大垣市議会議員

田中たかのり

TAKANORI TANAKA

平成26年12月議会

一般質問表題

「里山の魅力に囲まれたUターン・Iターン者用賃貸住宅の建設を」

一般質問詳細

◯第5番(田中孝典君)
 議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして、質問をさせていただきます。  今、議員各位、また理事者のほうからも移住・定住施策の重要性がるる述べられましたが、私のほうからも具体的な提案として施策を提言したいと思います。
 平成26年10月30日の中日新聞の一面トップで、「若夫婦田舎で暮らそう 大垣・上石津 空き家紹介、移住増」という記事が掲載されました。私の記憶でも、この上石津のような田舎での取り組みが中日新聞の一面のトップを飾るというのは本当に記憶がない、それぐらい大きな扱いをされました。それは本市時地区で、自治会長や公民館長が親身になって案内や条件整備をするなどのこれまでの地道な努力が実って、Iターンの若者世代の入居が続いているという内容です。具体的には、平成21年度に30代の夫婦とその父、平成23年度に立命館大学の学生のシェアハウス、平成25年度には30代夫婦と3歳未満児、30代夫婦、40代夫婦と6年生男児、4年生女児、平成26年度には30代夫婦、20代夫婦、30代夫婦の転入がなされています。多くの家族の皆さんが、自然環境、子育て環境、治安環境のよさを移住の理由に上げておられます。もとの居住地も、東京都、名古屋市、神戸市、江南市、大垣地域、上石津地域Uターンなどさまざまです。今も問い合わせや地域案内が続いておりますが、空き家の提供だけではもう限界があり、実際のところ要望に対して供給ができないという理由でテレビやラジオの取材を遠慮していただいているという非常に悲しい、あるいは悔しい状況にあるとのことです。
 そこで、市長にお伺いします。
 現在、本市では、子育て日本一施策の主要事業として、子育て世代の移住・定住施策を推進していますが、その一つとして里山地域にIターン・Uターン者用賃貸住宅の建設を進めていただけないでしょうか。
 実は、このUターン・Iターン住宅には着実な先進地があります。それは、本日お手元に配付させていただいているこの中津川市です。中津川市に注目したきっかけは、平成22年、今から4年前の12月1日付の毎日新聞のこんな小さな記事です。これには「UIターン住宅入居者を募集 きょうから中津川市」と小さく載っておりました。2LDKの木造2階建てメゾネット、長屋型の集合住宅ですが、形式で6軒の入居者を求めるという記事で、真新しい住宅の写真が添えてありました。私は、これをいつか大垣市にもと思い、ずっとこの手帳に挟んで、いつかはこうした住宅を、いつかはこうした住宅をと思ってまいりました。
 本年になって、中津川市に現状や効果を調べさせていただいたその資料が今のお手元の資料です。中津川市は、平成20年度から着実に次のようなUターン・Iターン者用住宅の整備を進めてきました。平成20年度、木造2階建て長屋住宅1棟6戸、平成21年度、同じく2棟8戸、同じく同年度、さらに1棟6戸、平成22年度、同じく1棟6戸、平成23年度、同じく1棟6戸、平成24年度、同じく1棟6戸、これら合計7棟38戸の建設においては、若者定住住宅と地域優良賃貸住宅の2種類の住宅の整備が進められてきています。
例えば、若者定住住宅の入居条件は以下のとおりとなっています。1.同居する配偶者または婚約者がいる方。2.入居者及び他の同居者の年齢が35歳以下である方。3.市税を滞納していない方。4.暴力団でない方。5.5年以内にこの市営住宅のある地区へ定住を希望する方。6.家賃は3万円。地域優良賃貸住宅もほぼ同様の条件となっています。これら7棟38戸は、決して中津川市の都心部に建てられているわけではありません。お手元の写真や地名、例えば旧加子母村、旧川上村、旧山口村などを見てもわかりますように、自然環境豊かな中山間地ゾーンに地域振興施策の柱として建設されております。
 この取り組みは注目度も高く、行政視察専用の資料がつくられて全国に発信されております。この資料の中で、この事業ではこんな効果を期待していますとあります。市外からの若者の誘導と市外への若者の流出を防ぐことで定住人口が維持され、地域の活力向上が見込まれます。1.複式学級の阻止、2.少子高齢化の抑制、3.地域コミュニティの維持、4.若年労働者の確保、5.地場産材の活用と需要の促進。平成25年5月10日現在で、入居者数は大人70名、子供32名の計102名、Uターンは11世帯、Iターンは24世帯で、Iターンすなわち新規移住がUターンの倍以上を占めています。期待された効果をほぼ完全に達成しているのではないでしょうか。
 さらにちょっと御無理を言って、中津川市の担当の方に財源一覧を作成していただきました。この資料の裏面でございます。各棟それぞれ1億1,000万円から1億5,000万円ほどの事業費で建設されています。岐阜県の補助金や交付金、合併特例債を活用して、市の一般財源の持ち出しが安価になっているのが特徴です。中津川市は、平成17年2月に恵那郡坂下町、川上村、加子母村、付知町、福岡町、蛭川村並びに長野県木曽郡山口村を編入合併しており、このUターン・Iターン住宅の建設事業は、特に合併特例債の活用について、典型的な優良事例になっていると思われます。
 今、若者夫婦の価値観や人生観が多様化しています。都心部の便利さを求める世帯もあれば、里山地域の自然環境のよさを求める世帯もあります。大人数の競争教育を求める世帯もあれば、少人数の丁寧教育を求める世帯もあります。質の高い学習塾を求める世帯もあれば、野山で泥んこになって遊ばせたいという世帯もあります。おいしい外食レストランを求める世帯もあれば、子供のためにアトピー軽減が可能な自然食材を求める世帯もあります。少しでも現金収入を向上させたいという世帯もあれば、暮らしの質を収入よりも優先したいという世帯もあります。オール電化を求める世帯もあれば、まきストーブを購入して、喜々として親子でまき割りを楽しむ世帯もあります。
 冒頭に紹介した新聞記事にもありましたが、現在も3組の若者世帯の相談を受けている自治会長は、東日本大震災以来、暮らしや環境を見詰め直す人がふえてきたことが移住希望者の増大につながっているのではないかと話されています。今、移住・定住希望者は、決して都心部のマンションや駅周辺の一戸建て住宅だけを求めているのではありません。
ふるさと回帰支援センターの10年以上にわたる取り組みにも見られるように、東京や大阪、名古屋などの都心から自然環境豊かな里山地域への移住を求める人が大幅にふえています。住宅供給さえできれば、多様な移住・定住者の確保ができる時代に突入したと私は確信しております。本市においても、中山間地の良好な里山資産を資源としたUターン・Iターン者用賃貸住宅を建設されるよう提案いたします。市長の考えをお伺いいたします。

