袋につきましては、各地域事務所や支所をはじめ、スーパーマーケット、コンビニエンスストアなど、現在のごみ処理券の販売と同様に、市民の皆さんがお求めやすい場所を販売店舗としてまいります。なお、運転免許証を返納された高齢者や、障がいのある方などに配慮した販売方法につきましては、研究してまいります。
 今後とも、ごみの減量化や資源化を推進し、循環型社会の形成に向けて積極的に取り組んでまいりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。

◯副議長(中田ゆみこ君)
 健康福祉部長。

◯健康福祉部長(三浦健二君)
 高齢者の孤独死を防ぐ施策の充実・強化について、御答弁申し上げます。
 少子高齢化の進展に伴い、独り暮らし高齢者が増加する中、誰もが住み慣れた地域で安心して暮らし続けるための見守り支援の充実が重要であると認識しております。本市では、独り暮らし高齢者の見守り事業として、見守りほっとラインや配食サービス等を実施するほか、ひとり暮らし高齢者台帳を活用し、登録者と地域の支援者をつなぎ、適切な見守りが行われるよう努めております。また、大垣市社会福祉協議会においても、新聞販売店や金融機関など69事業所と協力して見守り活動に取り組んでいるところでございます。
 初めに、高齢者の孤独死につきましては、市や市社会福祉協議会などが、独り暮らし高齢者の死亡に個別対応したケースはありますが、孤独死の明確な定義がなく、統計も取れないため、把握することは困難でございます。
 次に、ICT機器の積極的な活用につきましては、コロナ禍において対面による見守りが制限される中、通信機能を内蔵した電球の点灯状況を離れて暮らす家族等がスマートフォンで確認できる、IoT活用ひとり暮らし高齢者等見守り事業を本年度から開始いたしました。今後も利用啓発と最新のICT機器の情報収集に努め、より効果の高いサービスの提供について研究してまいります。
 次に、民間企業との協働型事業の実施につきましては、国において孤独・孤立対策への取組の強化を図るため、孤独・孤立対策官民連携プラットフォームが本年2月に設立されたところであり、今後の動向を注視し研究してまいります。
 次に、民間見守りサービスの紹介・奨励につきましては、地域包括支援センター等において、利用者ニーズに応じた民間サービスの情報提供を行うことで、家族や地域の見守り協力者の負担軽減へとつなげてまいりたいと存じます。
 引き続き、高齢者の見守り支援施策の充実に取り組んでまいりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。

◯副議長(中田ゆみこ君)
 13番。
〔第13番 田中孝典君 登壇〕

◯第13番(田中孝典君)
 ただいまそれぞれ御答弁をいただきましたが、二、三、再質問をさせていただきます。
 まず、高齢者の孤独死を防ぐ施策の充実・強化についてであります。
 高齢者の孤独死について把握することは困難との御答弁でしたが、確かに現在の市役所のデータにはないだけで、大阪や東京では、警察等と連携して実態把握に努めております。現状把握と分析なしに対策は立てられません。関係機関と連携して、高齢者の悲しい孤独死を防ぐよう、ぜひ努力をしてください。ICT機器の導入ですが、御答弁には具体数がありませんでしたが、センサーつき電球の普及は、私は33個とお聞きしております。これでは情報都市大垣の名が泣くではありませんか。私が以前に一般質問をさせていただいてから数年が経過し、見守りを目的とするICT機器は非常に充実してきました。より機能性のある機器の導入をぜひ検討してください。また、民間事業者との協働につきましては、例えば、本市では、郵便局と包括連携協定を結んでいますが、郵便局は、その特性を生かして様々な見守りサービスを自治体と協働して始めています。単独でも、こうした郵便局の見守りサービスそのものずばりの制度を既に普及させつつあります。これはもちろん総務省などの国や民間通信事業者とのコラボレーションが主体となっております。本市では、過剰とも思える提携ラッシュですけれども、具体的な成果があってこその提携です。ICTを中心とした見守りシステムの構築は、まさに本市の目指すスマートシティーの大きな柱の一つです。市役所全体の課題として、ぜひ真剣に取り組んでください。郵便局だけでなく、警備会社、金融機関等、様々な事業者が単独での有料見守りサービスの展開を始めております。高齢の親を残して他都市に暮らしている息子さん、娘さんに、ぜひ情報を周知し、1人でも多く導入していただくよう努めてください。この中で、1点質問させていただきます。
 先ほどの答弁で、事業名だけ紹介のあった孤独・孤立対策官民連携プラットフォームについて、この2月末に設立されたばかりで実働はこれからだと思いますが、その概要が分かっていれば教えてください。
 次に、ごみ袋の有料化についてです。
 ごみ袋の有料化の施策に当たっては、市民の皆さんへの丁寧な説明と免許返納の高齢者や生活困窮世帯等の弱者支援は必須の施策です。そして、市民によるリサイクルが有効との考えがありました。これは、本日変則的に、市長が議員の質問の時間を使ってごみ袋の話がございましたが、その中で、平成17年の国の方針改定の中の経済的なインセンティブと有料化というのが柱と説明された、この経済的なインセンティブについて、そもそも、どのようにお考えかということをお聞きしたい。そしてもう一つ、この数年間で古紙や段ボール等の民間業者の買取り価格がどのように変動したか、把握しておられたら具体的な数値をお答えください。なお、先ほど答弁の中で、初めから支援金が4円というふうに市長の発言にありましたが、これはぜひ訂正していただきたい。私が担当委員長のときに6円から4円に下がっておりまして、それまでは1kg当たり6円で市は助成金を出しておりました。これは新聞紙等ですけれども、状況に応じてこの支援価格は変えてきておりますので、4円が固定されているというわけではありませんので、ぜひ訂正をお願いしたい。
 以上で2回目の質問を終わります。

