大垣市議会議員

田中たかのり

TAKANORI TANAKA

令和2年3月議会

一般質問表題

・県観光ビッグイヤーと本市の観光振興について

一般質問詳細

◯議長(日比野芳幸君)
 12番。
〔第12番 田中孝典君 登壇〕

◯第12番(田中孝典君)
 自民党緑風会の田中孝典でございます。
 私も、一日も早い新型コロナウイルスの国難とも言える事態が回復することを心から祈念いたします。ただ、小中学生の皆さん、高校生の皆さんが一斉休業の中で、私は、一人でも多くの方がこの大垣市議会を傍聴もしくはテレビ等で見ていただいて、市議会というのはこういう活動をしているんだなということを逆に触れるきっかけにしていただければというふうに思います。そういう思いで一生懸命、また本日の一般質問を頑張らせていただきます。
 それでは、通告に従い、一般質問を始めさせていただきます。
 本年のNHK大河ドラマ「麒麟がくる」で岐阜県が今大いに注目を集め、岐阜市さんや可児市さんをはじめ、県下の関連各地が大いににぎわいを見せております。そしてまた、本年は関ケ原合戦420年に当たるとともに、数年前から企画されてきました約50億円を投じて建設されてきた関ケ原古戦場記念館がいよいよこの7月に完成いたします。7月17日に開館というふうに今のところお聞きしておりますが、これは石田三成の旗揚げの日にちなんでこの日を選んだというふうにお聞きしました。ますます歴史を中心に岐阜県、とりわけ本市をはじめとした西濃地域に注目が集まることは必至であります。一方、着実に建設が進められてきた東海環状自動車道について、昨年12月14日の大野神戸インターチェンジ─大垣西インターチェンジ間の開通に続いて、今月20日には関広見インターチェンジから山県インターチェンジ間が開通します。また、山県インターチェンジ─大野神戸インターチェンジ間も2024年に開通予定と発表されています。これらの状況を踏まえて古田岐阜県知事は、本年を観光ビッグイヤーとして、これまで蓄積してきた魅力を1年を通じて目いっぱい発信していくと述べられておられます。そして、ここからが大事ですが、その取組を通じてどういう財産が将来に残るか、将来につなげていけるかが課題となると述べられています。私は、この岐阜県の目指す観光ビッグイヤーがそのまま本市にも当てはまり、西濃圏域の中心都市として各地の魅力を総結集して発信に当たるとともに、新たな財産を生み出して未来の発展につないでいくことが極めて大切になっていると考えます。
 そこでまず、岐阜県の目指す観光ビッグイヤーを本市としてどのように捉え、その振興に活用しようとしておられるかお伺いします。
 私は、20代の青春時代が、当時大垣市が提唱された、スインク、西濃・イン・コミュニティーと重なり、「西濃はひとつ、青年の心はひとつ」を合い言葉に、揖斐川の源流の山間部から下流の平野部まで仲間と共に飛び回っておりました。巨大なテーマパークは西濃にはないけれども、各地に本当に様々な魅力が隠れているなと実感しておりました。そしてあれから30年、髪も減り、眉も白くなりましたが、関ケ原に巨大な拠点ができ、観光ビッグイヤーとして西濃がクローズアップされる時代となって、改めて何かが始まる予感に血が騒ぎます。麒麟が西濃に来る、そんな感じです。ところで、漠然とした期待感だけでは政策提案となりませんので、一つ提案をさせていただき、本市の考えをお伺いします。
 平成20年に奥の細道むすびの地周辺整備構想が策定され、むすびの地記念館の建設がなされ、本市の観光の拠点となり全国から来訪者が集まっております。記念館事務局、観光協会をはじめ、関係各位の御努力に心から敬意と感謝を申し上げます。本当にありがとうございます。
 さて、この構想に示された三つの整備コンセプト、整備コンセプトが三つ示されておったんですけれども、その3番目に「西美濃全域フィールドミュージアム化のゲートウェイ機能の整備」が示されております。この点について、平成20年9月10日の中心市街地活性化に関する委員会で当時の社本政策調整課長が次のように説明されておられます。非常に分かりやすいので、ちょっとだけ引用させていただきます。このように述べられました。「そして、三つ目が、大垣市内全域から西美濃地域全体に至るまでの歴史・文化・観光・交流産業促進に向けた拠点としてのゲートウエー、すなわち西美濃地域全体への入り口としての機能づくりに取り組んでまいりたい」。まるで今を予言しておられるかのようなコンセプトであります。入り口は出口であります。入り口機能と出口機能はセットであります。すなわち最低二つのゲートが互いに送り出し、受け入れ、この機能を備えたときに道は完成し、人の流れが生まれます。これまでむすびの地記念館は、対となる、相手となるゲートを持っておりませんでした。しかし、この7月オープンする関ケ原古戦場記念館がまさにその対であり、相手となります。互いに明確に送り出しと受入れの機能を整備すると、1本の大きな基本の道ができます。
 本市の観光産業構造を見るとき、本市は単独による1日滞在型の観光資源を持たないにもかかわらず、市内各種宿泊施設に宿泊し、夜間を基準とした飲食利用が拡大しない限り、地域経済に経済利益が還元されにくい構造があります。一方、西濃圏域各地は、本市の宿泊機能をブリッジとして複数の観光資源を組み合わせることにより、従来以上の入り込み客を得ることができます。私は、むすびの地記念館と関ケ原古戦場記念館を結ぶ観光ルートを確立するとともに、それを基軸として三つの観光ループ、観光ループというのは輪っかとなる観光ルートとお考えください、の創設を提言いたします。一つは県境を越え、三重、滋賀、福井とつながるループ、二つ目は西濃圏域各地を結ぶループ、そして大垣市内各地の魅力をつないだループ、これらの三つのループが全てむすびの地記念館を経由する仕組みづくり、それが本市の今、将来の財産づくりとして着手すべきゲートウエー機能の確立と考えます。このことにより、本市を訪れる観光客、とりわけ宿泊滞在型の観光客の増加を図ることができると考えます。
 本市の考えをお伺いし、1回目の質問といたします。