◯議長(高橋 滋君)
 市長。

〔市長 小川 敏君 登壇〕

◯市長(小川 敏君)
 里山の魅力に囲まれたUターン・Iターン者用賃貸住宅の建設について御答弁申し上げます。
 先般、新聞で紹介されました上石津町時地区への移住者や移住希望者がふえているという記事でございますが、名古屋で開催される県主催の移住相談会への参加、移住希望者からの相談対応や優良空き家の紹介など、時地区の皆様に取り組んでいただいており、こうした活動が成果としてあらわれてきているものと存じます。
 本市では、これまで東京、名古屋、大阪での移住相談会や、移住・定住ポータルサイトなどを活用し、他都市に先駆けた取り組みである高校生世代までの医療費無料化や美しい里山に囲まれた上石津地域の魅力などを発信するほか、地域の皆様と連携し自然豊かな環境の中で子育てを希望される方などを対象とした魅力体験事業を実施しているところでございます。また、上石津地域への移住希望者の定住を促進するため、中堅所得者用の特定公共賃貸住宅・一之瀬住宅の入居要件を緩和し、市外から移住される方も入居できるようにしてまいりたいと存じます。
 御提案の里山の魅力に囲まれたUターン・Iターン者用賃貸住宅につきましては、これからの人口減少社会を迎える中で、移住希望者のニーズ把握を行いながら、移住希望者の定住促進策として研究してまいりたいと存じます。
 いずれにいたしましても、大垣に住んでみたい、住んでよかった、住み続けたいと感じていただけるまちとなるよう、日本一住みやすい都市を目指しまちづくりに取り組んでまいりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。

