大垣市議会議員

田中たかのり

TAKANORI TANAKA

平成22年12月議会

一般質問表題

「がん緩和ケア事業の推進について」
「骨粗鬆症対策の推進について」

一般質問詳細

◯議長(岩井哲二君)
休憩前に引き続き、会議を開きます。
一般質問を続行いたします。
1番 田中孝典君。

〔第1番 田中孝典君 登壇〕

◯第1番(田中孝典君)
午後の部の1番ということで、気を引き締めてまいります。
それでは、通告に従いまして、2点質問をさせていただきます。
第1番目に、本市におけるがん緩和ケア事業の取り組みの現状と今後の方針についてお伺いいたします。
日本人の主な死因別死亡数の割合を見ると、第1位が悪性新生物、いわゆるがんで、2位、3位が心疾患あるいは脳血管疾患となっています。この三つでほぼ3分の1を占めますが、とりわけ悪性新生物の割合がその半分を占めている状態です。また、男性は2人に1人、女性は3人に1人ががん患者となる状況になっています。このような状況を踏まえて、平成18年6月にはがん対策基本法が施行されました。この法律では、がん患者の療養生活の質の維持向上のために、国及び地方公共団体の責務として、緩和医療の早期からの提供、在宅との連携協力体制の確保、医療従事者に対する研修の機会の確保などが挙げられます。こうした施策を講じよと述べております。今回この3点のうち、緩和ケアについて質問をさせていただきます。がん対策基本法にいう緩和医療、あるいは緩和ケアと呼ばれるものがいかに大切か、私はそれは次のような三つのことからだと考えております。第1点目は、早期発見、早期治療によれば、がんの中には治癒したり大事に至らずにおさまったりするのに、今なおがんと聞いただけで、まるで不治の病に冒されて人生のすべてが終わったかのように思い込んでしまう人が圧倒的に多いことです。この思い込みがあるため、治る可能性、あるいは悪質化を防ぐ可能性もあるのに、1人で悩み、落ち込み、家族にも言えないか、家族の無理解のためにかえって傷ついてしまう患者さんが多い状況を改善しないといけないということです。がん告知を受けたとき、圧倒的多数は、1人きりでイメージ先行の恐怖に放り込まれてしまいます。第2点目は、若い世代のがんは進行が早く、かつ働き盛りの状況にあるため、病気の対策以外に、家族の世話の不安、仕事の不安、入院、治療、そして家族の将来設計などの経済的不安に同時にさらされてしまい、心理的にほとんどパニック状態になり、抜け出す道が見出せないということです。そして、治療に伴う痛みと虚脱感で、自分自身をさらに見失ってしまう状況にあります。第3点目に、今度は、高齢者の方の中には入院時に延命治療不必要の申し入れをされ、痛みの緩和コントロールのもと、亡くなられる寸前まで地域の人や友人たちと過ごし、家族や親しい人たちに囲まれて最期のときを迎えたいと考える人がふえているということです。これらの3点から、私は、患者をひとりぼっちにせず、治療だけでなく生活設計の相談にこたえることができ、がんを持っていても家族、友人や地域社会の中で居場所をつくれることが大切と考えます。まさに緩和ケアの言う肉体的苦痛からの緩和、精神的苦痛からの緩和、社会的苦痛からの緩和です。
さて、こうした状況にあって、実は昨日、市民病院の中でがん患者さんたちがみずから主催してクリスマス会を企画され、1時から予定の4時をはるかに過ぎるまで大きな盛り上がりを見せました。これは患者さんに和んでもらおうという一般の健常の方が患者さんを招待したということではなくて、がん患者さんや家族の人たちがみずから企画をして、広くそういう場へ同じ悩みを抱えている人たちを呼んで仲間の輪を広げようとされたと、これは本当に画期的な取り組みだと思っております。また本年度、文教厚生委員会の視察で、浜松市の聖隷三方原病院で、ここは日本で一番最初にホスピスという終末期医療に取り組んだ先進的な病院ですが、そこのホスピス担当の医師からも、実は早期から緩和ケアに取り組むことがいかに大切かということを学ばせていただきました。
本市における緩和ケアの取り組みの状況と今後の方針についてお聞かせください。
さて、第1番目の質問で日本人の死因に触れさせていただきましたが、改めて申しますと、65歳以上の死亡原因の上位三つが、がん、心臓病、脳血管障がいが占めているということです。地域を歩かせていただいて壮年期や高齢期の方々とお話をさせていただいていると、がんと寝たきりが生活不安の中に占める大きなものとして常に上がってまいります。
そこで、今度は、介護が必要な状態を招くのは何かという視点で見ると、65歳以上の方々の要介護の原因の上位三つは脳血管障がい、いわゆる脳卒中、高齢による衰弱、そして転倒、骨折となっています。12月1日号の広報おおがき、ここの「介護予防一口メモ 暮らしの中での転倒予防」と題して、ここでもコラムで特集がなされています。