◯議長(日比野芳幸君)
 市長。
〔市長 小川 敏君 登壇〕

◯市長(小川 敏君)
 県観光ビッグイヤーと本市の観光振興につきまして御答弁申し上げます。
 本年は、東京オリンピック・パラリンピックの開催をはじめ、上石津町にゆかりのある明智光秀が主役のNHK大河ドラマ「麒麟がくる」の放映や、大垣城が西軍石田三成の本拠地となった関ケ原合戦から420年を迎える記念の年でもあり、国内外から岐阜県、とりわけ本市をはじめとする西美濃地域に注目が集まる年でございます。岐阜県では本年を観光ビッグイヤーと位置づけ、広域周遊観光の核となる関ケ原古戦場の魅力づくりを一つとして、また戦国武将観光の本格展開として、7月には岐阜関ケ原古戦場記念館がオープンし、また10月には大規模な合戦再現イベントを開催するなど、様々な事業を計画しておられます。
 こうした中、本市では、東京オリンピックを盛り上げるため、来月には聖火リレー関連イベントを開催するとともに、7月にはランニングイベントとして注目されているFREE10を開催するなど、スポーツの振興と地域活性化に取り組み、地域資源の魅力再発見につなげてまいります。また、関ケ原合戦420年や岐阜関ケ原古戦場記念館のオープンに合わせ、戦国大垣3城再発見事業として、大垣城、墨俣一夜城、上石津多羅城とそれぞれゆかりの戦国武将、石田三成、豊臣秀吉、明智光秀に焦点を当てた事業を展開してまいります。さらには本市と同様、十万石の城下町として発展してきた自治体と連携し十万石サミットを開催するなど、本市の観光資源を生かした地域の活性化につなげてまいります。この機会に国内外から多くの観光客等に本市をはじめ西美濃地域を訪れていただけるよう、歴史観光資源等をつなぐ広域観光ルートの整備やツアーの企画、スタンプラリーの実施等、広域連携による観光振興を図ってまいります。
 また、昨年10月に県や関係市町、観光協会等と設立した岐阜県大河ドラマ「麒麟がくる」推進協議会と連携し、ホームページや観光情報等による情報発信事業をはじめ、明智光秀の出生地を巡るツアーの企画や各地域の特色を生かした土産品の開発、販売等に取り組んでおります。とりわけ本年1月からは、奥の細道むすびの地記念館の芭蕉庵や市役所1階の売店、おがっきぃマートにおきまして明智光秀関連の土産品コーナーを設置し、観光客等に明智光秀ゆかりの地をPRしているところでございます。
 今後とも、奥の細道むすびの地記念館を西美濃地域の観光交流拠点として活用し、本市をはじめ西美濃地域の魅力を大いに発信するとともに、県や関係市町等と連携して本年の観光ビッグイヤーを官民一体となって盛り上げてまいりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。