◯議長(高橋 滋君)
 5番。

〔第5番 田中孝典君 登壇〕

◯第5番(田中孝典君)
 ただいま市長の御答弁をいただきましたが、再度申し添えておきたいことがございます。
 中津川市は平成20年から既に始めていて、7棟38戸102名以上の居住者が入ってきている。そして、それは中津川、あるいは恵那のこのゾーンが、移住・定住に関しては岐阜でも最先端というブランドイメージをつくろうと、あるいは形成されつつある、既に先行を許しているということをしっかりと理解していただきたい。今から研究して5年後、10年後に何か行動をというもう時期ではないということをしっかりと職員の皆さんと共有していただきたい。東京、大阪、名古屋等のふるさと回帰への動きというのはもう10年、15年前から始まっておりまして、既にその中で岡山であったり、高知であったり、長野であったりというところが先鞭をつけて、ブランドイメージを形成しつつあります。本市においては既に後発組ですので、後発組としてどんな魅力を付与していくのかということをしっかり考えて早く手を打っていかないと、大垣ブランドというのが形成されないまま、二番煎じ、三番煎じになってしまう、そういう時期にもう既に来ているということをちゃんと考えてほしい。
 あと、実は市の姿勢について一言だけ伝えたいことがございます。スクラップ・アンド・ビルドと市長はよく言われます。公共施設をカットして新たな建設に回す。時地区、あるいは上石津地区において既に時山バンガロー村は閉鎖され、この9月には日本昭和音楽村のカナディアンカヌー場が閉鎖されました。これらは年間3,000人から3,500人の年間入り込み客をもって、地域あるいは大垣市の活性化に寄与しておった施設でございます。しかし、それらは時代にそぐわないということでカットになっております。スクラップをした、それじゃ時代に即した施設はどうやってビルドしていくのか、そういうことをしっかりと考えてほしい。
 それから、民間ができないところは行政が率先して行うと市長が施政方針で述べられたのは3年ほど前ではなかったでしょうか。中津川市は、このUターン者用・Iターン者用住宅をつくるときにこういう方針を出しております。市内のどの地域に整備するか。高齢化率の高い地域、複式学級が予想される地域、民間アパートが参入しない地域を優先的に整備する。Uターン者用住宅の中にはっきりとそれは書いてあります。
 次は、常に住民主導、住民主導と市長は言われる。じゃあ、どこまでやったら住民主導に続いて行政はその住民を支援してくれるのか。そこが非常に明確ではない。実は、空き家というのはそう簡単に提供できるものではない。きちっと整備し、賃貸条件を整え、双方の条件をあわせてマッチングをして、まさに不動産業に匹敵する行為をしないと空き家という提供はできない。もう市民として行うにはそれは限界が来ている。ニーズはどんどん高まっていて、市民としても活動として限界が来ている。このときにこそ行政が動く、そういうタイミングではないのか。そういう時代に今来ています。便利さを求める人々のほかにも、不便は人を育てきずなを育むと信じて、中山間地域へ子育てのために入ってこようという人たちが日本全国でふえつつあります。どうかそのニーズに着実に大垣は打って出て、子育て日本一大垣、移住定住は都心部でも受け入れれば、里山地域でも受け入れる、いろんなニーズに大垣は応えていくぞ、そういう姿勢を一刻も早く打ち出してほしい、そう思います。
 そう提言させていただいて、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

田中たかのり
大垣市議会議員