〔資料を提示〕

◯第1番(田中孝典君)
2番目の質問として、この中で転倒骨折対策の主要なテーマである骨粗鬆症対策についてお伺いをいたします。
骨の構造を見ると、中に骨梁、「骨」という字に「梁」という字を合わせていますが、この骨梁という縦横に走る無数の柱、あるいははりがあり、丈夫な構造をしています。この柱やはりが細くなったり数が減ったりして骨がすかすかになりもろくなった状態、これが骨粗鬆症です。骨がもろくなって、ちょっとした衝撃でも骨が折れてしまうということは、転倒すると骨折を起こす危険性が大変高くなるということです。高齢者が転倒されると最も骨折しやすいのは実は足のつけ根の骨、大腿骨近位部といいますが、ここです。ここを骨折すると、多くの方々は入院して手術が必要になります。これほど大きな骨折事故でなくても、高齢者の場合、入院して安静にしていると筋力が早く衰え、さらに転倒しやすくなります。この悪循環が繰り返されると、介護が必要になったり、寝たきりになったりする可能性が高くなっていきます。これが骨粗鬆症の最も大きな問題点です。
また、別の面から見させていただきます。実は3世代そろった家庭というのは、本当にうらやましいくらい幸せだと私は思っております。両親と祖父母で子供の世話ができる、これは本当に幸せなことです。しかし、昨今、晩婚化で、子供を見る祖父母の年齢が高くなっております。また、少子化で王子様、王女様と育てられて、非常にはっきり言いますと自分勝手、わがまま勝手な子供になっておりまして、おじいちゃん、おばあちゃんたちはお守りをするのが大変な状況になってきております。もし、そうした状況の中で祖父母が骨折、転倒して寝たきりという状況になっていけば、働く両親、また子供にとっても大変な結果となってしまいます。このためには、骨粗鬆症対策は非常に重要だと私は考えております。本市における骨粗鬆症対策の取り組みの現状と今後の方針をお聞かせください。

◯議長(岩井哲二君)
 市長。

〔市長 小川 敏君 登壇〕

◯市長(小川 敏君)
骨粗鬆症対策の推進について御答弁申し上げます。
骨粗鬆症は、加齢やカルシウム不足、運動不足、またホルモンの減少などの原因により、男女とも高齢になるほどその発症率が高くなってきております。
その対策として、子供のときから食生活や運動などで骨を強くする生活習慣を身につけていただくとともに、特に高齢の方には転倒による骨折から寝たきりといった状況にならないよう、生活環境への配慮も求められております。豊かな高齢期を迎えるためにも、加齢とともに低下する骨量、骨の量の減少を極力抑えていく生活習慣が重要と認識しております。
 本市における取り組みでございますが、骨粗鬆症は女性が全体の8割と多いことから、40歳から70歳の女性を対象に市内37医療機関において検診を実施しております。また、骨粗鬆症予防のため、各種健康講座等でカルシウムを十分にとりバランスのとれた食生活を身につけていただくことや、適度な運動で丈夫な骨をつくることなど保健指導に当たるとともに、大垣市食生活改善協議会等と連携し、カルシウムの摂取と吸収を高めるための食生活指導の充実に努めております。
今後も、身近な場所での検診機会の提供と保健指導の充実に努めるとともに、子供のときから骨粗鬆症予防のため、学校と連携し、保健体育や家庭科の授業を通して栄養教諭による栄養指導の充実と家庭への啓発などを図ってまいりたいと存じます。また、市民の健康広場、乳幼児健診、子育てサロンなどの機会をとらえ、子供からの骨粗鬆症予防が重要であることを広く啓発してまいりたいと存じます。御理解賜りますようお願い申し上げます。

