元対馬市議会議員

脇本ひろき

HIROKI WAKIMOTO

脇本ひろき議員へのインタビュー

脇本ひろき対馬市議会議員(長崎県)へ、平成24年2月10日にインタビューをさせていただきました。

内容は以下の通りとなります。

脇本啓喜議員

国政との違いについて(有権者が地方議員に期待されている事柄とは)

過度な地域エゴの代弁者となってはいけませんが、地方議員には地域の代弁者としての役割が、国政よりも期待されているように思います。それは、住民サービスの末端を市町村が担っていることから生じる当然のことだと思います。

それは私が3年前に議員に立候補しようと思った動機にも現れていると思います。私は当時「高レベル放射性廃棄物最終処分場誘致」について、反対活動を展開していました。しかし、一緒に反対していただいていた議員の多くが不出馬を表明する一方で、誘致推進派議員の多くが出馬を表明していきました。このままでは誘致推進派議員が議会の多数を占めてしまい大変危険な状況になると思い、出馬を決意しました。

もう一つ挙げるならば、当時北部対馬にまで延伸運航されていたジェットフォイルの事実上廃止が決定された経緯に憤りを感じたことも少なからず出馬に傾く要因となりました。一度否決された議案を僅か10日後に召集された臨時議会では、いとも簡単に賛否が大きく変わってしまった議会のあり方に不信感がつのっていったことを覚えています。

対馬市で今、一番問題だと思われる事

私は、選挙戦前に市民に向けて「対馬近未来予想図」という政策提案を配布しました。その中で、「対馬の特性を活かせる産業を発掘し、育成することで雇用の維持拡大を図る。」こと掲げましたが、雇用状況が好転すれば自然と他の問題も解決に向かっていくのではないかと思います。

その問題に対する具体策

雇用の維持拡大は、一朝一夕に好転できません。対馬の特性を活かした地道な島興しを推進することが大切です。基幹産業である水産業を再興すべく、破壊的漁法船団の実効ある規制実現に向けて、地元選出政治家の協力を得て操業区域の後退・魚種制限の厳正化を迫ることが長年の課題です。そのための前提として、対馬市が取り組んでいる「海洋保護区の設定」について自らも勉強し、報告会で市民に説明を行いました。顧客ニーズに対応した観光事業の展開を図るため、地元の方と協力して、トレッキングコースの整備や、免税店の設置に向けた調査研究を行っています。更には、観光だけではなく物流改革、特に韓国との貿易拡大に向けた調査研究は誰にも負けないと自負しています。

有権者に対する議員活動報告について

22年は北部地区のみ、23年は南部地区も加え2箇所の会場で報告会を開催しました。開催前には新聞折り込みやポスティングを行い市民に参加を呼びかけています。報告会では、DVDやパワーポイントを活用して聴覚だけではなく視覚に訴える工夫をしています。また、一般質問の原稿とパネルを拡大したものを、地元比田勝地区の2箇所に、ほぼ毎回掲示しています。

若い有権者にもっと政治に興味を持ってもらうための工夫

政治不信は、誰が市長や議員になっても何も大して変わらないという、諦めの現れだと思います。特にあまり発言の機会が与えられて来なかった若年層にその傾向が強いのではないかと思います。先ずは、若年層の声に耳を傾け、小さなアクションを見落とさず、政治家が何かリアクションを返すことです。意見を必ず取り上げる必要はありません。叶えることができない要望には、できない理由を納得してもらうまで説明することで、アクションを起こせば「何か変わる。変えられるかもしれない」と感じてくれるようになるのではないでしょうか。

支持者へのメッセージ

政治家にとっては信用が最も大切だと思います。公約(政策提言)の実現は信用に大きく関わってきます。公約を撤回あるいは変更する場合は、市民に納得してもらえる理由を公の場で説明する義務があると思います。

政治家は行政を批判するばかりが仕事ではなく、自ら政策を立案し行政に反映させていくことが求められています。

市民の市政に対する関心をより一層高めていただき、市民の声を直接伺いたいとの思いから、毎年議員活動報告会を開催しています。また、当選後2回目の議会からは欠かさず一般質問を行い、市民の声を踏まえた政策提言の実現に努めてきました(本ホームページ「政策」欄参照)。 しかし、問題解決どころか不満の緩和にも至っていないことが残念ながら多く、力不足を感じています。

今後は、ホームページやフェイスブック等を開設し、より多くの島外の方からのご指導ご鞭撻も請いながら、政策提言の実現に更なる努力をしていく所存です。皆様のご支援ご協力を宜しくお願い申し上げます。

脇本ひろき
元対馬市議会議員