藤枝市議会議員

植田ひろあき

HIROAKI UEDA

植田ひろあき議員へのインタビュー

植田ひろあき藤枝市議会議員(静岡県)へ、平成26年2月5日にインタビューをさせていただきました。

内容は以下の通りとなります。

国政との違いについて(有権者が地方議員に期待されている事柄とは)

植田ひろあき議員

記者 国政との違いとして、有権者が地方議員に期待されている事はどのような事柄だと思いますか?

植田裕明議員 地方の時代といわれて久しいですが、現実はどうでしょうか。法律上、国と地方は同等と定められても、実際には、いまだ上下関係があり、地方は国の下請け的な側面が色濃く残っているのが現状でしょう。
地方の時代を築くためには、各自治体や地方議会が国から高く評価されるよう、おおいに努力することも必要かと思います。
市民生活に直結した行政機関は地方公共団体、市町村の役所です。また、市町村役所の業務には、国や都道府県が行うべき職務を代行している点も数多くあります。
市民にとって、もっとも身近な官庁が快適で信頼される存在であるためには、地方議員の役割はたいへん大きいと思います。そのためにも、地方議員はおおいに勉強し、市民や役所の職員からも一目置かれるような存在となることが一番ではないでしょうか。

藤枝市で今、一番問題だと思われる事

記者 藤枝市で今、一番問題だと思われる事は何だと思われますか。

植田裕明議員 社会保障制度の維持ではないでしょうか。扶助費や民生費は、国も地方も財政に占める割合がもっとも大きく、財政問題にも直結しています。
基本は国の制度ですが、国民健康保険、介護保険といった公的保険や、子育てなどの次世代育成支援など、市町村役所が市民(受益者)と直接、対することが多いですから、自治体の役割は大きいと思います。
藤枝市は、国民健康保険も介護保険も健全経営を行ってきましたが、増え続ける給付費に歳入が追いつかず、やむなく保険税、保険料を値上げせざるを得ませんでした。

その問題に対する具体策

記者 現在、植田市議がその問題に対して具体的に取り組んでいる事があればお聞かせください。

植田裕明議員 日本が誇る国民皆保険は、世界でもっともすぐれた制度とも言われており、この分野に関わる、市町村が保険者として経営する国民健康保険事業を例に以下、申し上げます。
国民健康保険は、本来、自営業者や農家が対象でしたが、高齢化社会を迎えたことや非正規雇用が労働者の4割を占めるという時代を反映し、高齢者、退職者、低所得者の被保険者が増え、財政基盤が脆弱となっており、増え続ける医療給付費を賄うことが非常に難しくなっているのが現状です。
構造的な欠陥や問題があるわけですが、抜本的な改革を国は示せず、各自治体は非常に厳しい運営を強いられているのが現状です。都道府県への移行も検討されていますが、なかなか前に進んでおりません。
一般会計からの繰入で赤字補填を余儀なくされる自治体も少なくないと言われますが、公的保険も独立採算が基本ですので、会社員など健保に加入している人にとっては、二重払いのようなことになりかねず、公平公正の原則からも好ましいものではありません。 極論に近いかもしれませんが、端的にいえば、社会保障制度を維持するためには、方法は2つのみ。「給付を減らすか、負担を増やすか」です。
ここで、考えるべき点ですが、公的保険は民間保険とは異なるということです。掛け捨ての民間保険の場合、「高い保険料を払っているのだから、いざというときには使わにゃ損々」という考えが、ともすればあろうかと思います。
しかし、公的保険ではそれは通じないという被保険者(加入者)の意識を持つことが肝要ではないかと考えます。
数年前、医師不足により、全国の公立病院の8割が経営難に苦しみ、地域医療崩壊の危機が叫ばれました。過重労働に耐えかね、勤務医が病院を去り、さらに悪化するという悪循環が繰り返されました。その際、コンビニ受診を避ける市民運動がきっかけで、医師の負担軽減につながり、功を奏したという経緯があります。現在、各自治体や公立病院の自助努力、市民の意識改革により、地域医療はかなり改善されてきております。
こうした事例に鑑み、市民の意識を高め、行動することが、社会保障制度維持につながってゆくものと考えます。そうすべき時期が来ていると思います。したがいまして、市民と直結する市町村役所や地方議員の行動は重要でしょう。
国民皆保険制度のはじまりは、戦前に制定された国民健康保険法にありますが、その原点は、貧困にあえぐ無医村の悲惨な状況を憂い、村人達が乏しい資金を集めてなされた相互扶助に由来すると言われています。涙なくしては語れない尊い歴史があります。 こうした原点に鑑みて、豊かな時代に生まれた私たちは、先人の流した血と汗と涙の結晶を受け継ぎ、国民皆保険をはじめ、社会保障制度がいかにありがたい存在であるか、いかに感謝して使わせてもらうかべきか、そして、その維持のためには、私たちは何をすべきか、こんな意識の醸成が必要ではないでしょうか。
病気に負けない健康づくり、予防の大切さを意識し、行動することで、医療費や介護費削減に結びつけてゆく。同時に、感謝の心や、福祉の原点でもある支え合い・助け合いを高く意識し、行動することが非常に重要であり、こうしたことの啓発に、自治体や地方議員は努力すべきと思います。
なお、藤枝市は、健康に関する数値がよく、市民の意識も高いことから、健康予防日本一を掲げ、健康施策に力を入れており、議会も私も全面支援をしています。