◯議長(岩井哲二君)
病院事務局長。

◯病院事務局長(浅野孝一君)
がん緩和ケア事業の推進について御答弁申し上げます。
当院では、西濃医療圏域の基幹病院として、平成17年に厚生労働省から地域がん診療連携拠点病院の指定を受け、専門的ながん治療を行うとともに、拠点病院としてがん治療の質の向上に取り組んでおります。現在、入院中で緩和ケアを希望される患者さんには、医師、薬剤師、看護師、臨床心理士から成る緩和ケアチームでサポートを行い、退院後については、身体症状や精神症状にあわせ緩和を目的とした緩和医療外来を開設しております。さらに、同じ悩みを持つ患者さんや御家族の心のいやしと情報の交換の場としてがんサロン・なごみ庵を提供し、患者さんと協働して定期的にミニ勉強会などを開催しております。また、当院は県下でもいち早く六つのがんに関し地域内で統一使用する診療計画書、地域連携クリニカルパスを作成し運用しております。本年9月からは、患者、家族の望まれる医療と治療の早期から不安や苦痛を緩和するため、かかりつけ医と連携し在宅で治療を行う緩和ケア地域連携クリニカルパスを開始したところでございます。
今後、がん患者さんとその家族がより一層安心して療養生活を送られるよう、西濃地域の医師会を初めとする関係機関と連携を密にし、緩和ケア研修会を開催するなど、がんに携わる従事者の人材育成に努め、より質の高い緩和ケアに取り組んでまいります。御理解賜りますようお願い申し上げます。

◯議長(岩井哲二君)
1番。

〔第1番 田中孝典君 登壇〕

◯第1番(田中孝典君)
ただいまは、御答弁ありがとうございました。
緩和ケアの推進というのは、私はもう待ったなしの状況にあると思います。高齢化だけをとってみても、2025年には団塊の世代の方々が75歳を迎えます。恐らく体の変調を訴えられる方々が急増し出すことは容易に予想されます。私は先ほどあえて本市のと質問をいたしました。緩和ケア対策を大垣市民病院に限定するつもりはありません。専門の医師、看護師、技師、療法士などの方々のほかに、緩和ケアの推進にはいろいろな経済的な、あるいは社会的な相談に乗れるメディカルソーシャルワーカーや訪問看護ステーションの整備、在宅介護支援体制の整備、就職活動、がん患者であってもおさまっている人は働いて生活費をやはり得たい、そうした就職活動の支援と雇用の確保、さらには地域包括支援センターの機能強化やコミュニティ社会の包容力の維持、こうしたことが必要だからです。緩和ケアの根底には、こうした全人的な取り組みを求め発想が流れております。本市の関係部局が連携し合って緩和ケアのネットワークを構築されるよう強く要望いたします。
続いて質問させていただきました骨粗鬆症対策は、答弁にもありましたように、二つの柱に分けられると思います。一つは、今そこに危機が迫っている壮年期から高齢期の方々の対策です。市民みずからが少しでも身近な医療機関で検診を受け、その内容によって保健センターで生活アドバイスを受けたり、医療機関で治療を受けたりすることです。まずこの体制の一層の充実を図っていただくことを要望いたします。
そして、実は余り明らかになってきていなかったことですけども、若い世代のためのアドバイスです。先ほど市長さんの答弁にありました骨密度でございますが、二十までぐらいでその骨の蓄積のピークを迎えると、二十までが実は強い骨をつくる一番大事な時間だということです。肥満のことはよく話題に上りますが、そうした骨のことは話題に上りません。しかし、骨粗鬆症も生活習慣病であるということを広く若い世代に呼びかけ、運動不足や偏食、あるいは過度の飲酒、喫煙、日光を浴びる機会の減少、あるいは間違った知識によるダイエット、こうしたことが骨を弱らせる、あるいは骨の蓄積を妨げるということを広く啓発していく必要があると私は考えます。若いころから骨を貯金していくことの大切さを骨太の健康として本市の柱に位置づけて、将来にわたって市民が健康な暮らしを維持していけるよう積極的に推進されるよう要望し、質問を終わらせていただきます。

田中たかのり
大垣市議会議員