◯副議長(中田ゆみこ君)
 市長。
〔市長 石田 仁君 登壇〕

◯市長(石田 仁君)
 ごみ有料化について御答弁申し上げます。
 ただいま当初から4円というのが間違いだということで御指摘をいただきました。私の記憶しているところではスタートが2円だったと記憶しています。2円が4円になり、4円が6円なり、4円になったと、スタートは2円だったというところで、訂正させていただきたいと思います。
 市況の変動に合わせた奨励金の見直しというようなこともおっしゃっておられますけれども、3Rだけでなしに4Rについてもしっかりと考えていかなければいけない時代に入ってまいりました。現行の資源分別回収事業、これにつきましてはリサイクル意識の高揚や市民の連帯意識の醸成等にも有効な手段であると。私自身もそれぞれの団体を回らせていただいて、そうした奨励金だけではなしに、そうした活動の機会を設けるという大切さも十分に理解をしたつもりでございます。それらも踏まえて、これからそれぞれの地域の皆様方との説明会でも御説明させていただきますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。

◯副議長(中田ゆみこ君)
 健康福祉部長。

◯健康福祉部長(三浦健二君)
 孤独・孤立対策官民連携プラットフォームについて御答弁申し上げます。
 国の孤独・孤立対策官民連携プラットフォームは、孤独・孤立の問題に対して継続して対応していくことを目的に本年2月に設立されました。このプラットフォームでは、支援団体や自治体職員の意見交換の場が設けられ、現場課題の共有や解決方法の検討が可能となるほか、全国的な普及活動としてシンポジウムの開催なども予定されております。
 市といたしましても、今後の動向を注視し、見守り支援の充実につなげてまいりたいと存じますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。

◯副議長(中田ゆみこ君)
 13番。
〔第13番 田中孝典君 登壇〕

◯第13番(田中孝典君)
 高齢者の孤独死を防ぐ施策の充実・強化には、部署を超えた横断的な施策が必要です。国も、文字どおり官民連携のプラットフォームを構築しようと動き出しました。データを共有し、官民挙げてそれぞれの得意技を持ち寄ることは、まさにスマートシティーの中心中の中心課題です。全国の手本となるようなシステムが本市で構築されるよう強く要望いたします。
 ごみ袋の有料化について具体的なデータを示してほしいとお伝えしましたが、今、そのデータは示されませんでした。そこで、ちなみに私の所属するまちづくり団体のデータを御紹介させていただきます。
 私の所属する地元のまちづくり団体では、年間3回から4回資源回収を行っていますが、次のように買取り価格が暴落しております。新聞紙、平成28年、1kg当たり7円が令和2年から同2円に、段ボール、平成28年、1kg当たり6円が令和2年から同1円に、牛乳パック、平成28年、1kg当たり8円が令和2年から同3円に、この状況の中で、ぜひ市長が述べられた経済的なインセンティブというのを具体的にぜひ果たしていただきたい、そう思います。ごみシールの不使用分を回収し、その枚数に応じてごみ減量化の報奨金を交付する仕組みは、有料ごみ袋となった場合、当然のことですがなくなります。ごみの減量化にはリサイクル、特に自治会等をはじめとした様々な団体の取組が重要だということは認識しているとの答弁ですが、リサイクルに取り組む団体にとって、このダブルパンチでは意欲は消沈こそすれ、よしやろうという気持ちは高まりません。ごみ袋有料化の丁寧な説明、弱者への支援充実とともに、今直ちに取り組める施策として、資源回収助成金を元の額へ戻すことを強く要望し、私の一般質問を終わります。

田中たかのり
大垣市議会議員