議員活動報告

記者 植田市議は現在議員としての活動報告は、どのような方法で行なっていらっしゃいますか。

植田裕明議員 最近はすこし他事にかまけ、怠っておりましたが、市政報告会を開催したり、藤枝市が抱えている課題点などを綴った報告書を作成し、配布するなどを行ってまいりました。
議員は軽はずみな言動を慎むべきですので、ついつい感情的になりやすいツイッターやブログはあえて行わないことにしていますが、今後は、本ページを活用することで、活動報告を行ってゆきたいと思います。

若い有権者が政治に興味を持ってもらうための工夫

記者 若い有権者の方々に政治に興味をもってもらうためには、植田市議は何が必要だとお考えですか。

植田裕明議員 若い世代の情報収集は、ネットがもっとも大きいでしょうから、ネットを活用することが必要かと思います。また、教育も重要でしょう。特に歴史、世界史から学ぶことは大いにあります。近代史で生まれた悪名高い独裁政権の多くは、事実上はどうあれ、建前上は、一応、共和制の民主主義のルールにのっとって誕生しています。それらがどれほど罪深い存在であったかは申すまでもありません。
選挙の投票率が国であれ、地方であれ、非常に低い状況がずっと続いています。特に若い世代の投票率が低いと言われています。たいへん残念なことと同時に、選挙の如何によっては、危険な政権を誕生させる可能性もあるという歴史の教訓、民主主義のパラドックスも考えなければなりません。
これは地方自治にも当てはまります。市民にとって、不利益な首長や議員を生むのも民意なら、そうした人間を排除するのも民意(選挙)だからです。
選挙に行かずして、行政や政治の悪口をいう資格はない。ということを伝えてゆきたいと考えております。

支持者へのメッセージ

記者 最後に支持者にお伝えしたいメッセージがあればお願いいたします。

植田裕明議員 いまだ、人気の高い駐日大使ケネディ氏の父、J・F・ケネディ大統領の有名な就任演説、「同胞であるアメリカ市民の皆さん、国があなたのために何をしてくれるかではなく、あなたが国のために何ができるかを考えようではありませんか。」という一節は、大統領が尊敬した、米沢藩主・上杉鷹山公の考えによるものと言われています。
「自らを助ける自助・住民が互いに助け合う互助・藩が手を貸す公助」により、徹底した改革につぐ改革を断行。莫大な借財に苦しみ、財政破綻寸前の米沢藩を救いました。
国も地方も巨額負債に苦しみ、財政問題は非常に深刻です。「なせば成る 為さねば成らぬ何事も 成らぬは人の為さぬなりけり」は、現在にも通じる崇高な理念であり、市民と行政と政治家が、互いに考えるべき重要なキーワードであると思います。

植田ひろあき
藤枝市議会議員