◯議長(日比野芳幸君)
 12番。
〔第12番 田中孝典君 登壇〕

◯第12番(田中孝典君)
 ただいま答弁ありがとうございました。
 ゲートウエーという言葉が出てこなかったので、趣旨は広域で人を動かすという趣旨でありましたが、構想の中で明確にゲートウエーとして送り出しを述べられていますが、私が述べたようにゲートウエーは受け入れる、送り出すという機能を持っておりますので、そこを明確にしていただけると助かるというふうに思いました。
 2番目の質問というか、少し補足をしたいので、再度質問させていただきます。1回目のときに、具体的なと称して観光ループの創設の提案をいたしましたけれども、恥ずかしながら、さらに具体的なというと自分自身の限界を思い知らされてしまいます。
 例えば、これはどうしても大垣が中心となってやってほしいアイデアの一つですけれども、石田三成、大垣で戦わばという天下分け目の大垣合戦コンテスト。もし石田三成が大垣城を出ずに大垣で決戦していたらどうなっていたかということを全国に呼びかけてコンテストを実施して、その成果を本市で展示、あるいは激論を交わす。関ケ原古戦場記念館に行けば、必ず歴史のイフ、もしもを体験しにその後大垣市へ、というセットがこれでできるんじゃないかというふうに思います。あるいは、年間200万人が訪れる2ヵ所の拠点、お千代保稲荷と谷汲山華厳寺は、これはマストの観光拠点でもあります。ここを結んで、8の字のような拠点を大垣で結べないか。例えば、今健康ブームでございまして、健康志向と低い山、低山といいますが、低山トレッキングを組み合わせて、岐阜滋賀三重健康トレッキング名山100選を選べないか、全コース完歩ツアーを組めないか。あるいは、例えば若い世代のために緑の村のBMXパークを拡大整備し、岐阜滋賀三重BMXトレーニング合宿を誘致できないか。これは次の次のためのオリンピック強化合宿につながらないか。ちなみに、全日本の小学生BMXチャンピオンはこの西濃地域から、このBMXパークでトレーニングを積んだ小澤さんという小学生の子が全日本のチャンピオンになっています。恐らく彼は将来のオリンピックの有力な候補だと私は感じております。今私の言ったようなことは、1人の人間の限られたアイデアにしかすぎません。その発想には限界があります。そして、年を取るほど悲しいかな、湧いてくるアイデアが少なくなってきます。そこで、市長にぜひお願いします。
 市役所、あるいは関連団体の若い職員の皆さんの軟らかい頭でこれまでにない企画をぜひ立案、実行してください。これが恐らく全国に大垣をすごいぞと言ってもらえるそのきっかけになると思います。
 私は率直に申し上げて、本市に与えられた時間に猶予は少ないと考えています。それは、次の2点からです。
 2024年の山県インターチェンジ─大野神戸インターチェンジ間の開通で、実は高山がゲートウエーに加わります。国際観光都市としての高山市の吸引力はとてつもなく強く、岐阜県下で最大のストロー効果を持っています。吸い上げる効果を持っています。関ケ原古戦場、高山散策宿泊というパックができてしまったら、本市は勝てるでしょうか。
 その一方、実はちこり村という全国でも有数の農業パークを運営する株式会社サラダコスモさんが日本最大級のカット野菜工場をお隣の養老町に建設されておられます。新年度には開設と伺っております。こちらも約50億円になろうという投資です。そして、このカット野菜工場が軌道に乗れば、アグリパーク、農業パークちこり村の建設を予定されているとお聞きしました。ちこり村、お千代保さん、国営木曽三川公園、そしてその先には中部地方最大のレジャーパーク、ナガシマスパーランドが控えています。これらが同一方向のベクトルを形成し、それが重なって観光客の大きな流れとなってしまうこと、仮にベクトル重複効果と呼ぶとすると、このまま大垣市が手をこまねいていれば、このベクトル重複効果で、やはり数年先には高山に匹敵する吸引ルートが今度は南にも完成することになります。この流れに本市は勝てるでしょうか。私は一番怖いのは、北と南に観光客は吸い寄せられ、本市はかすりもしなくなったらどうなってしまうかということです。タイムリミットは2024年です。2024年までに、大垣は面白いぞ、西濃は面白いぞ、北へ南へ向かう観光客の何割かをループに乗せて、本市へ戻し宿泊し、一日でも長く西濃に滞在してもらう仕組みを完成させておかないと、気づいたときには手後れになると懸念しております。
 市長は新年度の施政方針の中で、明智光秀、関ケ原420年を契機にさらなる観光促進、誘客促進を図ると述べられました。私は改めて市長の決意をお伺いしたい。市長の決意をお伺いして2回目の質問といたします。

◯議長(日比野芳幸君)
 市長。
〔市長 小川 敏君 登壇〕

◯市長(小川 敏君)
 県観光ビッグイヤーと本市の観光振興について御答弁申し上げます。
 本年は、東京オリンピック・パラリンピックの開催をはじめ、NHK大河ドラマ「麒麟がくる」の放映や関ケ原合戦420年など、国内外から本市をはじめ西美濃地域に注目が集まる観光ビッグイヤーでございます。関ケ原古戦場記念館と奥の細道むすびの地記念館は西美濃観光拠点のゲートウエーとなるものだと思います。
 この観光ビッグイヤーを確実に生かし、本市をはじめ西美濃地域の魅力を大いに発信するとともに、県や関係市町等と連携して官民一体となって盛り上げてまいりますので、御理解いただきますようよろしくお願いいたします。

◯議長(日比野芳幸君)
 12番。
〔第12番 田中孝典君 登壇〕

◯第12番(田中孝典君)
 ただいま、市長の決意、官民挙げて取り組むという決意をお伺いすることができました。人口減少時代を迎えて、全国がライバルであります。魅力的なイメージの発信というのは、移住定住にも関連します極めて大切なことであります。市内全域、各地区に様々な魅力がございます。それを日本全体に発信できるように力を尽くしていただくとともに、ループを回す意思、これはまさにスインクの私は遺産、あるいは資産と考えておりますが、西濃全体に人を動かす、これは中心自治体である大垣市の力強い意思と行動力が必須となってまいります。このスインクの資産を生かして、この観光ビッグイヤーに大垣市、あるいは西濃地域が本当に日本全国に知れ渡るような企画がなされることを期待して私の質問を終わります。

田中たかのり
大垣市議会議員